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静かな時間に一冊の写真集を添えて

ほんとうは、そんなに多くの情報をごくごく飲めるはずもない。
ほんとうは、そんなに多くのことを「いいね」と思ってるわけでもない。

自分の声に耳を傾けぬまま、次々にスクロールし、いいねを連打。

いったいわたしたちは何をしてるんだろう?

今は「いいね!」の時代ですからね。何か作品に触れて「いいな」と思っても、「いいね!」を押して終わり。何が良かったのかを自分なりに考え、言語化することがなされないまま、次へいってしまう。まるでピンポンダッシュです。

2014年のInstagramの登場以降、多くの人にとって写真を撮ることが身近になった反面、ピンポンダッシュの一発芸になってしまっている。これがこの10年の写真史・写真集史ではないかと思います。時間もないし、一方で情報が溢れている。人が生み出すものを捉えるのに精一杯で、その結果、自分を失ってしまっている状態とも言えます。


ほんとうの無言の世界は、目が死んでない。

ほんとうの無言の世界は、静かに熱い。

ほんとうの無言の世界は、内なることばが宿る場所。


写真集専門書店「book obscura」の店主、黒崎由衣さんからとても大切なことを教えてもらった気がします。


写真集を「読む」


この無言で、時間がかかって、答えのない世界。
そこは、すごくカラフルな世界じゃないだろうか。


写真集や、画集、イラスト集・・文字のない本たち。これらがすごく苦手だった。お金を払って買うことをずっと躊躇していた。なぜなら文字が全然ないのが怖いから。ぺらぺらめくって「で?どう思えばいいの?」と思っていた。文字がない世界は、なんにも知れないと思ってた。そもそも何を知ればいいのかもわからなかった。いつも誰かに何かを教えてほしかった。

この記事を読んで、本棚に眠っていたいくつかの本たちを取り出さずにはいられませんでした。


わたしは何を思うだろう。


おしまい



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星井きなこ
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