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邂逅(かいこう)

会社の同僚に、作品に名前を付けたらどうかというアドバイスをもらった。文様と伝統色の組み合わせに奥行きがでたら面白そうなので、これからは名前をつけてみます。

「人のつながり」を表す文様を、「デジタルだからよみがえった」伝統色で塗ったので、「邂逅」という名前にしました。

文様:七宝(シッポウ)

正円1つと四分円4つを配置した正方形を、上下左右に並べたもの。

輪(和)が上下左右に重なって広がっていくことから、「縁」や「円満」、「子孫繁栄」を表す縁起の良い柄。

文様の名前に使われている「七宝」とは、仏典において貴重とされてる7種の宝(金、銀、瑠璃など)のことで、
「人や縁のつながりは七宝と同じくらい貴重なことである」という意味が込められているらしい。
(普通に円・玉が並んでいる様子から…ということのようにも思うが…)

因みに、「七宝焼き」も同じく仏典の「七宝」に由来していて、こちらも「七宝と同じくらい貴重な焼き物」という意味だそう。

さらに因みに、七宝焼きは金属工芸で、日本には奈良時代以前に中近東からシルクロード経由で入ってきたらしい。
なんとなく、日本古来の磁器だと思っていた…
銅や銀などでつくった素地にガラス質の絵具を塗り付けて焼くようで、「enamel」はその絵具のことを指す英語。
「enamel」は同時に製法のことも指していて、美術製品におけるenamelは「七宝焼き」、工業製品におけるenamelは「琺瑯(ホーロー)」を指すそう。

色:花緑青(ハナロクショウ/#5AB5B2)

英語の「エメラルドグリーン」で、19世紀からドイツで工業的に生産されはじめた人工顔料。

「花」色っぽい「緑青」色という意味。

「緑青」色は、マラカイト(孔雀石)から作られる緑色っぽい顔料の色。銅が酸化してできる錆の色で、自由の女神の色。

緑青(ロクショウ)

「花」色は、現代でいう「青」色。平安時代から使われていたそう。つゆ草の花から青い染料がとれることに由来している。

花色(ハナイロ、ハナダイロ)

「花緑青」の人工顔料は、生産の工業化以降好んで使われていたけれど、ヒ素由来の強い毒性を持つため塗料としてはほとんど使われなくなってしまったそう。(その代わり、原料は殺鼠剤や殺虫剤として使われたそう。)

いま、デジタルで色を再現できるようになったからこそ楽しめる色ですね。


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