この時代におけるエンプロイアビリティの形成とQWLの両立は可能なのか
今回は、人的資材管理について。
私が入社したころから(当時45人くらいだったので)こういうのが積み重なっていまの会社ができていて、みんなが気持ちよく働けているんだなと思ったので、すごく有り難い気持ちになりました。管理部門の方々、いつもありがとうございます(合掌)。
さて今回は範囲が広いので、以下について感じたことをまとめようと思います。これまでの流れと同様にキャリアの話に寄っていますが、若手の働き方を考える機会とこのへんの本を読むペースが同じなので……。
1. 能力開発における問題点
2. 最近聞いたエンプロイアビリティ形成の困難話
3. 時短推進の働き方においてエンプロイアビリティの形成とQWLは両立できるのか
では順番に。
1. 能力開発の問題点
1990年ころから経営環境の変化により、長期雇用を前提とした経営では機能しなくなり始めました。一企業内でのみ通用する企業特殊能力を開発するだけでは従業員を企業に惹きつけられなくなってきたときに、注目され始めたのが「エンプロイアビリティ(の形成)」と呼ばれるものです。
以下、「入門 人的資材管理 第二版」からの引用。
簡単にいえば、転職に必要な能力を高めるということである。それはすなわち、もし在籍している企業側の事情によって、将来そこでの雇用が保証されなくなっても、他の企業に採用されるだけの十分な能力を持ち合わせていれば、雇用機会は見つかるだろうという考え方である。
日本におけるエンプロイアビリティの概念には、従業員の注意を外部に向け、従業員が市場における自らの労働者としての価値を高めようとするとう意味に加え、企業が長期継続雇用を必ずしも否定しているわけではなく、また教育・訓練に関する責任のすべてを個人に負わせるわけではないとう意味が込められている。
とはいえ、企業主導の「能力開発」とは異なるため業務や外部の講座などでコツコツ身につけるしかなく(?)、自律的に身につけたところで(惹きつけるどころか)隣の芝生が青く見えた瞬間、転職する可能性はおのずと上がりますよね。それを食い止めることができるのがカルチャーだったりもすると思うけれど、それに気づけるのは実際に隣の芝生に行ってみてからかもしれない(遅い)。
2. 最近聞いたエンプロイアビリティ形成の困難話
実際に、最近「プロデューサー(営業?)」職がどうもエンプロイアビリティが形成しづらいという話を聞きました。
調整していると一日が終わる私の仕事も、形成されているのかされていないのか分からなくなることも多いのですが、どうなんでしょう? 専門職などはエンプロイアビリティを形成しやすいと思われる一方で、営業やプロデューサーはどうしたら胸をはって(形成された状態で)仕事ができる、自信がつくのか、疑問です。
3. 時短推進の働き方においてエンプロイアビリティの形成とQWLは両立できるのか
こんなことを考えていると、ふと以下のnoteを思い出しました。
一言でいうと「他人より圧倒的に量をこなさないと一流になれないが、それがこの環境だとできない」という内容でしたね。
エンプロイアビリティではなく、もはやただの「アビリティ」でよければ、業務とは異なる機会で身につけたものを副業などでトライ&エラーすればどうにかなるかも、とも思いますが、そうなるともはや気持ちをどう整理すればいいのか分からないな~とも思います。
同書の「個人のキャリア感の変化」で書かれていた以下のように、この働き方においてQWLを担保し、さらにエンプロイアビリティ(もしくはアビリティ)を形成し、いつかのライフステージの変化(準備~結婚~出産~子育て~介護)を迎えることなんて、本当にできるの? 私は本当にそこまでしたいの? とまたキャリア思春期のループにハマってしまいそう。
企業側には労働生活の質(Quality of Working Life:QWL)として、これまでのような仕事内容の充実に着目するだけでなく、仕事以外の生活や個人的要因など広い意味でのキャリアの質をも考慮することが求められ始めているといえるだろう。
今回はこのへんで。