きんちゃんこ鍋

きんちゃん と ちゃんこ鍋 で、 きんちゃんこ鍋です。 日常に感じた一コマを表現で…

きんちゃんこ鍋

きんちゃん と ちゃんこ鍋 で、 きんちゃんこ鍋です。 日常に感じた一コマを表現できればと思います。 よろしくおねがいします。

最近の記事

短編小説。魔法のポケット

雪がしんしんと降っている。 そこには何も感情がなさそうで、 ただひたすらに降り積もる。 積もった雪が音を吸収して、さらに静寂が辺りを響き渡らせる。 張り詰めた空気が、何も根拠のない胸騒ぎになる。 不安が襲いかかってくる。 何かに気付いたのか、彼は私の手を握り、ポケットへ差し込み温める。 彼のポケットが小さくて二人の手が中々入らない。 「ふふっ。そういう所だよっ」と笑う。 2人のとても小さい笑い声が、魔法の呪文だったかのように、一瞬で静寂な世界が消え去り、根拠

    • 短編小説。新しい靴

      新しい靴。 ピカピカの靴。 靴底が剥がれるまで履かないと買ってもらえなかった靴。 靴にはひとつ、思い出がある。 小学生の頃、多兄弟の末っ子として産まれた僕は、 着る服はおろか、靴さえも、お下がりだった。 いつの日か不満や怒り、 不公平さを覚える歳になると、 いつも母親にねだっていた。 家計は火の車。 大家族の中で靴なんて、履ければいいもの。 それよりも食。明日への活力。成長の源。 なるべく良い食べ物をたくさん。 その中でも質より量を。健康への積み重ね

      • 分岐レール

        あなたは人間。 役職も肩書も、今も昔も必要ない。 わたしも人間。 人間であるために必要なものはある。 ひとりひとりが人間人間。 自問自答を繰り返し、 魂動いて心を燃やす。 燃え出す心は、 火力を増して、動き出す。 燃料くべり、煙をはき出し、汽笛を鳴らせ。 動き出す汽笛の合図はいつだって、 あなた自身の賜物よ。 人を騙し傷つける悪人も、 人を励まし寄り添う善人も、 ちきゅうのまわりは、人間だらけ。 どこへ向かうあなたの心。 レールの分岐、組み立て

        • 今日は、こんな日。

          1月晴天なり。 空が青い。 空気が澄んでるようで、 遠くに見える富士山も今日は、はっきりと見える。 今日も外は寒そうだ。 見慣れなかった景色が、日常になりつつある。 悲しい事だと痛感する。 レースのカーテンだけ閉めて、窓からの冷気を少し緩和させる。 空調は自動で温度調節をしてくれているらしいが、 雨が降ったりすると、やはり寒くなる。 そういう時は、軽いカーディガンを羽織る。 ベットに横になり、点滴をながめる。 静まり返った部屋の中でも、点滴の落ちる音も

        短編小説。魔法のポケット

          わたしの家。

          家の前の通り、急な登り坂。 登り切る少し手前、左手にある水色の屋根の家 私の家。 祖父からの受け継いだ家。 築何年だろう。 屋根は、なんで水色なのだろう。 前は、黄色だったような。 どちらにせよ、少し奇抜。 じいちゃんの趣味。 引越して、6年目。 色々と、不便。 受け継いだ恩を忘れて、文句が出る。 それでも6年目。いつしか、住めば都。 自分の家になった。 自分の居場所になった。 坂道の登り切る少し手前、 左手にある水色の屋根の家。 登り切らな