テキストコンテンツの再興
先日友達と飲んでる時に「ガチで本を読まない人種がいるんだよ」とボヤいていたのがやたら印象に残りました。ここ近年は確かに動画コンテンツの充実により、文字よりも映像から情報を収集する層も生まれてきたかとは思います。
でも単純な時系列で考えると、自分より上(平成初期からその前)であれば多少なりとも物体としての本から情報を収集せざるを得なかった筈なので、そういった層は何から情報を得てこられたのだろうかと。テレビやラジオから発信される情報?近所の井戸端会議?とは言っても流石に限りがあるだろうけど……学者ではないので前段はとりあえずここまでにしておきます。
昨日X(旧:Twitter)がサブスク制を取り入れたことにより、なんだか薄気味悪いパラダイムシフトを迎えているなぁというあからさまな「時代に取り残された老人会の嘆き」みたいなnoteを残したので、一応その続きでも綴って行こうかと思います。
数年前巣篭もり需要に乗っかって動画ブームが更に加速する少し前、動画コンテンツの充実がどんどん進んで「テキストコンテンツは動画コンテンツに食われるんじゃないか」という話が出た時「動画で3分かけて得られる情報は、文字上なら1分で得られる。リテラシーの高い人間は短時間でより多くの情報を収集するためにテキストコンテンツを選ぶから、たとえ比率が変わったとしてもテキストコンテンツの存在自体はなくならない」と某リエモンが言っていました。
これはまぁ分かる。やたら前置きが長いので「結論は何よ!」とシークバーを進めたら逆に行きすぎて…これはちょっと違うか?とりあえず文字で見た方が早かった、という経験を経た人口は動画ブームに比例して増えてきたんじゃないかと思う。
あとこれもホリエ某ンが言ってたけど「検索性の高さ」。文字はワード検索かけたらすぐに情報をひっかけられるけど、動画の場合はそうもいかない。
強いていえばタイトルやハッシュタグ、キャプションになるべくキーワードを織り込めばその点も補填できるかもしれない。しかし、コンテンツ全体からの検索による情報収得率は、それでも物理的に考えて動画よりテキストに軍配が上がってしまう。
今度は逆説的に動画コンテンツが選択される局面も一応考えてみる。
・「コンテンツ発信者」自体に価値が依存する場合:
ワード以外から発せられる発信者の情報(たとえば表情、声色、動作etc…)を得たいという動機が視聴者側に存在する
・ワード以外から得られる情報に価値がある場合:
たとえば山田五郎のように「メインカルチャーの芸術作品を見ながら、それに纏わって展開されるエピソードトーク」をウリとするようなコンテンツでは、実際の芸術作品も同時に映像として見た方がより説得性と共に面白さが伝わる(BS日テレの『ぶらぶら美術・博物館』は事実面白い)
一応こうして並べると
全てのコンテンツが動画かテキストに一極集中する
のではなく
動画とテキスト、どちらにもコンテンツによってより優れた発信手段がある
ことが改めて分かる。
そりゃアイドルとかだったら映像で見た方が楽しいし。
となると、このトピックの核となるのは
テキスト・動画のどちらで発信したところで、その受容度は結局受け手に左右される
タイプのコンテンツであることも判ります。
たとえば中田某彦の出してる動画は新聞や本を読めばそのまま載っているワケだし、某メンタリストの展開する話だって論文を漁れば出てくるワケです。
効率性で考えた時、やはり情報収集の速度や検索精度の高さで勝るテキストコンテンツを能動的に選択できる人間が優位なのか…と新聞や論文に目を通す習慣の無い自分のような人間は一度は悲観します。しかし、大体元の生き方がその程度にはいい加減なので数分も経てば「今日は某田敦彦の統一教会に関する動画の後編がUPされるな〜、ワクワク」と全てを忘れてしまうので…まぁ「下手な考え休むに似たり」という言葉の芯を自ら食わされるハメになるという 笑
さて、ここに新たなパラダイムシフトを仕掛けに来たのが、Xのサブスク化・有料化なのかなと思います。YouTube、もといGoogleに流れている層からしれっとおこぼれを頂戴しよう、という感じなのでしょうか。昨日の私から見た感じ、何割かは受け入れ、何割かはまだその経済圏を受け入れ難いという拮抗した様相を呈している印象です。ただ人間は慣れる生き物なので(事実生存するのは環境に適応した生物なので)、Twitterというプラットフォームを乗っ取られた後も残存している人は多分移動しないし、この新たな環境にも特に打撃的な影響が無い限り順応していくだけでしょう。
これからこの文字メインのプラットフォームをエサにビジネスを展開していく人口割合がどのくらい増え、どのようなフォーマットを生み出していくのか。
私は相変わらず何の役にも立たない呟きを重ねたり、何の役にも立たない作品をUPするのに利用しながら、ぬるぬる横目で眺めていきたいと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?