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思いやりの気持ちを思い出した話 〜満員電車で水筒の水をこぼしてしまった日のこと〜

慌ただしくすぎる毎日の中で、自分の生き方を振り返る出来事がありましたのでシェアさせてもらいます。

いつも通り朝の通勤ラッシュの中、電車に乗っていた火曜日のこと。


私は、右肩には通勤カバン、左肩にはパソコンを下げて、空いた手でお弁当と水筒の入った小さなバックを持つという一杯一杯の状態でした。

私の部署では火曜日が忙しく、1日をどんな風に過ごすか頭の中でシミュレーションをしながら電車に揺られていました。
本当はコンビニでご飯を買いたかったけれど、今月は外食が多いので節約のために早起きしてお弁当も作ってきました。駅までも駆け足だったし、ぎりぎりの生活で通勤だけでくたびれてしまうよ…とおしくらまんじゅう状態の車内でそんなことをぼんやりと考えていました。

目的の駅に近づくにつれ、段々と人が降りていきます。
そしてやっと自分のスペースを十分に確保できる様になると、自分の足元が濡れていることに気づきました。
外は晴れているのにおかしいな…?

あっ!なんと自分のお弁当バックから水が滴っているではありませんか。

その時、私は座席の目の前に立っていたため、前に座っていた女性のカバンにも水が数滴たれてしまいました。

その人と目が合い、気まずい瞬間。
朝の電車だし、絶対嫌な顔されるよ…と思いながら、か細い声で
「すみません、大丈夫ですか」となんとか謝りました。

すると、その女性は
「大丈夫ですよ。よければこれ、使ってください」
と、彼女のカバンから丁寧に畳まれたビニール袋を差し出してくれたのです。

私はびっくりして、思わず「ありがとうございます」とお礼を言い、ありがたく使わせていただきました。その後はなんだか気まずくて、その日は最寄駅の一つ手前で降りて会社まで25分ほどかけて歩いていきました。

気まずくなったのは水をこぼしたからだけではない

会社まで歩きながら、この出来事で感じた自分の気持ちを整理しました。

・慌ただしい毎日を生きる中で、他人を思いやる気持ちを忘れている自分に気がついた
・相手の女性の対応に感動するとともに、自分の余裕のなさを恥ずかしく思った
・丁寧に折り畳まれた袋からは、その女性がいかに「ていねいな暮らし」をしているかが垣間見られた。自分もそうなりたいと思った


都会の生活を続ける中で、どうしても早足になってしまい、他人のことを考えられなくなっていました。
あの朝の出来事を受けて、自分の生活や気持ちを見つめ直し、全ての人に思いやりを持ちながら生きていこうと思いました。


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