エレガントな日常/ミーハーな心と予祝、美容院
相手がどんなに素晴らしい人格者や成功者だとしても、自分自身がそれを受け止める器がないと相手は
「ただの人」
になっちゃうことがあります。
最近はそんなことを学ぶ機会が連続しています。
たとえば、先日とあるイベントへ参加しようと主催者さんと電話で会話をした時に違和感を覚えました。
そのかたはどう見聞きしても
すごい人だなー
わー立派だなー
と、拝みたくなるような存在。
でも、私は受け止め切れず、むしろ抵抗感が胸の内から湧き出てしまい、参加希望を撤回したというエピソードがありました。
そして今日。
同じ思いを経験したのです。
老舗と言われるお店の食べ物です。
いつかは行ってみたいなぁ、でも敷居が高いなぁというお店でした。
買った理由は、今日は自分へ願望成就のお祝いをしようと思ったからです。
(予祝のほうね=叶ったという設定で事前にお祝いすること)
あれこれ考えました。
「その望みが今日叶ったとしたら、私はまず何をする?」
ということをイメージします。
(質の良いものでお祝いしながら1人静かに喜びをかみしめたい!)
という答えが出てきたので、
(そーだ。あのお店のケーキ買ってみようかな)
と思ったのでした。
いつも外からチラリと眺めていたケーキのショーウィンドウ。
いよいよ間近で見ることになりました。
美しく並んでいるケーキ。
私は何年もケーキ屋さんのケーキを買っていません。
(いつもいきつけのスーパーや成城石井のもので満足していた)
老舗のお店らしくスタンダードなケーキが並んでいるのがまた実直な感じがして嬉しい。
値段に驚きましたがせっかくの機会。ビビらないで買いましたよ、、、。
なのに。
喜び勇んで食べたら、あらまぁ〜。
私にはその味が分かる器が無かった、、、
もちろん美味しいのです。
それは本当の気持ち。
ただ、私は老舗の歴史にふさわしい舌を持ち合わせておらず、生きてきた環境も違う、すなわち
「水が違う」
「お呼びじゃない」
というような感覚でした。
あぁ、残念。
私の中でイベント主催者の素晴らしい人物は「ただの人」となり、
老舗の品のあるスイーツは「ただのスイーツ」になってしまいました。
シュン....。
(きっとあのケーキは"おばあさまがよく買ってくださった懐かしい味"とか、代々受け継いできたお客様が行くんだろうなぁ、、、)
庶民生まれの私はついついこんな想像をしては卑下してしまう哀しい習性。
もっと自分の軸をしっかり持って「美味しいけれど私の口には合わない」と心から思ってみたいものです。
有名、老舗、努力家、立派、人格者、これらのマジックにかかりやすいミーハーな心はなかなか直らないもんだなぁ。
でも予祝だけはバッチリ!
いい気分で「叶った」気持ちになって過ごしました。
小雨の降る中、美容院へ行ってきました。
シャンプー、もみあげツーブロック刈り込み整え、マッサージという豪華3点メンテナンスに加えて今回からは前髪整えも加わり4点になりました。
料金はいつもと変わらず千円です。
申し訳ないと思いつつ、お礼がてら差し入れをするとかえって気を遣わせてしまう毎度の展開。
しばらくは何もせず修行僧のように心静かに身を任せることにしました。
この3週間に一度のメンテナンスの目的の一つに「マッサージ」があります。
頭、首、肩をギューーーっと長押しするスタイルのマッサージ。
こめかみの横側をぎゅーーっと押されて(いつまで押してるんだろう)と思いながら全身の血流がドバドバと流れる開放感に酔いしれます。
この何日か首と肩に痛みがありましたがマッサージにてかなり改善されました。
どうして値上げをしないのかと今日は思い切って質問してみました。
美容師さんが客側の立場だとしたら「これ以上は払いたくないな」というご自身の金銭感覚にてそう設定しているとのこと。
あと他にも色々と理由はありましたが、経営が大変でもそこを貫いていく勇気たるやすごいなぁと尊敬してしまいました。
大都会のど真ん中で1人でやっておられる美容院。
宣伝もせず口コミや紹介だけで来る顧客。
お店の外にある植木や看板も放置され風化しています。
どこか風情があって私はそれを眺めるのが好きです。
部屋の中も(一応リビングだそう)お客様からもらった世界各国の置き物や珍品が所狭しと並び、仕事道具もたくさん並んで決して綺麗とは言えないのになんだか居心地がいい。
私が大家さんなら
「のびのびと好きなようにやっていいよ、家賃は収入の5%ぐらいでいいよ〜」
と言ってあげたいです。
(家賃タダじゃないのね。わはは)
こういう絶滅危惧種的な人を国は大切に守るシステムがあるといいのになぁ。
「人間らしい心の交流スキルが高い」
とかなんとか判断基準を設けてサポートするとかね。
と、とにかくこの美容院の存続を切に願うのでした。
それにしても。
首も肩も髪もスッキリしたぁ〜!
私は今日もエレガント。