大都市圏の街に対して青森市の魅力をどう差別化するか(10月視察レポ)
千葉県船橋市・市川市に視察に行きました。流山市にも足を伸ばしました。
関係者の皆様ありがとうございました。
東京のベッドタウンになっているこれらの街は、ある意味、青森に若い方を引き留めよう、戻ってきてもらおうと思うと、競争になる市ともいえます。
今回の視察では、視察テーマの個別の事業についてはもちろん、東京大都市圏である船橋市、市川市や流山市の雰囲気や特徴を捉えた上で、これからの青森市はどんなまちづくりを目指すかヒントにできればと考えました。
当たり前ですが、鉄道や商業施設などのインフラは非常に充実しており、青森市とは勝負になりません。
とすると東京大都市圏の街にはない独自の街づくりをするしかありません。たとえば、市街地から30分で八甲田に行ける自然との近さを活かすことは、一つの手段になるのではと考えています。
◯ 千葉県 船橋市シェアサイクル事業
民間事業者に公有地を貸し自転車のポートとして無償提供する代わりに、市からの持ち出しはゼロで事業を実施しているとのこと。また、利用データの提供を受けて、自転車走行の多いところにレーンの設置や標示を行うなど施策にも役立てているそうです。
青森市でも、青森駅周辺や浪岡駅でレンタサイクル事業をしています。サイクルコースやレンタルの方法を見直して自転車による周遊観光をより増やしたいところです。
船橋市のシェアサイクルの利点は
①アプリ操作で気軽に借りられる
②サイクルポートが多数あり、乗り捨てができる(借りる場所と返す場所が別でいい)
ところが特徴です。
青森市の場合は
①観光利用がほとんど
②冬季は自転車を片付けなければならない
などの条件があり、ポートをたくさん設置するというよりは、現状のやり方で、GPSを自転車に設置してデータ分析したり、自転車で回るコースを作成してみるなどがいいのかと感じました。
◯千葉県市川市 住宅の省エネやバリアフリー化、子供部屋増築などに市独自の補助金(10万円)を出す制度について
青森市では空き家問題が深刻ですが、古い住宅を機能向上させて空き家になる上流でとめる方法のひとつとして検討してもいいのではと感じました。また、補助を受けるには、市内の事業者に作業を注文するという条件があることも、地元振興として参考になる事例でした。
市川市役所は、カフェスタンドのとなりに授乳室があり、赤ちゃん連れのかたもオープンスペースを利用していました。
市民の来庁の多いアウガ庁舎にも、コーヒースタンドがあれば、手続きを終えた市民の方も一息つけるのではないかと思います。
一階海手側にあれば寒い冬の日には新町通りを通行する方も利用できます。
◯千葉県 流山市
流山市は、2005年のつくばエクスプレス開通をきっかけに人口が急増。駅前のおしゃれな流山おおたかの森SC周辺はベビーカーや子どもの手を引く母親で溢れています。少子化ニッポンからタイムスリップした感です。
駅前にとにかく何でもあります。スーパー、ドラッグストアなど日常使う店から映画館、雑貨屋、レストランモール、そして保育園、学童、小児科、フットサル場‥
青森に若い方を引き留めよう、戻ってきてもらおうと思うと、こうした街とある意味競争になるわけです。
単純なインフラ合戦では勝負になりません。
市街地から30分で八甲田に行ける優位性は、東京大都市圏の街にはない独自の街づくりにつなげられると考えています。
こうした子育てに適した街づくりや給付金、無償化は都市間競争になるので短期的に見ると人口の綱引きです。しかし、長期的に全国で地域にあった形でさまざまな子育てしやすい環境が整うことで、全体が底上げされるように子どもを産み育てやすくすることでしか、少子化の緩和は実現されないのではと考えます。
親御さんがどんな子育てがしたいか、あるいはお子さんにどんな子育てが合うかは千差万別です。都会で育てたい方も田舎で育てたい方も両方いらっしゃいます。だからこそ、地域ごとに特色を生かした子育ての形をつくり、ICTを活用した場所を選ばない働き方を広げる。そして、子育てのスタイルに合わせて居住地を選ぶ、全国どこかにはやりたいスタイルの子育てを支援する市町村がある、という形にしたいと考えています。