OSJ KAMI100
走ってきま……したが完走できませんでした。ぎゃふん!
動機
今年3月と5月に100kmのトレイルレースでのDNFをやらかしまして。今年のうちにどうしても100kmクラスに再挑戦し、乗り越えたい思いで目を付けたのがOSJ KAMI100でした。
かねてよりOSJシリーズに一度は参加してみたいとも思ってて、だけど地理的に難しいレースばかり。なので、開催地のなかでも一番西寄りの(それでも兵庫県w)KAMI100ならどうにか!と。ブランドへの関心もエントリーを決めた理由になりました。
目標設定
一周37km 2000m+弱のコースを3周するのが100K部門で、2周目終了15.5時間、3周目完走25時間の制限時間が設定してあります。これがわたしの走力レベルだとまあまあ厳しい。いつもみたいに最後尾からふわっとスタートし、登りは全部歩いて~~なんてやってると到底間に合いません。
だけどこの設定で100Kクラスを完走できるようにならないと他で通用しない。より大きなボリュームに挑戦することもできないのが現実です。2021年、22年開催分のリザルトを読み込んで、ラップタイムのボーダーラインを引いてみたA設定はこのくらいでした。
ループものの100マイルレースで有名なKOUMI100のリザルトを読み込むと、2周目と1周目の比率、L2/1の中央値が115%くらいです(きんぴら調べ)。それと比べると表のL2/1=131%というのはL1が早すぎまたはL2が遅すぎるような気も。要するにKAMI100はレース全体の傾向として突っ込みすぎなのかも。
ラップタイム比をL2/1=115%、L3/1=140%と仮定したらB設定を考えてみました。
うーん。A設定もB設定も、エイドでの段取り替えの誤差内かな。なので「6時間半で1周目を終えて7時間以内に2周目に入る」ことをレース序盤の目標にセットしました。これ考えてたのが8月の話です。
「頑張り具合を一段階引き上げてコンフォートゾーンを抜け出す」ことを目標にしました。そのために峠走を毎週平日にいれたり、ショートレースをあらためて走ったりしてKAMI100にアプローチしたというわけです。
トレランポール
身体性以外のところで今回特徴的だったのは、KAMI100がポール使用OKだったこと。どうしても完走したいという気持ちから、レース中の選択肢を増やすためにトレランポールを購入しました。
山に入る時は積極的にポールを使う練習をしたほか、こちらの記事が凄く参考になったので紹介します。「ポールは姿勢を正すための道具」だという教え方がすごくしっくりきました。
長い距離を走ると膝の古傷が痛みがちなんだけど、ポールを使っているとそれがしばらく先延ばしにできる実感があります。「脚が持つ」ってそういうことよね。
テントとか天気とか
KAMI100はデポジットを会場に設営する持参のテントで管理できます。誘い合わせて参加した米子の友人けんちゃんにテントを段取りしてもらいました。おかげで十二分な準備を持ち込んでレースに臨むことができてほんと有難かったな。OSJシリーズらしくループものの楽しみ方を満喫できました。
場所が確保できていたこともあって、球磨川と阿蘇での失敗を繰り返したくなかったわたしは安全サイドで準備をしました。おかげでTシャツを着替えたり防寒着を調整したりライト類のバッテリーを入れ替えたり、快適にレースに挑戦できた。
一方で選択肢を増やし過ぎてエイドストップが長くなった側面も。今後に繋げるために、使わなかったものが何だったのか整理しとかないとですね。
ほんの10分ほど雨が降った以外は曇り~晴れの恵まれたトレラン日和。爆弾?低気圧直前にとどいた暑さ以外は問題にならなかった。むしろ昼夜の寒暖差が小さくて、夜間に気温が下がり過ぎなくて助かりました。
結果
こんな感じで3周目にレースを止めてしまい完走できませんでした。3周目に入ったときの経過時間が15時間15分、時刻では日付が変わったばかりの0時15分。計画に対して2%しかずれてないしめちゃめちゃ元気だったし脚の余裕もあった。野間峠から瀞川山手前までアルペンロードの脇を通る岩尾根が予想外にしんどかったけど、鉢伏山までの登りも兎和野高原から戻ってくるいやらしい登りもこなせた。難しい下りセクションは少ないし足場は悪くなくて走りやすい。
んだけど体調だけがいきなり全然だめになった。
お腹が苦しくて生唾ばっかり出て頭は痛いし呼吸は浅いし水ももう飲みたくない。あれーおかしいな何回もお腹を触って冷えてないか確認しながらここまできたのに~~と頭ぐるぐるさせながらループ序盤の鉢伏山をとぼとぼ登り、頂上手前のエイドでリタイアさせてもらいました。
振り返り
レースを辞めた後でしばらくして、ようやく「潰れる」ってこういうことなのかと考え始めることが出来ました。メディアやSNSで散々取り上げられていることを見聞きしたって実感には程遠いですね。自分で経験した途端、こんなにも思考が言葉が止まらない。こんなにもネガティブなのにこんなにも惹きつけられるわたしの黄金経験、読んでください聞いてください......!!
お湯飲んで粉飴ドリンク飲んでみて塩分取ってみて腹巻き巻いてみたけどすぐにコース復帰できる風じゃなくて、ダメだって分かってても横になっちゃって、すぐ後ろにスイーパーがもう来てるって聞いて、ああーって。友人には足を引っ張ったことを謝って先に行ってもらって(完走できてよかった…)、リタイアさせてもらったときに「成城石井のジンジャーエールってこういうときなのかな」とか「三周目に出る前に炭酸水にMAGMA溶かして飲んでみとけばよかったな」とか考えてたけど、総じて後手踏んでたのかな。話し相手になってくれるひと絶賛募集中です。わたしばっかり話すかもしれないけどw
2周目までは目標にオンタイムだったけど「100km走り続けられるペース」ではなかったのかも。ログを見る限りだと心拍数がまあまあ高かった。設定ペースに対する余裕度が足りてなかったんじゃないかなって。いつも通りで用意した補給量、消化吸収の感じの自己チェック、この辺にあまりおかしなところが見当たらなくて、あっ、2週間前のウルトラマラソn......
3周目(は5kmしか進めなかったけど)は熊本からの友人と一緒でした。ずっと気にかけてくれてたし励ましてくれてたしぎりぎりまで挑戦したかった。だけどそうすることを自分から手放してしまったことが悔しいです。「コンフォートゾーンを抜け出す」ことを目標に準備して、それができた。なのに、抜け出した先で頑張ることが出来なかった。実力不足だなー。KAMI100へのアプローチの振り返りも必要だけど、それはこれから先の機会に触れていくことにします。
いつかまたハチ北
完走できなかったけど、KAMI100良いレースでした。紅葉のトレイルは美しく、鉢伏山からの景色は山が幾重にも重なって遠くに来たことを実感させてくれる。他のOSJシリーズで聞いたように「コーラは3周目だけ」なんてことはなかったどころか、WSでもASでもお湯をもらえたし、手作りフードは美味しかったし、応援の声は夜中もずっと暖かかったです。
ハチ北スキー場のオフシーズン振興という位置づけでトレイルランニングを押し出しているということみたいでした。前泊の旅館の方が親切だったのもよかったし、最寄りのお風呂屋さんがこの週末だけ24時間営業してくれてたのは本当に助かりました。
また今回は、山陰の友人と誘い合わせて参加したことで新しい出会いがあったり、友人が応援に来てくれてたり。九州からより近いったって、松江からハチ北も3時間はかかるのに!改めてありがとう。
九州から出たっていつもと変わらない気持ちで走ることが出来るのは幸せなことよほんとに。
レースタイトルだけに囚われてリベンジだ宿題だと執着しないように心がけてるんだけど、ただ再訪したいっていう好意的な気持ちだけでまたハチ北のKAMI100を走りたいです。そのときこそは必ずやリベンジを~~(囚われの身)