
ミニマリストの日常〜幸せの50歩〜
私が「冷蔵庫」と呼んでいる場所があります。
徒歩50歩先にあるコンビニです。
私の冷蔵庫にはいつもたくさんのものが入っています。
食べ物はもちろんのこと、本も靴下もコスメだって揃えてあります。
(さぁて。冷蔵庫にアイスを取りに行くか〜)
(味噌ラーメン食べたい気分。
冷蔵庫へチェックしに行こうっと)
今年は元旦から味噌ラーメンを冷蔵庫から持ってきました。
(あ、ちゃんとお金払ってますからね)
1人はいいな。
1人って自由だな。
夜な夜な大好物のバタピーを求めて50歩歩く道のりは最高の幸せを感じます。
途中で立ち止まって空を眺める。
星が見えた日には胸いっぱいに豊かさを吸い込みます。
(あぁ。時間を気にせず外出できる自由に感謝)
(食べたいタイミングで物を口に出来る健康に感謝)
(食べたい物が買える財力に感謝)
(夜道独り歩きが出来る治安の良い日本に感謝)
色んなことに感謝の気持ちが湧いてくる小道です。
ちょうど大きな道路から外れている都会の死角的な不思議な細い道。
特に夜にこの道を歩くと、今は西暦何年で、ここは一体どこで、自分は何者なのかさえわからなくなる感覚になるのです。
道はちょうどコンビニの横の壁に突き当たるため灯りも見えません。
帰りに手に袋を持ってぶらぶらと歩きます。
アスファルトに当たるミュールのヒール。
そんな音色さえも愛おしい。
(このままずっと時空を超えて歩いていたい)
幸せを感じ、感謝を感じる50歩なのです。
都会へ引っ越してきた当時はお金もそこそこ持っていたのでコンビニには見向きもしませんでした。
(今までやってみたかった無添加生活するぞ〜)
とばかりに高級スーパーやオーガニックで体を清めて(なのかな?)1人暮らしの出直しを謳歌しました。
(あぁ、美味しい。オーガニック野菜ってこんなに甘いのね〜)
お菓子類もまったく量産品には手をつけず、しかも身体自体がそういう商品を拒んでしまう体質になりました。
(無添加シャワーの洗浄力はすごい!)
ところが今。
コンビニラーメンで元旦を過ごして至福を味わっているとは。
週1ペースでバタピーを食らっているとは。
ハーゲンダッツではなくジャイアントコーンに舌鼓を打っているとは。
(徒歩50歩がそうさせているのよ。立地が悪いだけ)
こんな言い訳をしながら今日もバタピーを冷蔵庫に取りに行こうと考えています。
でも、こんなに便利で美味しいお店を「添加物だらけ」と悪者として扱うのはかわいそうですよね。
(私が1番そうしてましたけど)
「冷蔵庫」と呼んでまで好きなくせに。
たくさんお世話になっているくせに。
(なんで仲良しと言えないのかしら)
今までに何度も決別しようとしてはヨリを戻しています。
今週は行かないもーん、と痩せ我慢する日があったり、
改装のために3週間お休みの時は寂しくて心細くてたまりませんでした。
(新装オープン日は興奮して駆けつけました)
そんな些細なケンカをした時は
いつもバタピーで仲直りです。
ミニマリストになり1日ほぼ1食になった(なってしまった)私はバターピーのカロリー表示も怖くありません。
以前のように食べても吹き出物もでなくなりました。
今では
「食べたいということは体が欲っしている栄養だから」
とばかりに己の価値観を信じて罪悪感なく食べています。
帰宅すると袋を開けてそのままポリポリ。
夢中になると一点を見つめて一定の速度でロボットのように食べます。
飲み物もなく無心で完食します。
(絶対この姿は人様には見られたくないわ〜)
でも。
私と徒歩50歩の冷蔵庫さんとは一線を超えないプラトニックな関係を保ちたいと思っています。
(いや、元旦のレンチンラーメンで
大分一線を超えたような気もしますが)
友達以上恋人未満。
冷蔵庫。(有料ね)
それが私のコンビニさんです。
眉毛を描かずにどすっぴんで冷蔵庫へ行くという初の偉業をやり遂げた私は今日もエレガント。
