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時短レーザー彫刻テク

■ちょこっと応用編なレーザーテクニック

こんにちは、チャン・キナニンジャ(@ninnin217)です。
最近寒くなって急に秋冬が来たかと思ったら、急に夏が戻ってきてびっくりしています笑。

さて今回はタイトルにある通り、ちょっとしたレーザー彫刻の時間短縮テクニックについてと、その加工サンプルをお見せします。

■細い線の彫刻ってできるの?

彫刻を単純に時間短縮するというお話であれば、パワーを強くしてスピードを上げれば良いのです。
レーザーポインターの動くスピードが速くなれば、その分照射される時間が短くなるわけで、削りも浅くなるので。(でも力isパワー理論なので、機械に負担はかかりますし、あまり推奨はしません。)

しかし今回お話ししようと思っているのはそもそも彫刻の機能を使わずに、彫刻をするというお話。

『何言ってんの?』って感じですよね。すみません、ちゃんと説明しますね。

■けがきってご存知ですか?

”けがき”という言葉を聞いたことはありますでしょうか?
日常生活ではなかなか使わないかもしれませんが”けがく”という言葉自体は聞いたことがある人が大変なのでは無いでしょうか。
”ひっかく”に近い意味合いですね。

レーザー加工でいうけがきは切り切らないパワーでカットを行うことです。例えば建築系の模型などを作る場合などに、目印としてけがきでマーキングしたりしますね。

今回はこのけがき+レーザーの設定を1つ使って、カットの機能を使って彫刻のようなニュアンスを作り出すというやり方をお伝えします。

■Z-offsetという設定

これはレーザーカッターを扱わないとおそらく聞いたことのない言葉かと思います。
Z軸方向にオフセットをかけるということ。

通常、レーザーで素材の加工をする時には加工台の上に素材を設置して、その素材表面にレーザーの焦点が合うようにセッテイングします。
小学生の理科の授業でやったことがあるかもしれませんが、虫眼鏡で太陽の光を集めて紙を燃やす実験ってありましたよね。あれとおんなじ感じで、レーザーのパワーを一点集中!!!ってさせて素材を切るんです。

ですが、Z-offsetという機能はその焦点をあえてずらす為の機能なのです。セッティングをした後に、加工台を下に○○mm下げてください。と命令ができます。


???という方のために、横からレーザーカッターの図を作ってみたのでご覧ください↓

レーザー図_アートボード 1

図を見ると大変にわかりやすいですね。
焦点をあえてずらすことで、素材に当たるレーザーの範囲が増えるのですが、その分”1点集中!”ではなくなったので、パワーが落ちて輪郭も少し柔らかくなるんです。

これを利用するとですね、1mm,2mm,3mm...とZ-offsetの数値を増やすたびに加工台が下に下がるので、太い線がかけるわけです。

素材によってテストしてどれくらいの太さになって、どんな輪郭になるのかはテストしてからではないと使えない技ではありますが、データによっては30分かかるもの→1分とかになるので(ほんとに)、覚えておいて損することはないかと思います。

■MDFを使用したZ-offset数値による線の太さの変化

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マステの有無でもかなり太さが変わってきますね。又、線の端っこの方は数値が上がるにつれて丸みを帯びていきます。
作るものによって、この小技を使うか否か考慮しましょう。

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縦と横の彫刻のニュアンスの違いもついでに。
正直、生でで見ないとわからないと思うのですが、彫刻するときのポインターの挙動は一定に横方向に動く感じなので、削れたところにもその向きにうっすら跡がつきます。
そこまで考慮した加工をする場合もあると思うので、頭の片隅には置いておくと良いかも。

■まとめ

今回はZ-offsetという設定について触れてみました。
レーザー加工した事ある人でも使わない!という人はいるのではないでしょうか。
是非これを機会に使いこなしてみてください。

ipadのイラレとか使える方は、線画をパスで作ってそれをそのまま使ったりするのもいいかもしれませんね。

またねっ

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アネモネスキー・チャン・キナニンジャ
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