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着物で感じる自分らしさ:洋服にはない魅力

はじめに

日常生活で私たちは主に洋服を着ていますが、着物を纏うことで感じる特別な自信と自分らしさは、他では味わえないものです。現代では着物は「特別な日」に着ることが一般的になっていますが、本来着物は「着る物」、いつでも着られる日常の装いとしての存在であるべきです。
この記事では、私が着物を着ることで感じた自分らしさと、洋服にはない魅力についてご紹介します。

コーディネートを考える楽しさ

着物のコーディネートを考える時間は、私にとって非常に楽しく、創造力が刺激されるひとときです。どこに着ていくか、どの着物を選ぶか、どの帯を合わせるか、そしてどんな小物を使うか――季節や行事に合わせてこれらを組み合わせることで、着物を着る喜びがさらに増します。特に、着物をワードローブに加えることで、色、柄、素材の組み合わせによって数多くの選択肢が生まれ、他の人と被らないスタイルを楽しむことができるのが魅力です。

「着ていく場所がない」と思うことはありません。着付け教室や美術館・博物館へのお出かけ、旅先でのひとときなど、着物を着る機会は意外と多くあります。

着物を着るプロセスの楽しさ

着物を着るとき、私はその一つひとつの手順を楽しんでいます。特に、腰紐や帯を締める瞬間には、身体が整う感覚があり、心を静かにし、自然と姿勢が正されるのを感じます。このプロセス全てが、単に洋服を着る以上の価値を持っているのです。

着付けの基本手順は変わりません。毎回同じ順序で着付けを進めることで、日常の忙しさや不安を一時的に忘れ、自分自身に集中できるのです。もし心が落ち着いていないと、着物の着姿がなんとなく決まらず、満足のいく仕上がりにはなりません。着物を着ることで、自分の心の状態が着姿に反映されるのを感じる瞬間でもあります。

この一連の動作が、私にとっては単なる服を着ること以上の意味を持ちます。毎回、同じ手順を繰り返しながらも、その時々の自分の内面と向き合い、日常の喧騒から離れ、心の静寂を取り戻すための貴重な時間となっています。週末に着物を着ることは、精神的なリセットボタンのような役割を果たしてくれます。

洋服と着物の違い:選択肢と心の豊かさ

洋服を選ぶ際、「この服が着たい!」と思うものになかなか出会えません。妥協して「この服ならそこそこに見えるだろう」といった選び方をすることが多く、正直なところ着たい洋服はありません。一方で、着物に関しては逆です。「あれが着たい」「これと組み合わせたい」と思う着物が数多くあり、毎回新しい発見や楽しさがあります。着物をワードローブに加えることで、ファッションの選択肢が劇的に広がり、より自分らしいスタイルを楽しめるようになります。

また、着物は体に沿わせることで体型に合った着こなしができる点も大きな魅力です。その日その日の自分の身体に着付けで合わせることによって、洋服では得られない特別なフィット感を味わえます。また、同じ着物であっても衣紋の抜き方や衿合わせなどで印象を変化させることもできます。このフィット感や印象変化が、自分らしさを引き立てる要因の一つとなっています。

洋服はもちろん機能的で便利ですが、洋服で褒められる場面はあまり多くありません。褒められたとしても、お世辞として流してしまうことが多いです。しかし、着物を着ると「素敵ね」「似合っている」と褒められることが多く、その言葉を素直に受け取ることができます。自分が本当に着たいものを着て、その上で人の言葉を素直に受け止められることは、普段よりも心が豊かになると感じます。

着物を着せる楽しさ

自分で着物を着られるようになると、着付け教室を卒業する方が多いようですが、私は「着る手順が好きなら他装も楽しめるかもしれない」と思い、他装のクラスに進みました。

現代では、着物を自分で着られる人や、他の人に着物を着せられる人が少なくなっています。そのため、他装を習得することによって、日本の伝統文化を継承しているという実感が強まります。特に振袖を着せる際には、そのお嬢様の雰囲気や個性に合わせて最適な「カワイイ」を創り上げる楽しさがあります。振袖や帯の柄や色に合わせたコーディネートで、その人の個性を引き出し、特別な装いを演出することができるのです。

さらに、着物を着せた際に「ありがとうございます」と感謝されると、心から嬉しい気持ちになります。自分の技術やセンスが他の人に喜びを与える瞬間は、着物を着せる仕事の醍醐味であり、大きな達成感を感じます。

着物を通じて広がる世界

着物は、ただの衣服ではなく、その一つひとつの柄や色、素材には深い歴史や文化、職人の技術が詰まっています。それらに触れることで、私は自分の内側にある感性や価値観が豊かになり、日常生活に新たな視点を持つことができるようになりました。特に、着物を纏うことでファッションの選択肢が広がり、洋服にはない多様なスタイルが楽しめるようになります。

また、着物を纏うことは、自己表現の手段としても非常に豊かなものです。着物の選び方やコーディネートによって、その日の気分や個性を反映させることができるのです。たとえば、ある日は粋な縞や格子の着物で心の内面の強さを表現したり、落ち着いた色合いで心を静かに整えたり、華やかな模様の着物を纏い、自分を前向きに鼓舞することもできます。

このように、着物を着ることは、四季の変化や日々の自分の心の状態に意識を向ける習慣を育ててくれます。

おわりに

洋服と着物は、それぞれ異なる魅力があります。洋服が私たちの日常生活を快適で機能的にしてくれる一方で、着物を通じて感じる特別な時間や体験は、洋服を選ぶときにはなかなか得られないものです。

着物を着ることで、自分自身の内面に意識を向け、新たな魅力や感性を発見する機会が生まれます。着物は人と被らないスタイルを楽しめるため、ファッションの選択肢を無限に広げてくれます。着物がもたらす「特別感」は、人生に深みを与えてくれます。ぜひ、あなたも着物を通じて自分の心と向き合い、日常に新たな彩りを加えてみてください。

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