たまごっちみーつの人間模様
下校したら、自分のトイレよりもたまごっちのトイレのほうが先。たまごっちのキャラって、世話に時間が空きすぎると重病になって亡くなってしまう。ちょうど下校時刻が遅くなってたまごっちが危篤状態になった際、小学生だった私は愛して育てたキャラ(確かめめっち)が亡くなるのが信じられなくて悔しくて、トイレにこもってギャン泣きして家族を困らせた。
数か月前突然何かを思い出したようにたまごっちを買った。正確にはたまごっちみーつ。サンリオとコラボしており、たまごっちの世界でキティとかシナモンとかタキシードサムに会える。しかもたまごっち本体の装飾がほんと可愛い。さらに面白いのが、たまごっちのキャラとサンリオキャラを交配することができる。交配…という言い方は倫理的にどうかと思いますが自分的にしっくりきている。このキャラとあのキャラの組み合わせでは一体どうなる? というのを一人で楽しんでいた。
キャラと知り合うと「たまともリスト」に追加される。相手が異性の場合、関係のステップは「しりあい」→「ともだち」→「しんゆう」→「こいびと」→「ねつあい」という順序で更新されていく。「こいびと」よりも「ねつあい」の状態のほうがプロポーズ成功確率が高い。(「しんゆう」の状態でも普通のリングより高級なリングでプロポーズしたら成功した。)どの相手と結ばれるかは自分が相手に何度会いに行くか、いかに相手の喜ぶことをするか、そして多少は運にもよる。
たまごっちの人間関係ではこいびと(恋人)とねつあい(熱愛)関係にいる相手が複数同時にいる。私の育ててきたキャラのうち、最大で8人くらい同時に恋人、熱愛してる激プレイボーイもいた(私がどのキャラと結婚させたいか迷ってた)。
よくよく考えると、このキャラたちは相手と「うちらは恋人」「うちら熱愛ね」のようにオフィシャルな確認作業はしていないはず。つまり、自分の「たまともリスト」の相手の肩書は自分にとってどういう存在かというもの。ということは、みーつの世界では口には出さないけど本当は会いたい人のことは恋人と定義されている? 本当は自分の中では恋人だけど相手には言わないで心の中で定義してるとか、本当は熱愛だけど踏み出してはいけないからとどまっているとか、そういうことは現実世界でも起きている。そして結ばれるとき、そのキャラは結ばれると同時にほかの恋人と失恋している。たまごっちの人間関係の進め方ってアメリカとかでありがちなお試し期間的な価値観ベースなのかもしれない。ちなみに、私のたまごっちでは経験ないですがプロポーズが失敗した場合「こいびと」や「ねつあい」が「ともだち」に戻るそうだ。
もしかして、イマドキの小学生は好きな人は一人じゃなくてもいいという価値観でこれから生きていくのかもしれない。
2021.8.2
無糖きな子
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