本屋が好きな話。

本屋が好きだ。

やろうと思えば普通に1日過ごせる。
まだまだ目が離せない暴れん坊の子どもがいるので、今はなかなか難しいけれど。。

小学生の時、好きになった漫画を全巻そろえたくて
それがちょっと古本だったせいもあり、自転車で地元の古本屋をあちこち探し回った。
今思えば注文すればよかったのかもしれないが、本屋で出版社の棚を見つけてあいうえお順に並んでいる作者の列を目を凝らして1冊ずつ目で追う作業は宝さがしみたいでワクワクしたし、目当ての本を見つけた時の達成感は計り知れない。

そんなわけで地元の本屋にはめちゃくちゃ詳しくなり、どこに本屋があるのか、あの本屋の品揃えはどうとかちょっと語れるくらいまでになった。

時は経ち、大学生になると学校からでも通えるようにと都会の本屋でバイトするようになった。
地元の小さな本屋とは全然違う。まるでデパートだ。
1階から3階までジャンル別にあらゆる種類の本がぎっしりと並んでいて、かなり古い本でない限り大抵の本は手に入る。

早番のあと特に予定がない時はよく立ち寄っていたのだけど、
地元ではお目にかかれないような本との出会いに静かに興奮していた。
なけなしのバイト代が本で消えていくこともしばしば…

本屋のバイトも好きだった。

十人いれば、十人違う本を買っていく。
スマホもない時代だったけど、お客さんが買っていく本で大体の今のトレンドがわかった。
「今朝見た新聞に載っていた本なんだけど…」という難解な問い合わせもあり、それにサラリと答える社員さんもかっこよかった。
今の仕事がつらくなると、現実逃避で本屋の求人を探すのだけど、保育園の送迎等考えるとなかなか現実的じゃない。
そして今は本屋の求人がぜんっぜんない…。笑

地元の小さくて静かな本屋も好きだけど、やっぱり大型書店は出会う本の数が桁違いなので、また時間を見つけたら都会の本屋さんに行って、一日ブラブラしてみたいものだ…。

もちろん、Amazon kindleもヘビーユーザーな私なので、このサービスもなくなってしまったらとても困る。

たまに地元に帰ると、昔からあった本屋は次々と閉店してしまっている。
夏の日差しの下、冬の木枯らし吹く中を自転車で駆け回ったことが懐かしい。
あの小さな冒険も私は好きだった。