地図に残る仕事 その2
ワタシは元ゼネコン社員である。
某ゼネコンのCMで地図に残る仕事というキャッチコピーがあった。
ワタシの好きなキャッチコピーである。
リタイアしたら、自分が関わった現場を旅行するのが楽しみだ。
特にしんどかった現場はよく覚えている。
群馬県の上野ダムはそのひとつだ。
東京電力の揚水式水力発電用ダムで、夜間の余剰電力で水を上ダムに上げて、昼に上ダムから下ダムに水を落としながら発電機を動かして発電するためのダムである。
その下ダムが上野ダムである。
日航機墜落事故のあった御巣鷹の尾根のすぐそばにあり、神妙な気持ちで横を通ったのも辛い記憶である。
また、冬が寒く朝が辛いのも記憶に残っている一つかもしれない。
よく鹿にも出会った。
こんな山の中にコンクリート重力式のダムを作るのも自然破壊も甚だしいと感じたのもここだった。
休みの日にみんな単身赴任で家に帰るので、ひとり寂しく読書とゲームをしていたのを思い出す。
あの時間をもっと有効に使っていればよかったとも思うこのごろである。
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