OPAMテルマエ展の思い出。「やっぱり別府温泉はおもしろい」。
もともと絵画が好きで美術館巡りが趣味ですが、ここ数年は落ち着いて美術館に足を運べていません。
でも、これだけはどうしても行っておきたいと思ったのが、2023年末~2024年始にかけて大分県立美術館で開催されたテルマエ展。
映画『テルマエ・ロマエ』は「ローマのお風呂」という意味なんだとか。
あの映画全編から醸し出される可笑しさは、どう考えても、洒落た湯布院でもしみじみとした黒川でもなく、別府の香りなんですよ。
別府の面白いところは、上品とか高尚とかとはあまり縁がなくて、なんかこう、人の営みがわちゃわちゃしてるというか猥雑というか。
上半身裸で楊柳のステテコを履いたおいさんが洗面器を抱えて、朝っぱらからゆたーと歩いていたり、頭にタオルを巻いてアッパッパーを着た熟女がシャンプーやリンスを入れたバスケットを手に、真昼間に歩いていたりする町なんですよ。
で、テルマエ・ロマエの世界観と相通じるところがあるなって、私は思うのです。思っていたらOPAMでテルマエ展をやるという。
ドンピシャな感じがしてお正月早々行ってきました。
映画で描かれていたようなローマの実物大のお風呂やサウナを模した部屋なんかもそれなりには面白かったけど、私が興味を惹かれたのはお風呂屋さんのミニチュアと別府温泉の全貌を描いた左右に長い一枚の古地図です。
ミニチュアのリアルさに感心しながら見て回った最後の最後、展示会場の一番最後の出口付近に飾ってあった古地図に思わず足を止めました。
この古地図の前で何十分時間を過ごしたか・・・実在の地名なんだけど、全部一枚に入れちゃうんだ・・・参りました。
昔の人は想像力を書きたてるようなユーモアで人々を魅了したんですね、などとひとりごち、すっかり魅了された私。
この別府という町、なかなかオツです。