生き物から学ぶ都市問題の解決策(視察レポ・全国都市問題会議)
・都市を生物にたとえると、道路は血管。建物は細胞。細胞は死ぬ(壊す)ことを前提に作られている。新陳代謝が大事。変わり続けることで都市のダイナミズムが維持される。
・生物の生態に例えることで都市の実態を捉えやすくなる。「擬態」という生物の行動があるが、都市も同様に擬態する。北欧の住宅の内装が南欧風になっていたり、土地が有り余る広いアメリカの街にに住宅密集地であるイギリスのロンドンのアパートを模した住宅を建てるなどの例がある。
・都市の問題を人間の病気にたとえると、空き家は都市の骨粗鬆症ともいえる。空き家が増えると人口密度が低下し、コンビニやスーパーを維持できなくなる。このことは骨折して歩くことができない状態と似ているのではないか。
・骨粗鬆症の対策は運動や食習慣の改善で骨密度の低下を緩やかにすることである。骨折してからでは遅い。空き家対策も同じで、空き家になる前に対処することが大事ではないか。
・メタボ=都市域の無秩序な拡大、循環器不全=公共交通が不便、渋滞といった形で医師が病気を症例に分類するように都市問題を分類するとわかりやすい。
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全国都市問題会議に参加するために、兵庫県姫路市に来ています。
全国から市長や市議会議員2000人が集まる会議です。
テーマは「健康づくりと街づくり」でした。
基調講演は分子生物学者の福岡伸一さん
「動的平衡」というベストセラーで有名です。
「個々の要素ではなく全体のダイナミズムを見る」
「壊すことを前提につくる」などのお話がとても面白く、勉強になりました。
青森市でもバス路線の改善や公共施設の建て替えに伴う再配置など、まだまだできることがたくさんあり、気づいていない、取り組んでいない視点もたくさんあると感じました。
姫路駅から姫路城まで、約1kmまっすぐ伸びる道路があります。
ここは歩行者が楽しく歩けるように、歴史の案内板や花壇などが整備されています。これは単なる観光政策ではなく、市民が楽しく1万歩歩ける仕組みづくりを意識しているそうです。
健康は個々人の課題ではあるのですが、まちづくりで健康づくりができないか?という試みが広がっていることを実感しました。
出歩くことは健康づくりに欠かせません。
青森市では「雪」が出歩くことへの大きな課題になります。
街路樹や花壇などのみどりの整備も、雪のないところに比べると難しくなります。
一方、青森市には「涼しい」という大きな利点があります。
青森市の涼しさはこれから「市民の健康づくり」という点で大きなメリットになっていくのではないでしょうか。
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