年の瀬に最近起こったこと。

2021年も、あと僅かな日にちに。
この間、衝撃的な出来事が二度も立|《た》て続けに起こった。
一つは、大阪は北新地で発生の、心療内科の入っていたビル放火殺人事件。
いま一つは、神田沙也加さんの転落死。

大阪の事件は、心療内科に通っていた男がガソリン入り容器の入った袋を倒して放火し、一酸化炭素中毒で通院者27人が被害、うち24人が無念の死を遂げてしまった。犠牲者の中には心療内科の院長さんも含まれている。
ちなみに犯人も病院に搬送されているが、危険な状態…とや。

神田さんの件は、確か日曜日の早朝にTVで報じられた。

聞いた瞬間、

「エエッ?!嘘だろ!?」
信じられない思いに駆られた。

ニュースによると神田さんはミュージカンの主演を控えていたが、夜中に突然、宿泊先のホテルの高層階から転落し、屋外スペースに倒れていたのを救急搬送されたが、死亡が確認された…という。
死因は「外傷性ショック」。

大阪の放火事件は、ニュースでも報じられているように、件|《くだん》|の犯人が、院長さんとのトラブルを抱えていたらしく、而もこの男は過去に別れた妻の実家で自分の長男を刺殺しようとした殺人未遂の罪で服役していたという。要するに何をやってもうまく行かない人生で孤独感をつのらせ、モヤモヤを抱えていたようなのだ。

で、終|《しま》|いには事件現場の心療内科に通うようになったのだが、そこで院長とトラブルになり(あくまで私の憶測だが院長の治療方針が男の思っているものと違っていたことに、当の男が不満を募らせていたのが原因なのかも)、最終的には怒りを炸裂させ、事に及んだのだろう。
ちなみに、とあるニュースサイトでは犯人が昔勤めていた板金工場の社長の証言が載っていて、それによると犯人は「職人気質で板金の技術は確かだったが、アドバイスを受けると『なんでや⁉』と激高し突っかかってくることがあった」とのことだ。

神田さんの件は、何が原因でそうなったのかは未だに私もわからない。然し警察当局が自殺の可能性も念頭に入れて捜査していることから、なにか心にモヤッとしたものをたくさん抱えていて、それが引き金になったのかも知れないと思ったりしている。

前者は他者を巻き添えにしたテロに近い事件、後者は自殺が疑われている転落死と、どちらも本当に悲劇に終わってしまった事件だった。

人の心というものは複雑で、しかも何らかのきっかけにふれると瞬時に変化し、仮令普段は明るく振る舞っていても、なにかのきっかけで心に闇などを抱えてしまったり、普段から性格が暗いと言われながらも、瞬間的に明るくなれたりするような…変幻自在なものなのだ…と、今更ながら深く思い知らされる、2つの大きな出来事だった。

この間の放火事件で、心の治療の途上で犠牲になられた全ての方々、そして神田沙也加さんの御冥福を、この場で改めて衷心よりお祈り申し上げます。

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