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Dinii Data Team Blog Vol.1 - 最もプリミティブな飲食店データの起源と価値
こんにちは。kimujun です。
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株式会社ダイニーで Data Team のテックリードをやっています。写真は本人ではなく、この前ハワイで撮った壁です。
意図せずドラマ某面師たちを思い起こさせるタイトルになってしまいました。
「プリミティブな飲食店データ」と聞いて、どのようなデータを思い浮かべるでしょうか?
プリミティブとは「原始的な」「根源的な」という意味です。
飲食業界のオーナーが最も興味を持つプリミティブな飲食店データは注文データです。
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実は、ダイニーでは一般的な注文データよりさらにプリミティブなデータを扱っています。
この記事では以下の点にフォーカスします。
最もプリミティブな飲食店データとはなにか
プリミティブなデータはどのような価値があるのか
最もプリミティブな飲食店データ
ダイニーの注文データは、モバイルオーダー POS というプロダクトから生まれます。
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モバイルオーダーは来店客が自身のスマートフォンから注文するためのアプリケーション。
POS (POS レジ) はいわゆるキャッシュレジスターで、会計を管理・実行するアプリケーションです。
これらのアプリケーションから生成される注文データは以下のような形をしています。
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実のところ、上記のようなデータはモバイルオーダーを併用しない一般的な POS レジのサービスにも存在しているデータです。
これに加え、ダイニーでは LINE アプリによるユーザー登録機能をもつモバイルオーダーを通じて、注文データにユーザー ID がひもづきます。
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ユーザー ID によって「注文者ごとの注文情報」というさらに細かい情報になりました。
また、どのユーザーがいつ来店したかという「来店情報」も副次的に得ています。
これがダイニーの持つ最もプリミティブな飲食店データの正体です。
プリミティブなデータが生む価値
先程の注文データです。
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ただ眺めるだけでは面白い情報は得られません。
このデータを userId ごとに抽出して見てみましょう。
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こうすると色んなことが見えてきます。
例えばドリンクのジャンルに着目してみると、
userA はビールやウーロンハイなど、様々なドリンクを注文している
userB はハイボールやウイスキーロックなど、ウイスキー系中心のドリンクを注文している
と、ユーザーごとの注文傾向を抽出することができます。
他にも、
userA は 3 杯/1h ペース、userB は 4 杯/1h ペースとドリンクの注文ペースに差がある
userA は userB よりもフードを 2 倍多く注文している
というように様々な角度でユーザーの注文傾向を見ることができます。
さらに性別や年齢層といったユーザーデータを同時に考慮することで、性別や年齢層別の注文傾向まで見えてきます。
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注文データとユーザーデータがひもづくだけで、こんなにも多くの観点で見ることができるようになるのです。飲食店の売上アップ施策もより効果的に実施することができます。
これがプリミティブなデータが生み出す価値です。
まとめ
ここまでの内容を以下にまとめます。
モバイルオーダーと POS レジを同時にプロダクトとして提供することによって、来店情報と詳細な注文情報を生み出している
「誰が注文したか」に着目することで、これまでになかった新しい価値が生まれる
一般にデータの粒度が細くなるにつれ、アクセスできる情報レイヤーの厚みが増し、より事業の貢献できる領域が広がっていきます。
“If you can’t measure it, you can’t improve it” (測定できないものは改善できない) という言葉がありますが、逆に測定できていればそれを改善につながるアクションに活かすことができるのです。
ダイニーには他にも有用なデータがたくさんあります。
実際にどのようなデータ分析を行い、改善に活かしているのかについては次の記事で掘り下げます。