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伴奏者?共演者?ピアノ弾きのお仕事 Collaborative Pianist

こんにちは。
ドイツ在住ピアノ弾き
管楽器コレペティトールのきもらです。

前回、前置きとして
ピアニストは
ソリストは実は少数で
それ以外の仕事も選択できるんだよー
と書きました。(詳細はこちら↓)

https://note.com/kimora_de/n/nbaf0e8d6879e

今回はピアノ弾きのお仕事のうち

Collaborative Pianist
コラボレーティブ•ピアニスト

をご紹介しようと思います。

まだまだ日本では
聴き馴染みのない職業!?
と思われがちですが
捉える意識が違うだけで
接したことのある方も
多いと思いますよ!!!

ざっくり言いましょう。

伴奏を専門にする人

のことです。

ではなぜカタカナの
長ったらしい名前なのか。

そもそも伴奏について
Wikipedia先生には
こう書いてありました

西洋音楽で使われる音楽用語で、主たる旋律を演奏する単数または複数の歌手や演奏者に対し、副次的な演奏をすること。

また別の辞書には

楽曲の主旋律や主声部を支え引き立てるために、他の楽器で補助的に演奏すること。また、その演奏。
——goo 辞書より

と書いてありました。

ちょっとまった!!!

たしかに支え引き立たせるという
補助的役割は多くを占めます。

でもよく考えてみましょう。
本当に補助してるだけ?

リサイタルや
コンクールなどで演奏される

バイオリンソナタや
チェロソナタ
クラリネットソナタ
歌曲 etc......

これらって本当に
バイオリンや
チェロ
クラリネット
歌手

のためだけに書いてあるのでしょうか
よくよく題名見てみましょう

Sonata for Violin and Piano
Sonata for Cello and Piano

とか、書いてませんか?
そう、ソナタや歌曲は室内楽曲。
主役は楽器の人だけではなく
ピアノも同等に主役なのです。
決して引き立て役ではなく
ソリストとピアノが
対等な立場にあります。
トリオ以上の室内楽も言わずもがな。

ハイハイ室内楽はそうでしょうね
と思われる方もいるかと思います。

ではコンチェルトやオペラは?

コンチェルト、オペラやオラトリオは
たしかにピアノのために
書かれていません。
ソリスト、歌手+オーケストラ
で基本書かれています。
なので伴奏という言い方で
間違いはないでしょう。

でもレッスンで
リサイタルやコンクールで
もしピアニストなしで
演奏したとしたら…?
完成された音楽として
演奏できるでしょうか。
伴奏者がいたとしても
伴奏者がただただ音を弾いて
それに合わせて演奏して
果たして素晴らしい音楽が
生まれるでしょうか?

伴奏者は伴奏を
ただ弾いているのではなく
ソリストと共に音楽を奏でている
のです

つまり伴奏者は
舞台上においてソリストの

アシスタントであるだけではなく

共に立ち向かう”戦友” なのです

1人だと思っていた舞台上で
誰かが一緒に戦ってくれるって
ものすごく心強くないですか?

そしてそこには相互に

音楽家として認め
リスペクト

があって然るべき
というのが

Collaborative Pianist
コラボレーティブ•ピアニスト

伴奏ではなく
共に作り上げていくピアニスト

なのです。

元々はアメリカで生まれたこの職業
日本でもちらほら
コラボレーティブピアニスト
と名乗る方もいらっしゃるみたいです

もちろん
コラボレーティブピアニスト
になるためには

幅広い知識や
伴奏技術
アンサンブル能力
共演者との意思疎通

などといった様々な技術が必要です。

けれどその苦労にも代えがたい
共に音楽を作り上げる喜びや、
演奏の中での対話の心地よさなど
ソロの演奏では得られないものも多く
またその経験が
ソロを演奏する上でも
非常に役立つようにもなります。

アメリカでは
コラボレーティブピアニストを
教育するプログラムが
どんどん増えているようです

大事な試験やコンクールでは
ソロのピアニストではなく
きちんとアンサンブルの勉強した
コラボレーティブピアニストに
頼むことが普通になってきているとか

ちなみに私も
ドイツのマンハイム音楽大学大学院で
Collaborative Piano
を学ばせていただきました。
ヨーロッパでは
もう少し細分化されているので
(次回かきますね)
Collaborative Pianoという科は
まだ少ないですが
きっとこれから増えるのかな?
とも思います。

日本でも
伴奏科のある大学院も
増えてきていますが、
単なる伴奏者としての育成ではなく

共に作り上げる Collaboration

という考え方で
ピアニスト側も
ソリスト側も
互いにリスペクトを持って
発展していくといいなあ
と思います。

思ったよりも
長くなってしまいましたが…
次回はいよいよ

Korrepetitor
コレペティトール

について書いていきたいと思います。
ここまで読んでくださった方
ありがとうございます♪

それではまた次回!

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