[本]ふたりは同時に親になる 産後の「ずれ」の処方箋
読むに至った経緯
産後2年を迎えようという今、夫へのイライラ、週末夫が家にいることで「安心」よりもイライラすることが多くなっていた。
わたしは自分が育児に不向きであると思っていて、毎日の育児が楽しい<しんどいことが多々ある。今まで何度か夫に話したことはあったが、夫はそんなとき、むしろわたしがつらくなる言葉を投げかけ、「わたしの性格のせい、自分に言われても困るし嫌だ」と言われた。一番わかってほしい夫にわかってもらえず、話も聞いてもらえず、つらくなった。
といっても経済的に自立していないし、家を出てもどこにも行くところもない。夫は「何もやっていないわけではない」ところがポイントで、はた目から見ると「いい父親、夫」。でもわたしから見るとなぜ今それをするのか。なぜそこで自分を優先するのか。トイレについてくる子どもの話をすれば「おかあさんが好きなんだね」。子供がかわいいばかりで、わたしがつらいことも「わかっていない」。
そろそろ限界かもしれないと、評判のよい、本書を手に取った。
内容と感想
母親は、赤ちゃんの誕生によって人生を強制的に軌道修正させられる。ハッピーなイメージな妊娠出産だけに、ネガティブな面を理解してもらうのは難しい。
そんな中父親は、ハッピーな面に焦点を当てているから、なぜ母親がつらそうなのか理解できないが、これは誰がやっても「普通に大変なこと」である。
女性が人生を軌道修正させられている分、男性も社会制度などのせいにせず、自分が軌道修正を試みてみては、という内容。
具体的には育児の時間的体力的な過酷さ、自分のための時間0。トイレもごはんも睡眠も自分のペースではできない。何かをしていても赤ちゃん(子供)により「強制終了」。
起きているときは起きているときで目を離せない。「自分」の喪失。外出のむずかしさ、自分のための外出ではなく子どものための外出になる。1日2日なら耐えられても365日そんな日常が続く…。
命を守る責任の重さ、不安。母親だからできるのではなく「やるしかないからやっている」。
そして男性には男性の事情がある。仕事。わからない。
多忙と言って仕事だけに打ち込む夫、飲んで帰る夫、出かける時荷物を自分のだけ用意しておしまいの夫…どこかに必ずいる。その自由さ、軌道修正のできなさにイライラする。
でも父親も母親も下手くそでも2人で一緒に親になるために、父親は母親の状態を知って、お互いいろいろ考えよう。という本。
本当は夫に一番わかってほしいし、一緒にしてほしいのだ。
レビューには、男性の項目もあるからフラットな視点だという内容もあったけれど、だいぶ女性によっている記述だと思う。でも、わたしから見た育児は、ほんとにこの通りで、人によってはもっともっと過酷な人もいると思う。でもその過酷さを夫はわかってくれないし、むしろつらい言葉を投げかける。夫に諦めかけていた。
よく、生む前に読みましょうと書いてあるけれど、わたしは今読んで良かったし、たぶん生む前ではわからなかったと思う。
この本を読んで、わたしだけじゃないということで少し楽になった。そして、育児のしんどさが「明文化された」気がした。
そして、わたしにできることあるかな。と思ったら、夫も読んでみるというので渡してみた。
夫の感想は次回。