蟲惑魔のほんのちょっと不遇カードたち
遊戯王には【蟲惑魔】というカテゴリがあります。
食虫植物や擬態して捕食する昆虫などを基にしたモンスターたちをメインにしたテーマです。
相手を罠にかけながらじわじわ追い詰めるのが得意なデッキなのですが、最近はどんどん展開して、直接拳を叩き込むことも多いです。
アティプス、シトリス、セラが揃えば合計8000打点を超えられるので上手く回れば一気に片が付くこともザラにあります。
ここでは、マスターデュエルを始めてから蟲惑魔を軸に戦ってきた私が、日陰者っぽい蟲惑魔ちゃんたちを紹介します。
これを読んで蟲惑魔デッキを組む決闘者が、願わくばすべての蟲惑魔をデッキに入れた決闘者が増えることを祈ります。
〈カズーラの蟲惑魔〉
2013年のJUDGEMENT OF THE LIGHTで登場しました。
このJOTLにトリオン、アトラ、カズーラが収録されたことから蟲惑魔カテゴリは産声を上げました。
カズーラは名前の通りウツボカズラをモチーフにした蟲惑魔です。
初夏頃にホームセンターへ行くと陳列されているのでウツボカズラを見たことのある人もいるのではないでしょうか。
カズーラの効果はこちら
(1)は蟲惑魔モンスターの共通効果。
(2)は落とし穴・ホール通常罠を自分が発動した場合に同名カード以外の蟲惑魔をサーチorリクルートできる効果です。
蟲惑魔デッキは罠カードを多用するので発動自体は難しくないです。
ただコンボ前提の効果であり、カズーラ単体では少々心もとないというのも正直なところ。
守備力が2000と場持ちも良いのでまったく使えないわけではないのですが、デッキに2枚も要らないかなあと思います。
セラの蟲惑魔でのリクルート(※)先としても他の蟲惑魔に後れを取っているかと。
トリオンとかプティカみたいな特殊召喚時効果のある子のほうが使いやすいんですよね。
また、相手ターンに蟲惑魔を展開できるのはいいのですが蟲惑魔は打点が低めなので壁としてはそこまで強いわけでもないです。
呼んできた蟲惑魔ちゃんたちも併せて上手く使ってあげたいですね。
※セラのリクルート…罠カードが使われたときデッキから蟲惑魔を場に出せる
イラストは100点です。
正統派でかわいい。
〈リセの蟲惑魔〉
WORLD PREMIUM PACK2020で登場。
植物のゲンリセア属をモチーフにしたものかと思います。
日本語ではタヌキモという名前で知られている水中の食虫植物です。
タヌキモはムジナモにも似ていますが、ムジナモはムジナモ属なのでムジナモの仲間ではないようです。
リセの効果はこちら
(1)は蟲惑魔の共通効果
(2)はホール・落とし穴罠カードをデッキおよび墓地からそれぞれセットする効果。
リセをリリースする必要はありますが、1:2交換ですのでアド。
ただ、墓地に落とし穴カードが必要なので最初のターンでは使いにくく、活躍するには場面を選びます。
リセの(2)の効果にセラの効果(※)が反応できるので、セラと併せて3枚の罠カードを準備できます。
※セラの効果…セラ以外の蟲惑魔が効果を発動したとき、デッキから落とし穴罠カードをセットできる
難点としてはこの(2)の効果でセットした罠カードはフィールドを離れると除外されてしまうので使いまわしはできません。
ランカの効果(※)で手札にバウンスもできないのでセットするカードは慎重に選びたいですね。
ホールティアは便利ですが、墓地効果(※)も使いたいのでリセとは少々喰い合わせが良くないです。
併せて、蟲惑魔によくあることではあるのですが、セットしたカードが相手にも筒抜けなので罠カードの除去には注意したいところですね。
※ランカの効果…場にセットされた魔法・罠カード1枚を手札に戻し、手札から魔法・罠カード1枚をセットできる
※ホールティアの墓地効果…墓地にあるホールティア自身を除外し、墓地から蟲惑魔モンスターを蘇生する
イラストは140点です。
えっちすぎたのか海外版では修正されています。
〈クラリアの蟲惑魔〉
LIGHTNING OVERDRIVEで登場。
タヌキモ属のウサギゴケがモチーフの蟲惑魔リンクモンスター。
ウサギゴケかわいいですよね。
時期が合わないのかお迎えするタイミングに恵まれず我が家にはいませんが、いつか育ててみたいです。
クラリアの効果はこちら。
(1)は蟲惑魔リンクモンスターの共通効果。
罠カード全般に耐性があるので自分の激流葬を無視できるのも偉い。
(2)はホール・罠落とし穴を発動後に墓地へ送らずセットできる効果。
使い捨てになる罠カードを使いまわせるのは優秀ですが、セットしたターンには使えないので即時的なアドバンテージではないのがちょっと惜しい。
とはいえ墓穴ホールのように可能であれば毎ターン使いたいカードもあるのであればとってもありがたいです。
任意効果なので発動しないこともできますから、状況を見て臨機応変に対応したいですね。
ジーナの特殊召喚(※)コストにもできるし、ランカでバウンスしてホールティアのコスト(※)にしたりもできるので完全に腐るわけではありません。
※ジーナの特殊召喚…場にセットされた罠カードを墓地へ送って、手札から自身を特殊召喚する
※ホールティアのコスト…手札から通常罠カードを捨てることで、セットしたターンにも効果を発動できる
(3)は自分エンドフェイズに蟲惑魔を蘇生する効果。
エンドフェイズで発動のタイミングは遅いけど、トリオンで相手のバックを割ったり、ティオで罠をセットしたりと汎用性は高い。
クラリアをリンク召喚していれば墓地には2体以上蟲惑魔がいるはずなので使えないこともそんなに多くないはず。
惜しむらくは守備表示で特殊召喚するのでリンクモンスターは蘇生できないことですね。
弱いカードではないのですが、セラとフレシア、あとは蟲惑の園があれば十分な気もするのであまり出番がないのが実情です。
ストラクが出る前はそこそこ使っていたのですが、最近はエクストラデッキでお留守番しています。
うまく使えなくてごめんね……
イラストは100点。
ふわふわ女子はかわいい。
〈アトラの蟲惑魔〉
カズーラと同じく2013年のJUDGEMENT OF THE LIGHTで登場。
初代蟲惑魔のうちの一枚です。初代蟲惑魔なんて言われているのかは知りませんが。
モチーフはアトラクス属のシドニージョウゴグモというオーストラリアに棲息する毒グモです。
トンネルで待ち構えるタイプのクモですが、徘徊しているこの子に噛まれたという人もいるようです。
飼育は当然できません。
アトラの効果はこちら。
(1)は蟲惑魔の共通効果。
(2)は手札からホール・落とし穴罠カードを発動できるようになる効果。
罠カードは場にセットしたあとでないと使えないのですが、アトラが場にいれば罠カードも即効性のある強力なカードになります。
ホールティア(※)が手札にあればコストなしで1ターン目にホールティアを特殊召喚できます。
理想的な展開はプティカ(※)→セラ→蟲惑の園→アトラ→ホールティアですね。
また、単純に手札から罠カードを使えるのが強いです。
ハーピィの羽根箒(※)でバックを除去されても手札に罠カードがあれば罠を使うことができます。
アトラの攻撃力はそれほど高くないのでなんとか守る必要はありますが、フレシアで守ったり、アティプスで打点を上げたり、蟲惑の園で一回だけ破壊を免れたり、串刺しの落とし穴(※)で戦闘から守ったり、ミラーフォース(※)で全員ぶっ飛ばしたり。やれることは結構多いです。
※ホールティア…手札から通常罠カードを捨てることでセットしたターンに効果を発動できる
※プティカ…召喚時、蟲惑の園をサーチできる
※ハーピィの羽根箒…相手の場の魔法・罠をすべて破壊する
※串刺しの落とし穴…攻撃してきた相手のモンスターを破壊して、破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを与える
※ミラーフォース…相手が攻撃してきたとき、相手の攻撃表示モンスターをすべて破壊する
(3)は通常罠カードの発動と効果が無効にならない効果。
これは非常に地味ですがあるとないとでは安心感が違います。
アトラの(2)の効果を邪魔されないのもポイント高いです。
効果はそこそこ強いのですが、これらのコンボはアトラが場に残り続けないとどうしようもなく……
攻撃力1800程度のアトラがなんらかの手段で除去されてしまうとあっという間に瓦解してしまう、ともすれば砂上の楼閣なんです。
≪狡猾な落とし穴≫と組み合わせた狡猾アトラ軸のデッキもあるのですが、あまり採用されていないのが現状です。
イラストは130点。
アトラはツンデレ。きっと。
もっと蟲惑魔を愛そう
以上、個人的にもうちょっとスポットライトが当たってほしい蟲惑魔ちゃんたちでした。
対戦履歴を確認すると蟲惑魔ミラーでもリセやカズーラを抜いている人をたまに見かけるので、ぜひ採用してほしいと思います。
勝利も大事だけど、愛を持ってデッキを組む。
そういう理念の下で私は、まるみはま!はカードゲームに向き合いたいと考えています。
蟲惑魔と食虫植物をよろしくどうぞ。(そ)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?