【私が着物の先生になったワケ④】
着物の沼の正体、闇部分
「着付け教室に行くと高価な着物を買わされるのではないか」
これって一般的な見解なのでしょうかね?
第3話のところでも少し触れましたが、ビジネスとして考えるとこれはターゲット層がそこにいる限り必然なところがあります。
呉服屋さんってちょっと特殊なビジネス形態で成り立ってきたご商売なので、催事とか展示会とかでお客様に買ってもらうという部分が大きいようです。
昔の日本人は着物が普段着でしたから、「着付け教室」なんてものは存在しなかったわけで、洋服が当たり前になり、着物を自分で着られる人が少なくなってから「着付け教室」が生まれたわけです。
そうなると、着付け教室に通う人=着物を着る人=ターゲット層なわけで
着物を着られるようになって、着物を着ることが楽しくなっている人
と、
着物を買ってもらいたい人
の両方がWinwinになる関係が成立するのが、「着付け教室」ということになっていったのは当然でしょう。
ただ、、、
まだ今ほどこういった商売のリテラシーがまかり通っていなかった頃は、
着物を勧める
↓
囲み営業
↓
買うというまで帰してもらえない
ということが結構多かったのです。
また、着物は高額なため
ローンを組ませて買ってもらう
もまかり通っており、「着物ローン地獄」に陥っている人は少なくありませんでした。
* * *
第3話で書きましたが、先生になる条件の一つに「着物を買うこと」がありました。明確にそれが条件だったわけではありませんが、ほぼほぼ暗黙の了解であったといっていいでしょう。
私はそれまで着物を買うことにかなりの抵抗をしていたため、1級の試験に通らない限り、先生になることはないわけです。
先生になるには、ある程度生徒さんに語れる着物を持っている必要もありましたし(これも暗黙の了解)、年1回の式典では講師は全員色留袖を着なければいけなかったため、色留袖も買わないといけませんでした。
他にもいろいろと先生になるならそろえなければいけないもの、というものがあり、それもそこの学院で買ったものでないといけない(これも暗黙の了解ね)というような条件がありました。
これらを一通り購入して、それで先生にはさせられません、となってしまっては元も子もないというようなことを訴えたような記憶があります。
そして、先生にするから最低限のものは買うように、となった(もっとオブラートに包まれてますよ)のでした。
そこで、最低限のものをすべて購入し、「先生」になったわけです。
* * *
「着物の沼」
先生になってからも、「買え」という同調圧力はかなりありましたし(笑)、生徒さんが買わないと申し訳なくて自分が買うという先生もいました。
働いても働いても、稼ぎはすべて着物のローンで消えていく・・・ほとんどの先生の実態はそんな感じだったと思います。
ファイナンシャルリテラシーゼロの主婦
今、お金の勉強を一からした私から見ると、当時の私のリテラシーの無さに唖然とします。自分だけではなく、周りの先生たちも全員お金のリテラシーゼロでしたよ、本当に。
〇定期預金を崩す
〇保険の満期を使う
〇親からもらった「いざという時のために」と渡されていたお金を使う
〇子供のために貯めていたお金を使う
あり得ません、本当に💦
お金の不安は常に常に常にあり、不安しかない。そういう精神状態でした。
そして、他の先生もみ~んなそうで、展示会のたびに「買いたいけどお金が・・・」と悩んでいる先生だらけでした。
* * *
今、私の手元にあるお着物たち、私は見て嫌な思いのする着物や帯は一枚もありません。すべて自分で納得して買ったものなので、どれも宝物です。が、一番最初の「囲まれて帰してもらえなくて買った=買わされた感のある着物」に関しては、少しだけ心が痛みます😭。その着物が嫌いなわけではないですが、痛みがあるのです。それって、着物もかわいそうですよね💦。Winwinじゃないですよね。
今、私の着物たちをYouTube動画であげています。語れる着物たちはとっても楽しいのですが、リサイクルで何千円とかで買った着物には何の愛着もなく、そういうものなんだな~と感じています。
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