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金髪兄ちゃんよく耐えた

僕は古着屋が好きでよく行く。

特に、あまり人気の無いお店を冷やかすのが
大好きで(買う時は買う)

先日も行きつけのゲーム、トレカコーナー併設の
カビくさい古着屋に行った。


いつもはお客様ゼロなのだが、この日は
珍しく三人+一匹いた。

この「一匹」が売り場の空気を変えた。


レジ前のハイプストリートコーナーを漁っていると、後方から  

『おい。おいコラ。コッチ来い。』

と赤ニューエラストリートジジイがカウンターで
値付けをしていた金髪パンク兄ちゃんを
図々しく呼びつける。

『オマエ、さっきからなんだよチラチラ。
なんかあんのか?あ?コラ。』

見た見ないのくだらない話だ。
初めは因縁ふっかけた詐欺師かと思った。

しかし、なにも要求しない。
要求は相手の自分への謝罪。

「、、、いや、、、なんでそれは申し訳無かったと、、、。」

金髪兄ちゃん半笑いで弁解するも
ストリートジジイの怒りに火を付ける。

『何ニヤついてんだてめぇは』

「いや、もともとこうゆう顔です」


つ、強すぎる、、、。この兄ちゃんなかなか。


ストリートジジイと金髪兄ちゃんが
カウンター越しに睨み合う。

永遠にも思えるこの時間。
僕は期待した。


ストリートジジイが一発お見舞いするのを。


1.2.3.4.5.6.....…。

しかしいくら睨み合っても
事態は動かない。

僕も服を見る手を止め、静かに見守る。


ストリートジジイは
足早に去った。


ん? いや、なんか足りない。
え?去り際の言葉とかないの??

ほら、「今日はこれくらいで」とか
   「次から気をつけろガキ」とか

あるじゃないか。


金髪兄ちゃんをみると何事も無かったかのように
値付けに戻る。


僕の中で一つの仮定がうまれた。
ま、まさかこれは。


アンガーマネージメント?!


あの知識も教養もないような
ストリートジジイが
アンガーマネージメントを使った?!


あの長い数秒の沈黙はもしかして、、、、、。



なんてくだらないことを考えたが
素直にあの金髪兄ちゃんはすごい。

自分ならばすぐさまカウンターから
飛び出し、ストリートジジイと
ゼロ距離で睨み合い
バチコンいわしてる。(はず。)


しかし金髪兄ちゃんは睨みつけることすらしなかった。エライ。


クソどうでもいい話でした(笑)



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