適材適所が一番大事
石井妙子さんの魂を撮ろう ユージン・スミスとアイリーンの水俣を読む。
世界的な写真家のユージンスミスとその妻アイリーンの話なのだが、序盤からアイリーンの生い立ちの話が続く。
アイリーンの祖父の代から歴史が始まってなかなかアイリーンが出てこない。たしかに興味深い一家ではあるが、アイリーンとユージンスミスの話が読みたいので肩透かし感は否めない。
しかし、ユージンスミスに視点が移るとグッと興味を惹かれ、読むペースも自ずと速まる。
写真家としてチャンスを掴むも、不安定な母親に振り回され、自身も不安定になるユージンスミス。自殺未遂するほどに心の安定を失った時期もあった。
その後、第二次世界大戦に従軍し、兵士以上に前線に突っ込んでいく。
生にも執着せず、良い写真が取れれば命も惜しくないように見せる姿は狂気も感じる。
ここからどう水俣につながっていくのか気になる。
昼に見たザノンフィクションは、秋山木工という家具屋に丁稚奉公する青年たちの話。
短期間だけどメキメキと頭角を表す松下晴くんが印象に残る。
身体の弱い母親を気遣い、仲睦まじい様子がよい。ユージンスミスとは正反対の関係だな。
もう一人、不登校を経験した25歳くらいの彼も気になる。
不器用そうだけど、密着の間は続けていたのが素晴らしい。
でも、やはり向き不向きはあるから、1つのことにとらわれるのでなく、20代のうちはいろいろと挑戦して、自分にしっくりする仕事を探すのも悪くない気がする。