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リーダーになったばかりのあなたに🐣

リーダーというポジションは「何を成し遂げるのか」ではなく、「どれだけ恐れずやっていけるか」を問うポジションである。現実的な心配はあなたを緊張させ、緊張感がますとさらにあなたの心配は悪化する一方だ。

心配は誰も持つものである。重要なプロジェクトをメンバーに任せてしまうと自分の存在感が薄れてしまうのではないかという心配、任せたのでその人が仕事をしくじってしまうのではないかという心配、メンバーに重過ぎる負担をかけ、自分が悪い人に見えてしまうのではないかという心配など。逆説的ではあるが、そういう心配のないソシオパス型リーダーが成功するようにも見える。心配や恐れなどは気にせず、徹底的に成果に集中できるからである。しかし、一般的なリーダーのひよこたちは、その心配に直面し、それを克服しなければならない。

恐れを克服する方法は、客観化することである。内面を除いてみるだけではなく、他人を観察し、自分と他人がどうかかわっているのかを客観的に考える必要がある。権限を委任し、戦略的に思考し、より活発的な意思疎通をする必要がある。仕事の量はより少なく、目線はより遠く、より頻繁にコミュニケーションをとる。

ひよこリーダーは成果を出さないといけないという重圧とコントロールを失うという不安を抱えたまま一人で仕事をすることが多い。しかし、権限を委任しないとメンバーは成長しない。それだけではなく、彼らのモチベーションを下げてしまうことになる。こういった悪循環から脱却するためには少しだけ距離を置き、客観的に考えてみよう。
・ チームメンバーのスキルアップは今の財務的成果を出すこと同様重要である。
・ 誰もミスをしながら成長してきた。メンバーがミスを出来る機会を与えるより良いコーチングはない。
・ 問題が複雑になるほど単純な解決策でアプローチしないといけない。与えられた仕事が複雑だと思ったらより細かく分解し、より小さい業務をメンバーが自分の意思とスキルで解決できるようにガイドする。

目の前にある問題に集中してしまうとより大事なビッグピクチャーを見逃してしまう可能性が高い。リーダーであれば戦術的「実行」より戦略的「思考」に時間をかける必要がある。
・ 戦略的思考は、これまでデータ分析やエクセルスキルに時間をかけてきたほどの努力を注がないと習得できない。
・ 戦略的思考は6か月後、1年後を想像することで始まる。そのような余裕がないのであれば余裕を作るのだ。
・ 目標と実行はバランスを取りながら追っていく2匹のうさぎである。リーダーは、目標の設定により集中し、メンバーは実行に集中するのが理想である。

リーダーのひよこにとって上司はもはやパートナーではなく、上下関係の人間である。上司が会議をリードし、報告書を要請し、提出した結果物にコメントをする。上司が質問をし、あなたがそれに答えている時の多くはもう対応が遅いということだ。上司に助けをお願いすることが無能力に見えると思い、自分で何とか問題を解決するように無駄な努力をするのはやめよう。
・ 問題をありのまま伝えるのは勇気の要る行動である。問題を隠すことこそが無能力だ。
・ コミュニケーション能力こそリーダーとして習得すべき問題解決能力のうち一つだ。
・ 定例会議のアジェンダを決めて共有することがリーダーとしての役割である。

あなたは自分が思っているより大したスキルも持っていないし、他人もあなたにそこまでの興味はない。チームメンバーはリーダーであるあなたが自分たちを大した人材と思うことを願っているし、より興味を持ってほしいと思っている。このような人間の心理を悪用し、リーダーが人気の管理だけに集中してしまうと「善人コンプレックス」に陥ってしまい、最悪のリーダーになってしまう。無能なリーダーも悪いが、善人ぶっているリーダーはもっと悪い。

<Carol A. Walker, "Saving Your Rookie Managers from Themselves", Harvard Business Review (April 2002)>

https://hbr.org/2002/04/saving-your-rookie-managers-from-themselves

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