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とある名古屋の大学生、昼食を食べるためだけに四日市へ行く

まず最初に一言。
これは僕の初めてのnote旅行記なので、拙い文章ですが、温かい目で見ていただけると助かります。


いざ、昼食の旅へ

 大学生の昼食。
 その候補として第一に挙がるのは、おそらく各大学の学食だろう。そのほかにも、家で食事をとってから大学に行く、学内の購買やコンビニで昼食を購入して食べる、サイゼリヤやマクドナルドなどといった大学近辺のチェーン店で食事する、などといった選択肢もある。
 2024年、2月2日の朝の猿人も、最初はそういった選択肢の中で、どれを取るか考えていた。しかし、あれこれと考えている間に、とある名案(迷案)を思いついてしまったのである……

 「昼食食べるためだけに愛知県出たら面白いんじゃね?」

名古屋駅から四日市へ

 10時過ぎの名古屋駅。名鉄電車を降り、JRの改札へ。今日乗るのは関西本線。少し遠い乗り場へ、早歩きで向かう。
 ホームにつくと、乗る予定の快速みえ5号、鳥羽行きはすでに目の前で発車を待っているところだった。売店でほうじ茶を買い、いざ乗車。気動車特有の石油の匂いで、非日常へといざなわれる。昼食を食べに行くだけだから、べつに非日常でもなんでもないが。

快速みえ5号、鳥羽行き

 10時37分、轟音を立てながら列車は定刻通り名古屋駅を出発した。数分も走れば景色は大都会から住宅地、そして田園地帯へと様変わり。列車はその間、減速と加速を繰り返しながら濃尾平野を西へ西へ。鉄道のことは詳しくないので減速や加速の理由はわからないが、とにかく、普段乗るような電車や地下鉄とは違った走りに終始興奮していた。

 列車は木曽川を横断してついに三重県に上陸。ナガシマスパーランドとなばなの里がある長島を通過し、次いで長良川、揖斐川を一つの橋で横断。列車は1つ目の停車駅、桑名駅に到着した。

愛知と三重を隔てる木曽川
猿人が県外に出たのはこれが今年初だった
桑名駅

 桑名駅ではざっと20人程度の客が下車した。名古屋~三重県間の移動は本数が圧倒的に多い近鉄が主流だが、名古屋~桑名間は近鉄が530円なのに対し、JRは350円。本数の差はあっても、一定数の客がJRを選ぶのもうなずける。
 桑名駅を発車すると、住宅地の奥にコンビナートの煙突が見えてくるようになる。そして、古そうな機関車や、山積みの石油用のコンテナが車窓に映るようになると、四日市の駅ももうすぐだ。

桑名の街並み
奥には四日市の石油化学コンビナートが見える

 11時9分、列車は四日市駅に到着した。

四日市駅に到着

四日市駅

 四日市で下車したのは自分含め4人、この駅から乗車したのは2人。先ほどの桑名とは打って変わって、ずいぶんと寂しい数字だ。それもそのはず、このJR四日市があるのは工業地帯の中。駅の横には貨物車両がずらりと並んでいる。

たくさんの貨物車両


 かつては近鉄(の前身となる鉄道)も現在のJR四日市の方に乗り入れており、街の中心もこの周辺に広がっていた。しかし、後に近鉄の駅は現在の場所に移り、商店街を中心とする市街地もこの近鉄四日市駅周辺に形成されていったそうだ。このような理由で、現在のJR四日市駅は市街地からは少し離れている。
 駅の外に出てみる。どこか昭和の雰囲気が漂う、2階建ての駅舎。ちなみに2階へ上る階段は封鎖され、行くことはできなくなっていた。駅前にはロータリーに車が数台止まっているのみで店もほとんどなく、気温以上に寒々とした雰囲気を感じた。

四日市駅の外観

 中央通りを歩いて近鉄四日市駅方面へと歩く。四日市の中央通りは大きな中央分離帯を持つかなり広い道。そして、この中央通りのあちこちで大規模な工事が行われていた。(何の工事なのかは、このあと分かります。)

中央通りの道中の交差点
奥では工事が行われている
四日市市役所は中央通り、
ちょうど近鉄とJR、2つの四日市駅の中間あたりに位置する

 近鉄四日市駅が近づくにつれて次第に店が増えていき、人通りも多くなっていった。やはり、この街の中心は近鉄四日市で間違いないようだ。

昼食タイム!

 近鉄四日市の東側には「一番街商店街」という商店街がある。昭和の雰囲気漂う、レトロなアーケード商店街だ。

レトロな一番街商店街

 「昭和の雰囲気漂うレトロな商店街」と形容されるような商店街自体は全国のほかの多くの地方都市にもある。しかし、そういった商店街の多くがチェーン店や郊外の大型店の進出、人口減少などが原因でシャッター街となっている中、ここ四日市の商店街は思っていたよりはシャッターが下りている店は少ないように感じた。体感7割ぐらいはシャッターが開いていたと思う。(この写真だとわかりづらいが)

 この商店街を歩いていたら、今回のお目当てのお店が見えてきた。「中華料理 一楽」。「四日市 とんてき」で検索すると必ずと言ってもいいほど上位に出てくる、人気のお店だ。

中華料理 一楽

 この日猿人がいただくのは、四日市名物・とんてき。早速メニューの「とんてき定食」の名前を見つけた。とんてき定食の値段はいくらかなぁ……。

 1705円。

 正直言って、高い。思ってたより高い。1200円も出せば食べられると思ってた。しかし、わざわざ家から片道1時間もかけて四日市に来て、しかも店に入ってしまったのだ。今更引き下がれないし、まあ旅先の昼食なら多少高くてもいいだろう。
 そして、注文したとんてき定食が猿人の目の前に運ばれる。飯テロ投下!

とんてき定食

 ソースと肉のいい匂い。肉は牛カルビのように柔らかく、ジューシーな肉汁がソースと絡み合っていて、白米と一緒に食べたらもう最高。千切りキャベツはレモン汁がかかっているためサッパリいただけて、肉との相性も抜群でした。いやぁ、これは絶品。1時間かけて来てよかった。
 食べ終わったころには、価格への不満はすっかり消えていた。むしろ2000円ぐらいの価値はあったと思う。

商店街周辺を散歩

 昼食も済んだので、周辺を少し散歩した。見えてきたのは、近鉄四日市駅。先ほどのJR四日市駅とは打って変わって、たくさんの列車が行き交い、併設の近鉄百貨店も多くの人で賑わう、三重県最大の都市・四日市の名に恥じない立派な駅舎だ。

近鉄四日市駅

 この駅周辺では、中央通りと同様にあちこちで工事が行われていた。何の工事なんだろうと思って眺めていると、気になる文字列が目に入った。「バスタ四日市」。現在四日市駅前には3つのバス乗り場があるようだが、それを集約し四日市の交通の拠点にするプロジェクトらしい。
 行ったときには近鉄四日市駅周辺のみのプロジェクトだと思っていたが、家に帰って調べていたら、中央通りの工事もこのバスタに関連した工事だということが分かった。(中央通りを再編し、北側半分を緑のある空間にするとのこと。)

現在の駅前バス停の一部は、商店街に沿って乗降場がある

 実際に訪れてみると、四日市は猿人が行く前に抱いていたイメージ以上に活気があり、さらに発展していく余地のある街だと感じることができた。5年後、10年後に訪れたら、どんな景色が広がっているのか楽しみだ、そう思わせてくれる街だった。

 本当はもう少し見て回りたかったが、そろそろ四日市を出なければならない。なぜなら……今日は4限から大学の授業があるから。(!?) そう、この日は午後からしっかり授業があるのにこんなことをしていたのだ。
 12時56分発、快速名古屋行きで帰宅……否、登校する。亀山方面からやってきた列車は、多くの高校生を降ろし、数人の地元(と思われる)客と1人の異常者を乗せて、四日市駅を後にした。

快速名古屋行きと四日市駅の駅舎

 最後までお読みいただきありがとうございました。

「昼食を食べるために○○に行く」シリーズ、またやりたいな。

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