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ふだん着物をもっと楽しむ!新しい草履との出会い

休みの日に、ふだん着物を着て出かけている私。
和洋ミックスのときには足元が靴のこともありますが、もちろん草履も愛用しています。
そんなふだん着物でのお出かけをもっと楽しむために、日常使いできる草履が欲しいと思い始めました。

自分がどんな草履をお迎えしたいのか条件を挙げて探していると、行きつけのお店がその条件にほとんど合う草履をたまたま販売し始めたことで、履き心地のいいおしゃれな草履と出会うことができました。

※今回出てくる履き物は、ウレタンでできているもので、台(ソールの部分)は中央が窪んでつま先と踵が分かれているもの。
下駄にも分類されそうですが、販売元のお店が草履として売っておられるので、この記事では草履と表記します。
あくまでカジュアルに使用するものなので、おしゃれ草履として捉えてください。

記事の中では、③天と④台という言葉が出てきます。

日常使いの草履が欲しい理由ワケ

ふだん着物を始めてからは2年ほど。もちろん草履を一足も持っていないわけではありません。
今普段用で持っている草履は2つ。カレンブロッソのものと、京都一脇さんの木草履です。

カレンブロッソは自分で初めて選んでお迎えしたもの。
着物を楽しみ始めたばかりで知識も浅かったので、オンラインで買ったものはサイズがやや大きめだったのです。

【正しい履き方】
台から2cmほどかかとを出して履きます。
歩きやすく、着物をかかとで巻き込むこともありません。

「着物のイロハ」より引用

私が買ったものはかかとが台の大きさとほぼちょうどくらいのサイズ。
使えるには使えるけれど、しゃがんで立ち上がるときに着物のすそを踏んでしまうこともしばしば。
そしてかかと側面の目立つところに、どうしても落ちない汚れがついてしまい、徐々に出番が少なくなっています。

そして次にお迎えしたのが一脇さんの木草履。
暑い季節に裸足で履けるものが欲しくて、行きつけのお店を通して購入しました。


履き心地は抜群で、とても気に入っています。
ただ鼻緒が桔梗の柄で、天(足を乗せるところ)も木であることもあり、夏以外の季節に少し合わせにくいな、と感じることもあります。(とはいっても気にせず冬に履いたりもしますが。)

もちろん今持っている草履もまだまだ使う予定ですが、他のものを見たりして気づいた新たな条件に合う草履を探したいな、という気持ちが湧いてきました。
(要はないものねだりなのです。好きなものだと際限なく欲しくなりますよね。)

どんな草履が欲しいのか

靴の場合も同じですが、草履はある程度の品質のものを選んでおかないと、「疲れ」につながってしまいます。
少し歩いただけで疲れてしまうものでは着物でのお出かけは楽しめません。

また、草履は写真にはあまり写りませんが、履いている自分自身や一緒にすごす人には割と目に入ります。特に座ったときや、草履を脱いだとき。
脱いだ草履が目に入ったとき、なんの変哲もない草履だと、気分が上がりません。
気分の上がらないものは、無意識に扱いも雑になってしまいます。
お迎えするアイテムをそうはしたくないので、見た目も重要視します。
脱いだ草履を見たときに、気分が上がるものをお迎えしたい。

そして、同じくらい大事なのが価格帯。着物だけでなくどの品物にも言えることですが、価格高騰の影響を草履も少なからず受けています。
礼装ではなく普段用の草履でも、少し凝ったものだと3万、5万となかなか高額。
手軽に手を出しやすいものではなくなっています。
とはいえ普段に使うものなので、手頃な価格帯で収めたいところ。

このような私なりの譲れない条件を挙げると、このようになりました。
◎長時間履いても疲れないもの
◎ちょっと変わったデザインで、人とかぶらないもの
◎天(足を乗せる部分)と台(ソールの部分)が白ではないもの
◎雨の日でも安心なもの
◎予算は20,000円以内

条件に合う草履に出会う

こうやって条件を出していくと、なんとなくSNSを見るときにもアンテナが立ち、気になる草履も出てきます。
でも、「デザインはいいけど、高いなぁ」「お手頃な値段だけど、気分が上がるかと言われるとちょっと…」となかなかクリーンヒットするアイテムには出会えず。
今すぐに困るわけではないから、気長に探そうかなぁと思っていた頃、朗報が入ります。

それは、いつもお世話になっている行きつけのお店からの情報でした。
「ハイヒール型のおしゃれ草履を販売します!」
初めて聞いたときは、「?」が頭の中を埋めつくしました。
SNSにアップされた写真を見ると、確かにハイヒールのようにかかとの部分が少し高くなっています。

そして、天(足を乗せる部分)と台(ソールの部分)は茶色。天には葉が描かれています。
鼻緒のデザインもおしゃれで、値段は15,000円+税とお手頃!

信頼しているお店の方が選んだものなので、履き心地や品質はある程度安心感があります。
これは、私が挙げた条件にほぼほぼ当てはまるのでは?
早速お店に見に行ってみることにしました。

試し履き、そして鼻緒で悩む

試し履きでは、履いたときの安定感、台の高さ、鏡で見たときの全身とのバランスなどを確認しました。
私は靴でもヒールの高いものは苦手で、スニーカーやパンプスなどを好んで履くので、今回のハイヒール草履はその辺りがどうだろう?と気になるところでした。

実際に履いてみると、ヒールの高さはそれほど、というかほとんど気になりませんでした。
かかとの高さは5cm、つま先のソールは2cmですが、つま先が少し反り返っている形なので、床からつま先までは4.5cmあり実質の高低差は0.5cmほどでした。

高さはあくまで私調べです。

さらに重心が前にずれてくるようなヒール特有の感覚はほとんどなく、むしろ一般的な草履を履いているような感じ。結果、履き心地は問題なし!

そして、悩んだのが鼻緒選び。私が迷ったのは2つです。
1つはコルクの素材によく見るとペイズリーの模様が入ったもの。
もう1つは、「サンダー」という名前がついた濃い茶色の地に薄い茶色とベージュで幾何学模様が描かれているもの。

左がコルク。右がサンダー。

実際に履いてみて、鏡で全身の雰囲気を確認します。
このとき、足元だけでなく全身をみることが大切だと思っています。
頭の先まで全体で見ることで、顔の色味との相性や、骨格とのバランスもあるのか、足元だけで見るのと印象が違うことがあるからです。

履いてみると、ますます悩む。
これは私が普段から優柔不断だから。ランチのメニューなんかもすぐ決められません。
そこで、一緒に来てくれていた夫や子どもたちにも意見を聞きます。
そしてお店の方や、そのときたまたま来店されていた一度食事をご一緒した着物好きさんも巻き込んで意見をもらいました。

お店の方は、普段の私がどんなテイストの着物を着るのか知っているので、的確なアドバイスをしてくださいます。
そして、私よりも着物経験が長い着物好きさんからは、
「夢に出て来そうな方を買った方がいいよ。着物のものは一点もの。次に出会えることはないのがほとんどだから。」
と格言とも思えるありがたーーーいアドバイス。
それらをふまえて、もう一度2つの鼻緒を見比べます。

表情が全然違う2つ

コルクの方は、すっきりとした印象。キレイめにも使いやすそう。
そして素材がコルクというのが珍しく、レア感があります。

一方のサンダーは、模様が面白い形をしていて目を引きます。
カジュアルに楽しむなら、着姿のアクセントになりそう。
前坪まえつぼ(左右の鼻緒が合わさった部分)が茶色なのもちょっと珍しくて可愛いポイント。(前坪の色は多くが白で、違う色でも赤とかが多い)

悩みに悩んだ結果、「夢に出てきそう!」と思うサンダーをお迎えすることにしました。

実は、写真だけを見ている段階ではコルクの方に惹かれていました。
でも実際に履いた自分の姿をみると、頭の中で想像していたものとは印象が違っていたのです。

コルクの方は思っていたよりもキレイめ寄り。
もちろん素敵なんだけど、少し凛とした雰囲気があって私が普段着る着物には少しテイストが違う感じがしました。
一方のサンダーはカジュアル全開な感じ。合わせる足袋の色によってサンダーの模様がドンとした感じに見えたり、シュッとした感じに見えたりしそうで、「履いていると面白そう」と思えたのです。
結果、私自身のテンションが上がりそう、と思えたのはサンダーでした。

お迎えしたサンダーを夫が撮影

想像するだけと、鏡で合わせてみるのとでは印象が違う。
これって着物や帯でも言えることなんですよね。
着物や帯、そして面積としては少ない帯揚げ、帯締めなんかでも、鏡で合わせてみると候補に入っていなかったものが案外ヒットする場合があるから不思議です。
そしてそれが新たな発見につながって面白かったりもします。
いつも試着したり鏡の前で合わせられるわけではありませんが、それができる状況なのであれば、試してみるべき!と心から思います。

実際に履いて出かけてみた

こうしてハイヒール草履をお迎え。何度か履いてみました。
結果としては、今のところ快適。歩きやすい。気分も上がる!といった感じです。
台(ソールの部分)が前と後ろに分かれていて、土踏まずのところが凹んでいるので、歩いたときの安定感は購入して歩いてみないとわからないな、と思っていました。
台が途切れていない一般的な草履とは少し違う感覚もありますが、それが歩くときに支障をきたす感じは全くありません。
むしろ意識しなければそんなこと気にならないくらい。

そして、「今のところ」と書いたのは、まだ丸1日外を歩き回るような感じでは履いていないからです。
車移動で数箇所買い物をしたり店内を見て回る程度では快適に歩けています。
見た目のオシャレさは大満足。
着物のすそから鼻緒が見えたときや、窓ガラス越しにヒールの部分が映って見えると心の中でニマニマしています。(顔には出していない…はず)

新しいアイテムとの出会いはたまらない

「草履、もう一足欲しいなぁ」とぼんやり考え始めてから数ヶ月。
限りなく条件に近い一足をお迎えすることができました。

台や天の色が白でなく茶色、鼻緒のデザインもオシャレ、前坪も鼻緒と共色ともいろ(同じ色)なことも良き、形もハイヒール型であまり見かけないレア感。そして手を出しやすいお値段。
試着もできたことでより一層納得してお迎えすることができました。
これでまたさらに着物でのお出かけが楽しくなりそうです。

ちなみに、こちらの草履はまだ販売されています。
オンラインでも対応してくださるので、気になる方はぜひ見てみてくださいね。


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