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空は広く、青い。

さて、今回読んだ本はこちら。

所感は、よくもまぁこんなに載せましたね掲載許可とるの大変だったでしょう、という。
いろいろな企業の事業や経営だけでなくちょっとした実情も分かるので、そういう点では面白いかもしれません。

G企業からしっかり学べよ

この書籍では著者により「21世紀の成長企業ランキング」が100社公開されており、その企業をG企業と呼んでいます。そのG企業に共通してみられるポイントがいくつかありました。

1)スマート・リーン
書籍の中で何度も語られる「スマート・リーン」。「高品質(=スマート)を安く(=リーン)」という意味で、分かりやすいところだとファーストリテイリング(ユニクロ)が該当します。
東レと提携し(正確には「戦略的パートナーシップ」を構築)開発している「ヒートテック」や「ウルトラライトダウン」は誰もが認める高品質であり、手に取りやすい商品だけでなくファブレス(工場を持たないメーカー)であることから経営もリーンですよ、と。

少し脱線しますが、ファーストリテイリングの事例ではここが好きでした。柳井さんが「戦略的パートナーシップ」と発表した決意、というかアライアンスを組む上での覚悟のようなものを感じる部分。

「東レとユニクロは“バーチャルカンパニー”として一体となっている。いわば結婚したようなものです」

2)二律背反を超えよ
G企業と比較して日本企業に足りないのは「堅牢性(クオリティ企業)」と「変容性(オポチュニティ企業)」の二律背反を超えること。

本当に優れた会社とは、「しつこさ」「こだわり」のような軸を持ち(堅牢性)、「身軽さ」「融通無碍」としてどんどん新たな機会を求め変化し取り込む(変容性)ように両方を兼ね備えた企業です。
日本ではこだわりを持ち続ける「堅牢性」の企業が多いため、その二律背反を超えてこそG企業となる可能性があるのでは、と。

3)いかに軸を持ち続け、ズラせるか
さらに、書籍では前述したG企業の要件を「LEAPモデル」としてフレームワークに落としています。
詳細は割愛しますが、Lの「Lean」、Eの「Edge」、Aの「Addictive」、Pの「Purpose」はどれも静的な軸となり、いかに「Leverage」、「Extension」、「Adaptive」、「Pivot」として動的にズラせるか。

軸足をおきながら、世の中や競合の変化に機敏に対応しながらビジネスモデル、コア・コンピタンス、企業DNA、志の枠で一歩を踏み出すことがポイントでした。

LEAPモデルを活かすためにできること

書籍を読み進めるなかで感じた、どの企業もCSV掲げてるなぁネスレ徹底してるけど実際のロジックどうなんかなとか、アリババのpurposeは若手の心を掴んでるスゲェみたいなの置いておいて、LEAPモデルを私個人に落としたときにできることはこのあたりでしょうか……?

1)大義はスタッフに落ちてるか?
書籍の後半にも書かれている「自社が目指すものを明確にすることから始めます」という部分。

インターナルコミュニケーションとして考えると、スタッフに刷り込んでいく(ちょっと宗教っぽいところがやっぱり否めないけど)ことはやっぱり大切かなと。
正直、若手のときはpurposeを「ふーん」程度にしか思っていなかったので、きれいごととスルーせず、明文化するだけでなく「我々は何者で、何を目指すのか?」を深掘りをすること。スタッフと深く擦り合わせるためには何をするべきか考え続ける必要がありますよね。

2)埃、かぶってない?
採用でも広報でも「Edge」を訴求する場面は非常に多いので、自社独自の「Edge」をきちんと要素分解し、磨き続け、必要に応じてズラす必要があることを再確認しました。

既に実行していることでもありますが、改めて。

結局、組織力論?

上記の書籍とは異なりますが、改めて読んだ本に書かれていたことを忘れないようにメモ。

保有している経営資源に価値があっても希少でなければ、他社と同等にしかなりえない。希少であれば、少なくとも優位性は得られるが、模範が容易であれば、その優位性は一時的なものとなる。模範が困難であれば、基本的にはその優位性は持続する。ただし、これらはすべて資源を上手く活用する組織がなければ根本から崩れる。