エレガントな日常/水タバコとカラオケ
(喉がやられそうだからゴマ油うがいをしていこう)
(臭いがつきそうだから部屋着ジーンズとボロカットソーを着て行こう)
(文字が見えなさそうだから老眼鏡持って行こう)
(鼻水出そうだからティッシュをポケットに入れておこう)
私は準備に余念がありません。
今日は念願だった『水タバコ』を体験しに行く日なのです。
日本では
「シーシャ」
と呼ばれているようですが私にはトルコ語の
「ナールギレ(nargile)」
という名前のほうが好きです。
昨今この水タバコが吸える「シーシャバー」をよく見かけるようになり、一度で良いから体験したくてしょうがなかったのでした。
でも、、、
怖くてなかなか行く勇気がなかったのです。
トルコでは古き良き伝統的な水タバコですが、日本の繁華街にあるシーシャバーは一体どんな人が行くんだろう?
とか、
万が一合法ではないものが入っていたらどうしよう、
そんなタイミングで摘発が入ってお巡りさんに連れて行かれたら、、、ゾゾ〜っ。
などと妄想がふくらむのでした。
(失礼な妄想よね)
そこで!
女友達を巻き込むのはやめておき、最初に男友達を巻き添えにして体験してみようと考えたのでした。
その友人は喫煙者だしタバコに慣れています。
そんでもってかなり怪しげな世界も見て来た人だから今日のパートナーには最適のはず!
ホームページなどを色々と見て、昼間から営業しているカジュアルな雰囲気の場所を吟味。
いよいよお店が近づいてきたら友人はビビり始めてしまいました。
(おいおい)
とりあえずここまで来たのだから一緒に行けば怖くないとばかりにお店へ。
ドアを開けた途端薄暗い店内と共にふわぁ〜っと甘いいい香がします。
よかったー。
タバコ臭くない。
手ごたえアリ!とワクワクしました。
スタッフさんからやり方を聞いて注文。
私は薔薇のフレーバーとスイカのフレーバーをミックスしてもらい、ニコチンフリーを選びました。
(友人はキャラメルポップコーン系のブレンドフレーバー/ニコチン入り)
ドキドキする〜。
キタキタ。
「深呼吸するようにゆっくり吸ってゆっくり吐き出してください」
そう教えられたものの私は怖くてなかなか吸い込めず、口の中だけに入れては吐き出すことしかできません。
(そんな吸い方ではもちろん煙は出ない)
でも、そのうちにだんだんとコツを掴んで口から煙が少しだけ出せるようになりました。
ん〜。
薔薇の香りが口の中に広がってエレガントです。
ほんのりスイカの香りもいい感じ。
喫煙者の友人も最初はコツを掴むまで大変そうでしたが、次第に煙で輪っかを作れるほどに。
いやぁ。
これはイイ!
ゆったりとした時間が流れて落ち着きます。
タバコを吸わない私でも楽しめました。
他のお客さんも普通にスーツ姿の男女グループがパソコンを持って仕事の打ち合わせをしています。
夜は違う雰囲気なのかもしれませんが、平日昼間なら私は1人で来てもいいなとさえ思っちゃいました。
最初は若干喉がイガイガしましたが思ったほどダメージがなく安心しました。
(このあとカラオケでちゃんと歌えたから)
料金はシーシャとドリンク3杯飲んでだいたい1人¥3,000位。
水タバコ自体は1時間コースを注文しましたがお店の滞在時間は自由です。
また機会があったら1人で来ようかななーんて考えたのも束の間。
お店を出て数分後のこと、それをあっけなく覆されました。
次の目的地カラオケへ行く道でぺちゃくちゃと喋りながら歩いていたら、背後に人影を感じました。
チラリ見ると、、、
ぎゃーっ!
お巡りさん2人がピッタリと私たちの後ろにくっついて歩いてるー!!
ナニこれー、、、
至近距離で真後ろにいるってどーゆーこと??
友人もお巡りさんに気がついていたとのこと。
お互いに知らないフリして会話を続けながら歩きます。
途中からお巡りさんは消えました。
私たちからなんか臭いがしてそれを確認したのでしょうか、、、
そこの通りは職務質問が多い場所です。
よく外国人のかたが質問されている光景をみたことがありましたが、まさか私たちが。。。
(私のモジャモジャヘアーが不良に見えたのか?)
声をかけられることなく立ち去ってくれたのはホッとしましたが、ナニカを疑われたことがショックです。
(やっぱり1人で来るのはやめよう)
そう固く誓った私でした。
さぁ。
いよいよカラオケタイムです。
この日のために仕込んできたデュエットのハモリパート。
1年に1回の頻度にてこの友人とカラオケをしています。
そして毎回このハモりにチャレンジしては撃沈していました。
(お互いに引っ張られ体質だからつられる)
でも今日は違います。
友人は現役ミュージシャンですし、私は元ミュージシャン(自称)。
プライドがあるのです。
何年も同じ失敗をしたくないのです。
曲は『待つわ/あみん』。
練習スタート!
・2人で下のパートを練習
・主旋律キーをチェック、移調
・どちらがどのパートが適しているか決める
・私→主旋律/友人→下のパート決定
・ひたすらデュエット練習
おぉ。
すごい。
1回ごとに成長が見られます。
友人の音程を聞きながら次回までに"要自主トレ箇所"をメモをしてあげました。
そこにはお互いにミュージシャン魂がいきいきと光っているひとときなのでした。
真剣勝負の練習を達成感とともに終えたところで息抜きタイムに突入です。
ジャズミュージシャンである友人に辱めを与える曲をリクエスト。
『♪ヤングマン(Y.M.C.A)/西城秀樹』
友人は自分の殻を破る決意をして受けて立ってくれました。
(よしっ。これで私も堂々と踊れる!)
私はタンバリンを片手に立ち上がります。
♪わーい えむしーえー
♪わーい えむしーえ
「ハッ!」
「イヨっ!」
いやぁ、テンション上がりました。
初めてこの曲を歌った友人に対して私はドヤ顔で
「ヒデキはこの部分でこんな感じで遊びを入れているんだよ」
と教えてあげれば
「そっか。この曲は単調だから余白で遊ぶ曲なのか!」
と飲み込みも早い。
打てば響く太鼓とはこのことですね。
「いつの日か遊びを入れて歌えるようになったら星条旗(アメリカ国旗)プレゼントするからね!」
と約束しました。
友人のジャズのレベルは天才的にすごいのですが昭和歌謡なら私は負けません。
音楽で唯一マウントを取ったかのような気分を味わいました。
あとは私の個人練習として
・Let it go(アナと雪の女王)/トルコ語バージョン
・カブトムシ/aiko
にて原曲キーが歌えるか声のチェックをしました。
ショック。
どちらも以前より裏声を使う部分が増えています。
練習しないと声はどんどん衰えていくのですね〜。
(それとも水タバコで喉がやられたのか??)
本日の仕上げはガストへ行きました。
どうしてもロボットが注文品を運んでくるのを体験したかったのです。
ですがお隣のテーブルにはどんな小さなデザートでもロボットが来たのに私たちのテーブルはスタッフさんが運んできたのでガッカリ。
ロボットにするかどうかの判断は何が基準なんでしょうね。
それにしても今日は笑い過ぎて鼻水エンドレスでした。
たまにはお下品に大笑いする日も悪くないかな。
私は今日もエレガント。
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