伝導
エンタメ/ポップカルチャーの流行により一般に広く定着した柄を、同じく流行によって大衆に認知された色で塗りました。
文様:麻の葉(asanoha)
正六角形を重ねて配置した文様。
その名の通り、形が麻の葉っぱに似ていることに由来しています。
麻は人類が栽培してきた植物としては最も古い部類に入り、日本でも縄文時代から栽培されてきたそう。
麻は、
・虫がつかない=神聖、魔除けの力を持つ
・まっすぐ伸び、生命力が強い
と認識されていたため、
麻の葉模様は産着の定番の柄として、平安時代から親しまれていました。
江戸時代に入ると、それまでは「産着の定番」だった麻の葉文様が一般に大流行しました。
歌舞伎の演目の中で、人気の役者さんが麻の葉文様の着物を着たことで、一気に流行したそうです。
塗り:亜麻色(amairo/#C7B897)
麻の一種である「亜麻(アマ)」の茎の繊維を紡いだ糸の色。
「リネン」は亜麻のことです。亜麻は麻の一種なので、リネン100%と麻100%は厳密には違う素材。
亜麻の種から搾油されたものが「アマニユ」なので、亜麻は意外と身近な植物です。
現代の日本人も、「亜麻色」という言葉自体は効き馴染みがありますね。
ドビュッシーの前奏曲『亜麻色の髪の乙女』と、同じ名前を題した島谷ひとみの曲が有名です。
どちらも、もともと世の中に存在していたものの、広く普及したきっかけはエンタメ/ポップカルチャー、という模様・色です。
直接的にも間接的にも、ポップカルチャーが人々の生活や認識に与える影響力は、計り知れないと感じます。