頑張っている人をみると、応援したくなる。
前回に引き続き、中川政七商店さんの展示会「大日本市」のコンテンツ「プロのカタリベ」をお送りします。
ご紹介したいのは川東履物商店の「HEPサンダル」です。
HPより
その名の由来は映画「ローマの休日」。オードリーヘップバーンがサンダルを着用したことから、ヘップサンダルと呼ばれるようになったそう。
土間や庭先、玄関から商店街、ちょっとしたおでかけ。 ヘップサンダルは、さっと履いて気楽に出かけられる履物として 長年、日本の家庭で親しまれてきました。
川東履物商店は奈良で1952年より履物を生業としてきました。
「HEP」は古くから愛され続けてきた、さっと履けて気楽なヘップサンダルを、未来にもつなげられるように様々な角度からアップデートしていきます。
ひとりひとりがあらゆる場所へ気軽に一歩を踏み出せることを願って。
製品については語り尽くされているであろうから、気になる人はこちらを見ていただければ。
今回はちょっと別の視点で製品について語ろうと思います。
この製品が素晴らしい点は、ブランド創業者の「伝える熱量」なんです。HEPサンダルのオーナーである川東宗時くん(以下むねくん)は、今や仲の良い友人であり、以前からHEPサンダルの事業への相談を受け、悩みながら試行錯誤しながら、色々な人と繋がり、自分のブランドへの熱量を伝え、そのたくさんの受け手がユーザーになっていく姿をずっと見てきました。
正直言って、めちゃくちゃ応援しています。
むねくんは、とにかくHEPサンダルのことを伝えたくて活動しているし、購入してくれているユーザーさんや取扱店さんの紹介を自分の足と手で記事にして紹介しています。もちろん製品が良いのが前提ですが、とにかく自分のできる範囲でできることをやる。
たとえ文章や写真が素人でも、「伝えたい」という熱量がこの行動を生み、支持してくれる人たちと出会うことで、それがパワーになっていく。
とにかく、仲間内と自分のD.I.Yでやっていく。ブランドを小さく始める本懐を見ている気分になります。
かくいう私たちオールユアーズもクラウドファンディングで色々な人たちに知っていただくことができましたが、創業当初は試着する場所もなかったので、大きなバックにサンプルを詰め込んで「着たい!」という人の自宅にお邪魔したりしていました笑
知名度なんてほとんどないし、有名な方に知り合いもいない。そういう時にやれることって、とてもシンプルなんですが、自分の足で動くことだったりします。
この企画の趣旨とはもしかすると違うのかもしれませんが、「応援したくなる」というのも、実は自社ブランドをやっていく上で非常に大切なことだと思っています。
例えば、むねくんと私の経験をお話しすると、オールユアーズで2019年に「47都道府県ツアー」という全国各地で共催してくださる方を募集して試着会とトークイベントを開催しました。
その時に、奈良県のホストに名乗りをあげてくれたのが、むねくんだったのです。正直、その段階では会ったことがなかったんです。イベント当日に初めて会って仲良くなりました。私たちもパートナーとなってくれたので助かったし、初対面でいろいろブランドのことを聞いたりしていくうちに彼の人柄や、やりたいことを理解することができました。仲が良くなったのはそんなエピソードがあったからでした。
(奈良でのイベントをお手伝いしてくれたかなみんのツイートから)
そんな間柄になったら、応援したくなっちゃいますよね?
後からむねくんに聞いたら「ブランドのことを聞いて欲しくてイベントのホストに立候補した」と言っていたのですが、彼はまず、私たちに自分のできることでgiveしてくれた。そのgiveに私は答えたくなったんです。
知名度がない時代に、ブランドのことを語ってくれる自分以外の人は、熱量をもった最初のお客さん=友人です。この人たちがブランドの良さを語ってくれるんです。
「友達が頑張ってるから!応援する!」こういう関係性をどれだけの人たちと結べるか?これはシンプルで当たり前だけど、再現性がないから、語られにくい話でもあります。
製品は、ただの「物体」ではなく、誰かが企画し、製造しています。その人たちの活動で、広がり方が変わります。
作ったものをどう届けるか?自分の想いをどう伝えていけるか?コミュニケーションでその製品の良さの伝わり方が変わる。そんな体験をむねくんとの付き合いで実感しました。
ぜひ、機会があれば本人に会って、話をしてみてください。きっと応援したくなりますよ。
この記事は、中川政七商店が運営する「大日本市」の企画で、
暮らしの道具を実際に使用し、プロのカタリベとして感想を記事にしています。
バイヤー向け展示会「大日本市」のサイトはこちら
https://www.dainipponichi.jp/shop/pages/exhibitions202105.aspx?utm_source=note.dainipponichi.jp&utm_medium=referral&utm_campaign=note202106exh
他のカタリベの記事一覧についてはこちら
https://note.dainipponichi.jp/m/ma0cf1e57b52f
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