ある日の夕暮れ時、夜の空気をまといだした街に、肌寒い秋の夜風がそよぎだしていたころ、俺は用もないのに知らない街の商店街をぶらぶらしていた。車でちょっと行ったところにある商店街だが、今まで訪れたことのなかった場所だ。ふと新鮮な場所で散歩でもしたいと思い立ち、車を走らせ、その商店街をうろついていたのだ。 「中央銀座」と名付けられたその商店街には、まだ夕方の18:00頃というのにほとんどひと気がない。まるでこの街の人たちが俺を驚かせようと、路地の影に隠れているんじゃないかと思うく
フイルム写真を撮る。現像に出して、仕上がりを確認する。そしたらなぜだろう。写真の中に自分が想定し得ない、別の物語が埋め込まれていた。それは突然私の頭の中から流れ出した。わたしはそれを書き留めずにはいられなかった。 写真は特定された「場所」「時間」という情報が切り取られて埋め込まれているはずである。しかしどうしても私には、その中に流れる別の物語が見えてしまう。確かにそれは以前に自分で見た景色である。ファインダーを覗き、露出を決めて撮った紛れもない現実世界の一部分だ。でもそこに
連載のように続けてきた大日本市の「プロのカタリベ」企画。ついに(?)最終回をお送りします。 今まで一本一製品で書いてきましたが、今回は試した製品の中で良かったものをご紹介していきます。 (今回はモデルが木村自身なので、ちょっと絵面がわるい写真は公式サイトの写真をお借りしました…!) 大和工房のroom'setta今回試した中で、個人的にもっとも気に入ったもの。それが大和工房のroom'setta(ルーム雪駄)。 読んで字のごとく、室内履きの雪駄です。 その雪駄スタイ
前回に引き続き、中川政七商店さんの展示会「大日本市」のコンテンツ「プロのカタリベ」をお送りします。 ご紹介したいのは川東履物商店の「HEPサンダル」です。 HPより その名の由来は映画「ローマの休日」。オードリーヘップバーンがサンダルを着用したことから、ヘップサンダルと呼ばれるようになったそう。 土間や庭先、玄関から商店街、ちょっとしたおでかけ。 ヘップサンダルは、さっと履いて気楽に出かけられる履物として 長年、日本の家庭で親しまれてきました。 川東履物商店は奈良で195
中川政七商店さんの展示会「大日本市」のコンテンツ「プロのカタリベ」シリーズ連載の第二回をお送りします。 今回は福井県は鯖江市の谷口眼鏡さんが製造する、tesioのARCH プロダクト好きなら、鯖江市がどんなところかご存知でしょう。 行政のHPが…めがね! wikipediaでも 福井県は、眼鏡フレームの生産で日本市場の96%を誇り、鯖江市はその生産の中心を担う。成人式では新成人に眼鏡を配っている。 (wikipediaより) もう知らない人はいないほど眼鏡が有名な
前回のエントリで、製品を見ていく基準としてこんなふうに書きました。 ・無駄な装飾がないもの ・意匠それ自体が機能するもの ・作り手の強み(得意な部分)が出ているもの ・作り手の意思が感じられるもの ・受け手次第で色々な解釈ができるもの ・ながく使える工夫がされているもの 項目自体は個人的にモノを選ぶときに非常に重視していることなのですが、本当に良いと思えるものは、これを一つ一つ検討していって「これは良いものだ!」となるのではなく、実物を見た瞬間にわかるものが多いです。
この度、中川政七さんの展示会である大日本市で「プロのカタリベ」という企画でお誘いいただきました。 簡単に言うと、出展者さんの製品を使用させていただいてレビューするっていう企画なんですが、他のカタリベメンバーの皆様とわたしが一番違うのは、自分自身が商品を企画し、販売までする会社を営んでいるということ。 つまり、レビューさせていただく出展者と立場は同じなんですよね。こういう依頼って、自分が同じ立場ということもあって、正直に言いにくい部分があったりするので、基本的にいつもお断り
2021年明けに早くも緊急事態宣言が。 実店舗や、商品を取り扱っている事業者は新型コロナウィルスの影響を受けていない人はいないであろう状況が一年続いていることになります。私たちが活動しているALL YOURSも例外なくかなり影響を受けています。 実店舗や商品はオンラインでは伝わらない要素が多分にあるし、オンラインへ体験を完全移行できるかというと、やはり難しいというのが正直なところ。一番重要なその場所、その商品で体験できるフィーリングはテキストや動画では伝わらない要素が多く
こんにちは、オールユアーズというアパレルブランドを運営している木村まさしです。日経新聞のCOMEMOで書く機会をいただきました。 これから日経新聞の記事を元に、世の中のことを色々と考えていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。 今回はこちらの記事。 百貨店の伊勢丹新宿店がオンライン接客を始めるというニュースがありました。わたしたちも今年の4月からオンライン接客を細々とやっていましたので、この経験も踏まえてオンライン接客についていくつか考察してみたいと思います
みなさま、このコロナ禍の状況どうお過ごしでしょうか? 2020年は新型コロナウィルスの流れで、様々な影響が私たちにもあります。このそれぞれが厳しいタイミングで、オールユアーズの製品を選んでいただけることが非常にありがたいです。先行きが不透明ではありますが、共犯者の方々が喜んでくださるような、また私たちの活動でインスピレーションを受けていただけるようなチャレンジをこれからもしていきたいと思っています。 とはいえ、まだまだ感染は続いていますし、手洗いうがいをしっかりして、体調
Tシャツはメディアである。「着たくないのに毎日着てしまうTシャツ」通称「着た着てT」 e心地よさを感じるプロダクトの実用性はもちろん大切な要素ですが、Tシャツにはもう一つ重要な役割があります。 それは「メッセージを伝えること」です。 昔からあらゆるミュージシャンやアーティストが「Tシャツ」という媒体に載せて社会へのメッセージを発信しています。 今回、オールユアーズもこれにならい、「#今週のTシャツは?」と題して「着た着てT」をボディに、週替わりで私たちが伝えたいメッセ
今年もキテテコの季節がやってきました。春の新作リリースで数日で完売してしまった「キテテコ 」半袖と好評いただいていた長袖の再リリースをします。今回はネイビーです。(長袖と半袖でネイビーの色目が違います。) 僕たちはいったい、日本のどれだけの事を知っているだろうか? こんな見出しから始まった、2月のキテテコのリリース。 この探究は2月から深まり、最近はほとんどが「東洋哲学」に関わる書籍を読んでいます。(興味がある方はTwitterで #オールユアーズの読書 をチェックしてみ
Tシャツはメディアである。「着たくないのに毎日着てしまうTシャツ」通称「着た着てT」 心地よさを感じるプロダクトの実用性はもちろん大切な要素ですが、Tシャツにはもう一つ重要な役割があります。 それは「メッセージを伝えること」です。 昔からあらゆるミュージシャンやアーティストが「Tシャツ」という媒体に載せて社会へのメッセージを発信しています。 今回、オールユアーズもこれにならい、「#今週のTシャツは?」と題して「着た着てT」をボディに、週替わりで私たちが伝えたいメッセー
Tシャツはメディアである。 「着たくないのに毎日着てしまうTシャツ」通称「着た着てT」 心地よさを感じるプロダクトの実用性はもちろん大切な要素ですが、Tシャツにはもう一つ重要な役割があります。 それは「メッセージを伝えること」です。 昔からあらゆるミュージシャンやアーティストが「Tシャツ」という媒体に載せて社会へのメッセージを発信しています。 今回、オールユアーズもこれにならい、「#今週のTシャツは?」と題して「着た着てT」をボディに、週替わりで私たちが伝えたいメッセ
Tシャツはメディアである。リリースした「着たくないのに毎日着てしまうTシャツ」通称「着た着てT」 心地よさを感じるプロダクトの実用性はもちろん大切な要素ですが、Tシャツにはもう一つ重要な役割があります。 それは「メッセージを伝えること」です。 昔からあらゆるミュージシャンやアーティストが「Tシャツ」という媒体に載せて社会へのメッセージを発信しています。 今回、オールユアーズもこれにならい、「#今週のTシャツは?」と題して「着た着てT」をボディに、週替わりで私たちが伝え
これは 『ほとんどの人が着たことのないTシャツ』 です。今までに何枚のTシャツを買いましたか? 快適な1日を過ごすためだけに、オールユアーズはTシャツを新しく作りなおしました。 シワ、アセ、ニオイ、ヨレ。 いろんな事をもう気にしなくなる。 ほとんどの人がまだ「着たことがない」Tシャツができました。 詳しくは商品リンク(☝️)を見ていただければわかりやすいので、このnoteでは新リリースした製品の「裏側」を語ろうと思います。(BASEがリッチコンテンツで表示できるようになった