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103万円の壁撤廃で台東区政はどう変わる!?/年収の壁の地方財政への影響

こんにちは。台東区議会議員 木村さちこです。

昨日からの報道で、自民党・公明党・国民民主党が合意をして、
103万円の壁撤廃に向けて動いていく
というのがトップニュースになっております。

この103万円の壁、すなわち、
年間103万円までは稼いでも所得税が非課税なので、就業調整がなされてしまうという「壁」の問題ですが
103万円という上限の数字は本来、物価上昇率(インフレ率)や賃金上昇率によって、変動し得るもので、
賃金が上昇しているのに103万円は1995年以来、ずっと固定の金額であり続けるのはおかしい!として、
国民民主党が、先の衆院選で、賃金上昇率に合わせて、178万円までスライドさせるべきだ!との主張をしていたものです。

今回の衆院選で、2009年以来15年ぶりに自公過半数割れをし、
ハングパーラメント、すなわち、政権与党が過半数を割って与党案を通すことが極めて不安定な状態の議会構成になっていることから、
少数野党ながら今回異例の躍進をした国民民主党キャスティングボートを握り、衆院選時に特に訴えていた103万円の壁撤廃について、自公との一定の合意を取り付けた、という流れになります。

なお、私の所属している日本維新の会は、代表である馬場さんが辞任を表明し、
12月1日に代表選挙が行われて新代表が就任するので、
野党第2党ながら、今国会では方針を未だ打ち出せずにおり、もどかしいのですが・・・、今回の国民民主党の躍進(7議席→28議席への4倍の議席増)からは、白旗状態と言っても過言ではないでしょう。

それはさておき、
103万円の壁撤廃は、今回の衆院選を受けての民意と言って間違いではないと思いますが、
政府(財務省)の試算によると、この所得税非課税枠の拡大によって、
国家予算約7.6兆円の減収!!
が見込まれるとのことです。
この税収減は、自治体の収入にも直結するのではないか???
とのことで、一部の市町村が税収減の試算を行い、懸念を表明しているニュースが報道されております。
栃木県では、所得税の非課税限度額を178万円に引き上げた場合、県と25市町で合計約880億円の税収減が見込まれると試算、
仙台市の郡和子市長は、同様の引き上げにより最大で約300億円減収が予想されると表明
などなど。

私の住んでいる台東区では、また東京都では、まだこの点に関する具体的金額の試算はありませんが、税収減と住民サービスの縮小については不安がないとはいえません。

この点、気をつけないといけないのは、
103万円の壁、というのは、あくまで、所得税の話であって、
住民税の非課税限度額100万円というのは、必ずしも、セットで見直すと言われているわけではないことから、住民税収には直接影響はないのですよね。
しかしながら、国税である所得税の国家収入が減ると、
国から地方に割り当てられる国庫支出金・交付金等に影響する
ことから、
結果的に、地方自治体が行う事業の予算が減ってしまう

ことが予想されるわけです。

区の事業のうち、いわゆる「法定受託事務」(昔、行政法の授業でやったような・・・)というのは、予算が基本的には国庫支出金という、国の予算から振り分けられています。
例えば、戸籍事務、選挙事務、生活保護、児童扶養手当、などなどがこの法定受託事務に含まれます。
国の事業を、委託されて自治体がやっているので、その業務委託料をもらっているイメージです。

これに対し、国が地方自治体に交付するお金として
地方交付税交付金」というのがあり、これは、特に使途が決められているわけではないのですが、
台東区は、一定の財政状況を達成している「不交付団体」であり、この交付金は国からもらっていません。
なので、103万円の壁撤廃で、国税収入が減っても、直接的に影響があるのは、国庫支出金の部分のみで、税収への影響は限定的といえるかもしれません

しかしながら、台東区としても、楽観視はできないので
この、民意を受けて進んでいく、103万円の壁撤廃!に向けて、
税収減を想定した予算を、今後組んでいく必要があるでしょう。
その際には、徹底的な事業の無駄の見直しは、避けられないと思います。

(なかなか一刀両断にこれはムダ!というのも難しく、かつての民主党政権での事業仕分けみたいにパフォーマンスに走るのもよくないので、慎重に進める必要があるとは思っていますが)

皆さんのご意見、疑問も教えてください!
台東区議会議員 木村さちこでした!!



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