雨の卒園式 着物を汚さず乗り切る方法
先日参加した、子どもの卒園式。
当然着物で参加するつもりで、何をどの組み合わせで着ようか考えていました。
しかし、天気予報を見ると、当日の降水確率は90%!
一瞬着物を着ることをあきらめかけましたが、やっぱりあきらめきれず、着物を着ることに。
プロに対処法を教えてもらい、洋服用のコートとレインブーツを組み合わせることで、着物をほぼ濡らさずに行くことができました。
今回の経緯はインスタグラムのハイライトにもまとめてあります。
この方法を成功させる条件としては、
・洋服のコートを着ること
・コートは前がとめられるタイプを使うこと
・草履ではなく、レインブーツを履くこと
・万が一着物が汚れたら、お手入れに出す心づもりがあること
があります。
プロに相談してみた
式の2日前くらいから雨確定の気配がしてきて、焦った私は楽天で雨用の草履カバーを購入しましたが、そんなすぐには届くわけもなく…。
(結局、草履カバーは式当日に帰宅したタイミングで届きました。笑)
前日になって「ヤバい!」と思い、いつもお世話になっている呉服屋さんに相談しました。
すると、まず返ってきた返事は
「思い切って、着物を着ても良いと思いますよ!」
でした。
後から思い返すと、この一言で「どうにかして着物を着よう」と決心がついたように思います。
そして、気をつけるポイントや対策はこのように言われました。
・足元の泥ハネを防ぐ
・帯が濡れないように守る
・濡れてもいい羽織ものがなければ、洋服のコートを羽織る
・式が室内なら、草履ではなく靴で行く
・羽織もコートもなければ、割烹着をコート代わりにする←!?
最後の割烹着は、初めは冗談かと思いましたが、大真面目な返答でした。笑
よく考えると水仕事をするときに着物を守るためのものなので、理にはかなっていますね。
着た後の注意点としては、
・水濡れで生地がスレやすくなる
・ちりめんの糸が濡れることで部分的に狂ってしまう
・泥ハネ、不純物による変色
これらが着物に与えるダメージとしては大敵になるとのことでした。
着物を脱いでチェックするときに、泥ハネ・大きなシミ・変色があれば早めにお手当に出すほうがいいとのこと。
式当日、やっぱり雨は降っていた
夜中はゴーゴーと音がするくらいの豪雨が、朝には少し弱くなったとはいえ、シトシトと雨は降っていました。
傘をささないといけない程度の雨、地面には水たまりができています。
やはり草履はあきらめて、手持ちのレインブーツを履くことにしました。
そして問題は着物の裾です。
着物でも着れそうなコートを羽織ってみると、裾はふくらはぎの真ん中くらいの長さ。
普通に着ると、20cmくらいは着物の裾がコートから出てしまいます。
そこで、ダメもとで昨夜考えた方法を試してみました。
その方法とは、
普通に着物を着終える
→コートの裾からはみ出る分の丈を肌着・長襦袢・着物を全てガッとつかんで、たくし上げる
というもの。
この方法が、思いのほか良かったのです。
たくし上げた着物を仮紐で落ちないように止めておきます。
仮紐の位置は、あまり下にしすぎると動きにくくなるので、上げれるところまで上げて結びます。
それでも、着付けで使った腰紐より少し下辺りに結ぶのが限界だと思います。
そして、衣紋を潰さないようにコートを羽織って、前をとめてたくし上げた部分を隠してしまいます。
お腹まわりがどうしてもモコモコしてしまいますが、荷物を持ったりすればそこまで目立ちません。
こうすることで、着物はコートでほぼ隠すことができます。
そして、足元は膝下丈の黒ソックスの上にストレッチ足袋を履きました。
ブーツを履いてしまえば、足袋は隠れて足元は洋装のように見えます。
足袋は、室内に入ってからコートを脱げば普通の着物姿なので、違和感がないように履いておきました。
いろんな対策をしていよいよ卒園式へ!
駐車場から園舎まではこのコートで着物を隠した状態で傘をさして歩き、ほとんど濡れることなくたどり着けました。
そして、コートを着たまま園舎に入り、スリッパを履きます。
水濡れの心配が確実になくなってから、コートを着たままボタンを外して前をあけ、裾を上げていた仮紐をほどきます。
たくし上げていた部分が絹の重みでストンと下におり、あたかも普通に着物を着ていたような感じに!
帰りも、他の保護者が荷物をまとめて帰り始める頃に、
教室の隅で先にコートを着る
→行きと同じように裾をたくし上げて仮紐を結ぶ
→コートの前をとめる
という手順をササっと済ませることで、何事もなかったように帰ることができました。
結果的に、思った以上に大成功
今回は草履をやめてレインブーツを履くことにしたから、できた工夫でした。
骨盤ギリギリのところで仮紐を結ぶので、立ち座りが多いと少し動きにくいですが、あくまで移動する間だけと割り切ってしまえば何とかなりました。
仮紐の位置が下すぎるとズレてくる可能性もあるので、少し注意は必要です。
着物を着ることでできる、心の準備
無事に卒園式が終わって、まず思ったのは「工夫してでも着物を着て良かった」ということ。
何より、着物を着たことで子どもがとても喜んでくれたことが、私にはとても嬉しいことでした。
そして、私自身も子どものお祝いのために気持ちとものの準備ができたことに満足。
黒や紺ベースの大人に混じってひとり華やかな色を着ているちょっとした優越感、園の先生や保護者の方に「お着物いいですねー」と声をかけてもらえる嬉しさも正直あります。
洋服のフォーマルが多い現代では、これは着物の特権ですね。
たくさんのお知恵をくださったちんがらやの村上さんにも本当に感謝です。
割烹着作戦はまたの機会に取っておきます。笑
最後までご覧いただきありがとうございました。
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