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わたしたちは美しさに遠慮してる場合じゃない
陶芸家・アーティストである鹿児島睦さんの展覧会「まいにち展」へ行ってきました。
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この展覧会は、陶芸作品を中心に、テキスタイル、版画など多彩な仕事で注目を集める鹿児島睦、初の大規模な展覧会です。
「まいにち展」という名の通り、日々暮らしで使うものたちが展示されている。例えば食器、手袋、おやつの箱、オブジェなどなど。
それらを目にして、想う。
「かわいすぎる」
「普段使いじゃない」
「高価だから」
・・わたしには見合わない、と。
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美しいものを目の当たりにして、こんなことを思う自分が情けなかったし悔しかった。
どうして素直になれないんだろう。
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美しさとは裏腹な気持ちを抱いたまま、ただただ見ていた。
すると、ある物語と出合った。作家の梨木香歩さんが、鹿児島さんの器をみて生みだしたものが展示されていた。挿絵のような役割を器が担っていて、それらの器とともにお話が展開してゆく。
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それらを目で追いながら、楽しんでいる自分を感じた。
器ごと物語を楽しんでいた。
「わたし」が物語によって「器」の方へ導かれる、そんな感じ。
「あ、いいんだ」と思った。
わたしも器をみて楽しんでいいんだ、と。
好きでいていいんだ、と。
展覧会のフライヤーには、イギリスの芸術家・思想家のウィリアム・モリスの言葉が引用されている。
役に立たないもの、美しいと思わないものを、家に置いてはならない。
そんなことが・・できるのか。
けれども、そんな世界をみてみたいと思った。
一生かけて「役に立つ」「美しい」と思うものと、向き合ってゆく。
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そうしたら、どんな世界がみえるでしょうか。
おしまい
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