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サンタクロースに会いに〜フィンランド食べもの紀行

 何年か前に、フィンランドに行きました。目的は「サンタクロースに会いにいく」小さい時からの夢だった。大人になって、やろうと思えば何でもできるようになったから、たくさんある夢のうちのひとつを叶えることにしたんです。

 寒いのが苦手なので、夏のフィンランドに向かいました。目的地は、サンタさんが普段お仕事をしている「サンタクロースオフィス」がある北極圏のまち・ロヴァニエミ。
 サンタさんはクリスマス以外の時は、オフィスに届く世界中の子どもたちからのお手紙を読んでお返事を送ったり、訪ねにくるお客さんとのごあいさつなどに大忙し。定年もなく、みんなのために働くおじいちゃん、すごいなぁ。

 成田空港を出発して、カタールで乗り換え、ヘルシンキについて、フィンランド鉄道(通称VR)で夜行列車で北へ。
 夏の北欧は白夜です。車窓から見る空は、いつまで経っても夜が来ない、薄暗く雲がかかったような、まさしく白い夜の空がいつまでも、どこまでも広く続いていました。

 ロヴァニエミについて、すぐにカフェに向かいました。機内食やおやつばっかり食べていたから、フレッシュなサラダを体が欲していました。メニューに「サーモンサラダ」と「地ビール」を見つけて、早速オーダー。サーモン、じゃがいも、野菜のワンプレートディッシュと、爽やかなビール、あぁ〜しあわせ。

 フィンランドにもバールがたくさんあって、ところによっては地ビール開発に力を入れているところもありました。日本のブルワリーレストランにもあるような、白・黄・赤・黒のビール飲み比べセットを出しているお店を見つけた時はうれしくなって飛び込みました(無類のビール好き)。ウェイトレスさんに激推しされるがままにいろいろ飲んで、千鳥足でホテルに帰った、と思います、覚えてないけど。
 でも、ビールの味わいは覚えています!白ビールは甘ったるいことはなく軽やか、黒ビールはじょうずに注がれたギネスビールのように喉越しがよく、黄色いビールはホップ香が心地よく、赤ビールは麦のロースト感が食欲をそそる。おいしかったなぁ、あぁ、ビール飲みたくなっちゃった。

 ロヴァニエミのまちの中心部で見つけたレンガ作りのバールに入った時に、地元に住むおじさんと仲良くなりました。
「キミは何を飲むの?ビールか、どれにする?これがおいしいよ、一緒に飲もう」お互い、流暢ではない英語で会話をしました。彼は、湖のほとりに家族で住んでいて、夏は釣りをしたり、家の傷んているところを直したり、冬の間に使う薪を集めたりしているそうです。
 時々、Facebookでおじさんの投稿を見ますが、毎度絵はがきのような大自然の写真が添付されています。先日の投稿では、雪で真っ白になったおうちと凍った湖の景色を見せてくれました。

 おじさんに会った翌日、サンタクロースオフィス行きのバスに乗ってサンタさんに会いに行きました。木造の建物の中を、《サンタクロースはこっち》の看板とランプの灯りを頼りに歩いていくと、プレゼントボックスがたくさんある部屋につきました。
 向こうに、妖精みたいな子たちと、サンタクロースがいる!駆け寄って、ハグ!わぁサンタさん、やっと会えた!たくさんの願いごとを受け取ってきたサンタさんのどこまでも深い懐に抱かれたことは、冥土の土産になりました。

 小さい頃、クリスマスイブの夜にサンタさんに会いたくて起きていたかったのに眠ってしまって、朝になって起きて、枕元に置かれたプレゼントにも目もくれず、お母さんに「サンタさんに会えなかった」と泣いて訴えたあの時の私に伝えたい、「サンタクロースはここであなたが来るのを待っててくれたんだよ」って。

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 今日も、最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
 サンタさんを取り巻く妖精さんの中には、日本語を話せる子もいました。「は〜い、写真撮影はこちらです、一枚から買えますよ、撮りまーす、はいチーズ!」営業上手な優秀な妖精だったなぁ。明日もフィンランドのお話、お付き合いいただけたら嬉しいです。
 それでは、また明日。


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