中古(USED)着物を探してて困る事にできる限り答えてみる・・かな?

 皆さま、中古着物探ししてますか(*'▽')。
 楽しいですよね~。
 最近はだいぶ目減りした感もありますが、それでもまだまだ数があります。

 そんな中、探すにあたり困ったこととか、ありますよね?
 中古着物屋とかで働いていると色々と相談受けたりしました。
 その時に多かった相談について書いていこうかと。
 これ、知っておかないと時間が無駄だったりするものや、あまりに店員とかにしつこく聞くと、嫌がられるものなんてあります。
 効率的に着物を探す際の目安として見ていただけたら幸いです。


1 身長高めの着物

 ・女性の着物
 まず、中古着物のサイズで多いものは着丈145~155cm程度。
 女性はおはしょりが必要なため、着物の丈=身長+5cmで考えます。
 つまり、身長150cmの人は155cmの着丈の着物を探さなければなりません。
 なお、売る側は、できるだけ売りたいため+3~-3cmぐらいまではOKとしたりしますが、着付けされる先生側から言えば「やっぱ+5cmないと着付けしづらいね~」って言うケースが多いです。
 なので、できれば+5cm、少なくても+3cmを目安に探します。

 なぜそのあたりの丈が主流なのか・・については長くなるので今回は割愛しますが、着丈が160cmあたりは訪問着、付下げ、黒留袖あたりにはまだよく見かけます。
 ですが165cm以上の着丈になると、振袖以外はそうそう見かけません。

 ということは、身長162~3cm以上の方の着物はほとんど手に入りません。
 なので、だいたいは仕方ないので着丈=身長で我慢してもらうことになります(おはしょりがちょこっとしか作れないんですよね)。

 で、よく聞かれるのは「身長高いのいつ手に入りますか?」です。
 これ、本当にわかりません。
 私は佐賀県にある問屋さんに顏出してましたが、そこは九州でもトップの品ぞろえを誇っている問屋です。
 そこで中古を探しても、そういった着丈のものは本当に見つかりません。
 また買取もかなりの件数、お伺いしてますが、300件に1件ぐらい168cmとかの着丈があればラッキーかな?って感覚でした。

 そして、探している方も多いので、そういうのが出たら取り合いです。
 ということは、売れるとわかっているので、お値段も他のものより高めになる傾向にあります。
 なので振袖以外で168cmとかの着丈のものを見かけたら「超ラッキー」と思っておいてください。
 (あ、浴衣は着丈の長いものがありますが、既製品に多く見られます)。


 
 
 ・男性の着物
 男性も、着物がよく作られた時代が時代なので着丈128~140cmあたりがもっとも多く見かけます。
 男性はおはしょりはせずそのまま着るので、目安としては身長-25~30cmを考えます。
 つまり130cmであれば160cmの方まで着られるという感じです。
※ただし、男性は体格で結構着丈が変わりますので、あくまで目安として考えてください。
 なお、-20cmで考えると、くるぶしの下ぐらいまで裾が着ます。
 そうなるとどちらかと言うと「歌のお師匠さん笑」みたいなイメージになります。
 逆に-30cmぐらいだとほとんどはくるぶしより少し上に来ると思います。
 短くなると「アクテイブ」な印象になりますので、自分の好みにあった着丈を探してください。と、少し話をそれましたが、つまり男性は170cm前後の方はまだ見つかりますが、それ以上になると「既製品」が主体になります。
 絹とか麻ではなくポリエステルの着物が多いです。
 そちらだとLLサイズまであるので180cm付近までは着られます。
 で、既製品以外では・・・まず見かけません。
 たま~に出てはきますが、そのほとんどは「藍大島の亀甲紋様」かウールの着物が大半です。
 それ以外ではまず見かけませんし、その藍大島とウールですら、なかなか見かけません。
 その数は女性よりも少ないと見てよいでしょう。
 なので身長高くて着物欲しい方は既製品を狙うか仕立てたほうが早いです。


2 変わった色

 これは男性、女性に限らずですが、たとえば薄い緑色の色無地や、白大島などは少ないです。

 たとえば、色無地の薄緑とか、薄黄色とかはあまり数がありません。
 その理由はいくつかあります。

 ・普通に数が少ない色は当時でも「色々な場面で着物が必要な方」が仕立てる傾向にあり、そういった方は着物をとにかく着ていきます。なので中古ではもう着用に向かないぐらい汚れているものが多い。
 ・当時の着物が必要な方というのは、お茶や習い事で必要な方が主です。そういった方は人数的に少ないため、もともとの生産量が少ない。
 ・色が薄いものはヤケ、ヨゴレが特にわかりやすいため、着用に向かない状態で残っているものが多い。

 あたりです。
 おおよそ、ある程度着物を買い漁った方が次に欲しくなる色あたりはほとんど上記に含まれる恐れがあります。
 同じ流れなんですよ。
 着物がガチで欲しい方がある程度、着物が集まってから欲しくなる色は、同じく着物をガチで欲しい方が買うわけですから、着用回数も他の中古に比べ、多くなり、着用回数が多ければ、それだけくたびれているわけですね。

 なお、女性よりも男性のほうが圧倒的に当時、着物が必要だった方が少ないので、男性はより少ないと見てください。


3 クリーニングはしてあるのか?

 これは〇ロナウィルス騒ぎ以降、聞いてくる人が多くなりました。
 はっきり言って「ほとんど無いでしょう」です。
 まず、着物は洗えば洗うほどくったくたになります。
 最初にピンッっとしているのは、ノリが効いているからです。
 なので、洗えば洗うほど、くったくたになるので、洗わない傾向にあります。
 (また洗い張りなどをすればピンとしますが、まあ、お値段がね・・)

 また、洗うにも費用が高額です。
 たとえば着物を100円で仕入れても、それをクリーニングして販売する場合、安~い所の適当な洗いでも3000円ぐらいします。
 ということはその時点で3100円、これに人件費、その他もろもろを含めて売ろうとしたら普通でだいたい12000円前後、安くて6000円前後になるでしょう。
 今、中古着物の売れている理由の大半が「安いから」のはずです。
 それに中古着物求めてくる人の7割は「3000円~5000円が目安」です。
 
 クリーニングまで出していたら手間も合わせてわりに合わないわけですね。
 まあ、良心的なところでせいぜい「アイロンがけ」してくれているぐらいだと思ってて良いです。

 (まあ、ファブリースして陰干ししているところは見たことあります。まだ良心的なほうですが、うまくやらないと着物に輪ジミできる可能性があるので注意しましょう)。


4 横幅が大きい着物ないですか?

 これも身長が高い着物と同じぐらい聞かれます。
 訪問着や黒留袖等のものは結構あります(まあ限度にもよりますが)。
 つまり、礼装とか準礼装に使用する着物は着物が売れなくなったあともお祝い事などの時に新調するケースがあるので比較的、大きめのものは出回っています。
 ただ、紬とか、小紋とかになると、数は圧倒的に減ります。
 なので、あまりにふくよかな方は仕立てないと無理な事が多いです。
 ほんとにふくよかな方の場合、高身長に合う着丈探すよりもかなり困難になります。
 昔の方は細かったから、基本的にあまりに横幅のある着物は少ないんですね。中古市場ですから。

5 中古の草履で安く済ませたい。

 草履って、礼装とかになると高いですよね?
 なので中古で探している人を多く見かけます。
 
 が、やめておきましょう。
 中古の草履を扱っているところも結構あるようですが、はっきり言って「安い」だけです。
 たとえ、使用せず保管されたものを買い取って置いてあったとしても、やめましょう。
 保管状況にもよりますが、ほとんどの草履は5年程度で壊れます。
 これが厄介なのが、手で引っ張っても壊れないから・・・と履いていくと・・・足の力のほうが何倍も強いため、1時間程度で壊れます。
 鼻緒が大丈夫でも、草履の縫い目がバコっと割れたりします。
 時間が経過していると、縫い目の糸やボンドがもろくなっていて、壊れやすいんですね~。
 なので、年数を過ぎた草履が壊れなかったほうが「ラッキー」なんですね。

 まだ、未使用で保管したものは確立的に壊れづらいですが、一回でも履いて年数が過ぎたものは、本当に壊れやすいです。

 ※なお、問屋ですら、置いていた草履が販売後、すぐ壊れた!とかあるんですから・・・年数が過ぎた草履は用心しましょう。。

6 ネットで購入したけど、色合いが写真と全然違う!

 これ、よく聞きます。
 お店で接客していると、聞く話です。
 でも、これを納得しておかないと、ネットで探す楽しみが減るかもしれませんので、ちょっと書いておきます。

 まず、スマホのメーカー、PCモニター、タブレットなど、今ではいろんなものがありますが、これらは色などの対応がマチマチです。
 使われているモニターのパネル(液晶とか有機ELとか)で変わりますし、カラープロファイルの調整などでもかなり変わります。

 あと、安めのデジタルカメラで撮影したものなどはさらに色味が変わる傾向が強い気がします。

 もっとわかりやすく説明すると、
 たとえばiPhoneとiPhoneは型があまり離れなければそこまで写真の色味に差がでませんが、アンドロイドだと、適用しているスマホ製造会社が多数存在するので、その会社ごとでゴロっと変わります。
 (iPhoneはアップル社だけが作ってますから、その分安定しています)。
 例にすると、楽天ハンド5Gのスマホで、めっちゃ赤に見えるものも、OPPO Leno11aだと色味が結構薄く見え、シャオミのレドミ11プロだとやや楽天ハンドに近く、iPhoneXRだと薄めの朱赤に見えるなど・・・これだけでもかなり色味に差がでます。
 
 なので、仮に、ネットで販売している方が自前のPCで色調整して実物に近い色合いにしても、別のPCで見ると、ぜんぜん違うやん!みたいなことが起きるわけです。

 これはそういうものなので、どうしようもないです。
 テレビが沢山展示してあるところにいって、眺めると、おなじチャンネルを映していてもぜんぜん色合いが違いますよね?
 
 あれと一緒です。
 なので、探す時の写真の色は「あくまで参考まで」程度に考えるべきなんです。
 ※なお、ヤフオクとかでやっすく着物を売っているところの多くは、ほとんど調整していないため、かなり色合いが変わります。色を合わせればいいじゃないか!と思う人もいるでしょうが、安く売っているので、そんなことしてたら「割に合いません」ということなんです。大手になるほど、その傾向はあるので、これは仕方がないです。写真撮影して色味を合わせようと調整する場合、スムーズにいって一着30分ぐらいかかります。そこまでしても閲覧側のスマホなどのメーカーで違うように見えるわけですから・・・意味がないわけですね。

 とまあ、こんな感じでしょうか?
 まだまだあるのですが、主要な部分はこれぐらいかもしれません。
でも、これがわからないと着物探すのに効率が悪くなるわけですね。
 
 着物って「ご縁」なんですよ。
 で、そのご縁を増やすためには効率的に探した方が良いわけです。

 なので、どこにいってもサイズがないのに「しつこく探す」のは不効率です。
 
 それよりも、行きつけの中古着物屋さんに定期顔出して軽く聞くというのを繰り返したほうが良いんです。
 そうすると店員もおぼえておいて、その方に合う着物が入ったら「あ、これ入ったんですよ」って教えてくれます。

 また、店員が「この人嫌だなぁ」って思った場合、高く設定されたり、覚えていても知らんぷりして他の方にまわすって事もあります。

 これはあくまで相手も人間なので・・・ってやつですね。

 なので、こう言い方したらダメかもしれませんが「うまく利用」してください。
 相手も商売ですから、利用されても儲かるならそれでヨシ!なわけです。

 というわけで今日はこの辺で。

 


いいなと思ったら応援しよう!