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「何をやってもダメだ」それでも、カラスはあきらめなかった(イソップ物語)

「何をやってもダメだ」と、くじけそうになることはありませんか。あきらめる前に、『イソップ物語』を読んでみましょう。


 カラスは、喉が渇いていました。
 水を探して飛んでいると、大きなビンを見つけたのです。

「おや、あの中に水があるぞ」

 早速、カラスは、ビンの口へ顔を入れましたが、くちばしが水まで届きません。
 水は、ビンの半分くらいしか入っていないのです。

 さて、どうするか。

 カラスは、ビンを倒すことにしました。
 あふれた水を飲む計画です。

 まず、ビンに乗って上から揺さぶってみました。
 しかし、引いても、押しても、びくともしません。

 次に、力いっぱい、体当たりしてみました。
 やっぱり、倒れません。
 何をやっても、だめでした。

 普通は、ここであきらめてしまいます。

 しかし、カラスは、じっと考え続けました。
 そのうちに、いい案を思いついたのです。

 カラスは、小石をくわえてきました。

 そして、ビンの中へ入れたのです。

 何度も繰り返しているうちに、石が入った分だけ、水面が、だんだん上がってくるではありませんか。

 こうしてカラスは、目的を達成して、水を飲むことができたのでした。

 日常生活や、仕事の中で、
「もうだめだ」
「これ以上は無理」
と、後ろ向きなことを言ったとたんに、知恵が出なくなり、本当に終わってしまいます。
 どんなに困難で、厳しい状況の中にあっても、
「なんとかしたい」
「解決方法はないだろうか」
と、前向きに思い続けていると、必ず打開策が見つかるのです。

イラスト・黒澤葵

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