夥(ある夢のプロット)
ある夏、集団でバンガロウみたいな家に滞在中、1人ずつ言語デバッグに陥った挙句コミュニケーション不全の症状がまもなく慢性的になり、その人自身、その人となり、しまいには言語の外側にあるはずのガワ、存在の器そのものがふわっと霧消する怪奇、蝉の声に混じったつけっぱなしのラジオの音声もいずれピュアなノイズになり、わたしを含めて生き残り4人の言語体系を可視化するらしい、ちいさなLEDのモニタを恐る恐る覗いたら、他の生き残り3人のアイコンが"夥"の字に変わり、隣にいる古い友人の言葉がさっぱり意味不明になっていき、わたしはまもなくここでひとりぼっちになることを予感して震える、という哀しい言語系SFスリラー。