KRT2024(川辺川コース)考
球磨川リバイバルトレイルにスタッフ参加してきました。
川辺川コースのスイーパーです。A4屋形からA5川島までの区間を担当しました。
川辺川コースといえば、前年3月の開催時には関門時刻の設定が非常に厳しかったんです。それで100km部門でありながら完走率が30%以下に落ち込んだり、特にA5川島で足切りになった選手が約200名の参加選手のうち半数以上にのぼったこともあり話題になったんですね。
そうなってしまった原因は傍に置いときますが、わたしも友人との間で「ハードモード」「鬼畜」などと話のタネにしていたんでした。実際、わたしも参加しましたが......関門どうこう以前にフィットネスが全く仕上がっておらずお話しになりませんでしたw
2024年は開催月を11月に移し、川辺川コースには約200名が参加。関門時刻は昨年よりも長く設定され、ゴール制限時間は23hから30hに延長。多くの選手にとって完走しやすいレースになることが期待されていたように見えます。何より2020年豪雨災害を受けた球磨川流域を参加者が感じ取るといったコンセプチュアルな大会だということ、大会名に『ランニング』や『レース』を冠していないことからも、厳しい条件を選手に課すことより大切にしているものがあるんだろうなというのがわたし個人の受け取り方です。
11月16日スタート当日は気温は20度未満。湿度がやや高いくらいの曇り......ということなので比較的走りやすいコンディションでした。で、結果は完走率88%!
わたしが受け持った区間はダラダラと10kmで1000m上る白岩山を含む区間でしたが正直言ってスイーパーだってしんどかった。ここをしっかり登り切って八代のゴールに飛び込んでいくんだなーと選手の皆さんへ尊敬の念を抱きながら夜の山を歩いていたんでした。
友人の1人がとても良いタイムで完走していたのを知って魔が差し、『前回大会の制限時刻のままだったら今年の参加者の何%が完走できるか』を試算してみました。
今年完走した172名のうち、A4を通過できるのは167名、A5通過は56名でした。やっぱりというかA4を通過したのにA5に間に合わなかった人が100人以上いることになるわけです。それからA6を通過して完走できるのは49名、完走率25%となりました。昨年の完走率26%とほとんど変わらんやん!!
と、こんな感じで興奮してしまって49名の中に滑り込んだ友人にお祝いのLINEを送りつけましたが...興奮のあまり趣旨を伝えられたか、そして嫌われていないかどうか、いまとても心配ですw
特に面白いなと思ったのが『ゴールタイムだけの制限時間に間に合った人なら49人よりも多く72人が完走できていた』という試算結果がでたこと。72-49=23が示す意味は直接的には『23年版のA4.A5の制限時間には間に合わなかったけどゴール制限時間になら間に合っていた選手が23人いる』ということで、好意的に解釈すると『力を温存してレース後半にしっかり追い上げてゴールするレース戦略』が大会側に受け入れられたということなのかなと。
ちょっと細かすぎますか。いつもこんなこと考えてんだよ。ついてこいよ。
と、こんな風に数字をコネコネしながら、わたし自身が23年にこれを完走できなかった時のことを思い返していました。「設定が厳しかったから」って慰めをくれる人が多くあったんですけど...全然嬉しくなかったんですよね。完走してるひとがおるやんって。
2023年と同じ条件だったとしても完走できた人は2024年にも確実にいて、その割合は約25%ということで前年の完走率とほとんど変わらず、厳しいなりにも一貫性があったわけです。
2024年の関門が易しくなってたって去年の厳しさは変わらず目に見えない線としてそこにあって、今年完走できた選手の中でも、より優れた準備をしてきた選手たちはさらに厳しいラインを飛び越えていったんだなと。川辺川・ハードモード、または川辺川・鬼、そういうものとしてあるんだなと。そういうのって恰好いいなと。今年の球磨川リバイバルへのエントリーを検討している時期、今年の春頃だったかな。「川辺川はやさしくなったけど、あくまでも23年ベースの制限時間に挑戦したいよね」なんて話をあちこちで交わしたことはよく覚えています。
「で、走りながらしんどくなったら24年モードに切り替えて完走目指すんだろうね」とも言いましたがw
実際に今年の大会が終わったいま。去年完走できなかった選手も今年だったら完走できたのにーとか、今年完走できた選手は制限時間緩かったからだよねーとか、そういう狭量なハナシではなくて。関門設定の甘辛をどうこう言いたいんじゃなくて、一段階上の目標にチャレンジする面白みがあったっていいやん?ってことを言いたいんです今回は。
ちなみにこの川辺川ハードモードを完走できた選手のゴールタイム、その最後尾はおよそ21時間半でした。ずいぶん認知度があがった「区間タイム計算ツール」を活用し、川辺川コースを21時間半で完走する選手のITRA PIを計算すると...480!
信越五岳100マイルの完走ボーダーラインとほとんど一緒なんですね〜なんたる奇遇。はぁぁん興奮しゅる!!!
以上、球磨川リバイバルトレイルは川辺川コースにエントリーして、ハードモードに勝手に挑戦すると面白いかもよという話でした。次回大会エントリーの際にご検討くださいw