親戚をだます
とうとう消費者金融に手を出した私。
もう、こんな苦しい思いは終わりだと安心したのもつかの間。
彼は、もっと元本を増やす必要があると言ってきた。
市場は厳しいんだ、
ビットコインを取引するのには十分な証拠金がないと雅子の資金の安全を保証できない。
市場に軽い気持ちで入ってはいけない。と。
お金を貸してくれそうな人を探すように、執拗に言われた。
とにかく、私は一連の取引を早く終わらせてお金を引き出したかった。
その時はそんな気持ちだった。
だれか、誰かいないか、お金を貸してくれそうな人。
必至で考えていた。
今思えば、完全に彼に洗脳されていた。
そして私は、叔母にお金を借りてしまった。
その額、800万円。
ちょうど事業を始めたばかりだった私は、
叔母に
「事業資金が一時的にショートしている、すぐに返すから貸してほしい」とウソをついた。
そして、夫からも300万円借りました。
そして、振り込まれたお金もすぐに投資に回した。
もう無理だ、これ以上は誰からも借りたくない。
私は彼に伝え、彼はまだ借りられる。
そんな会話ばかりが日々続くようになった。
そして次第に、
私はこの人にはもうついていけないと思うようにった。
そんなことをしていたある日、件のセフレと会う約束をしていたので、
たまたまその話をしてしまった。
私の中で抱えきれなくなっていたと思う。
セフレと言っても親友みたいな存在だったし、
全てのいきさつを初めて他人に話した。
彼は、
私の話をきくやいなや
私の頭を思いっきり殴った。
2度も。友人は2度も頭を思いっきり殴ってきた。
ばかか!
今すぐそいつとのやり取りをブロックして、
全額引き出し処理しろ!
Kevinとのやり取りにつかれていた私は、
友人の言葉に押されるようにその場で全額引き出し処理を行った。
しばらく時間が経って、投資管理サイトから1通のメールが届く。
「あなたの依頼は受け付けられました。事務手数料として、引き出し額の8%(400万円近く)を48時間以内に入金してください。」
私は愕然とした。
全財産をすでに投資に回し、
借金までしている私に400万円などどいうお金を準備できるわけがない。
管理サイトに、手数料額を私の口座から差し引いてほしいと頼んだ。
でも、新しく入金する必要があるの一点張りで全く聞き入れてもらえない。
では、引き出し自体をキャンセルしたいといったが、もう記録されてしまった取引なのでキャンセルはできないと、こちらも全く聞き入れてもらえなかった。
私は事情を夫に話し、お金を引き出すためにお金を貸してほしいと頼んだ。
夫は
「それは詐欺だよ。もう傷口をひろげるのはやめよう。」
私はその一言に全身の力が抜け、とうとう我に返った。
詐欺。
これは詐欺。
全部詐欺だったのか。
「もうそのお金は戻ってこない。明日弁護士に相談しよう」
夫は冷静だった。
夫はその時はまだ、
まさか私が、
消費者金融2社と
叔母をだまして多額のお金を借りているなんて知る由なかった。