【本】先達からいただいた御恩を、今度は後輩達に譲っていきたいものだ。
お世話になり、御恩をいただいた、書店チェーン「リブロ(現LIBRO PLUS)」の市原穣元社長を思い出している。
市原社長の命日が7月21日。
市原社長にはお世話になった。「リブロ池袋店」で、本の店頭販売をしていた自分を、本部の店舗開発に引っ張ってくれた。
実店舗離れ、無人店舗時代の現在からは信じられない話だが、
書店にもチェーンストア思想が重んじられていて、5年間で、新刊書店を15店舗ほど出店する仕事に関わらせていただいた。既存店の改装も担当させていただいた。
市原社長はファミリーマートで、店舗開発畑であったから、堤 清二(辻井喬)会長に、軌道に乗るまで社長兼店舗開発をやりたいと提言したものの、経営に専念しなさいと釘を刺されたという。
「昔のリブロは良かった」というムードの中、企業再建を目指し、憎まれ役になることをいとわず経営を担われた。
リブロは、西友グループから、ファミリーマートグループになり、パルコグループになり、日販グループとなったが、現在も存続できている。
市原社長がいなかったら、このような展開にはならなかったであろうと認識している。優れたリーダーだった。
思えば、この社長が引退を表明した日に、私も上司に辞職願を提出した。
社長なき後の暗い未来を考えたからではない。
私も社長ほでないにせよ、傷を負いすぎていたのだ。
ファミリーマート専務だった市原社長は、2015年7月21日ご逝去された。享年80歳。
せっかくご指導いただいた店舗開発の仕事だったが、残念ながら、その後自分の人生で活かすことはできなかった。
しかし、サラリーマン人生について、市原社長の生き様から学んだことは多い。
謹んでご冥福をお祈りします。