![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/154046592/rectangle_large_type_2_c8e850a781fae239156f191431d0f248.png?width=1200)
袷・単衣・夏物・浴衣の違い、わかりますか?
日本の四季に合わせて、着物には季節ごとに異なる種類があるのをご存知でしょうか?
これを知っていると、季節の移り変わりを感じながらより楽しく着物を楽しむことができます。
今回は季節ごとに異なる4つの種類、「袷」「単衣」「夏物」「浴衣」の基本的な違いと、それぞれの着物がどんな季節に合うのかを紹介します。
袷とは?チラッと見える裏が効く
袷は、裏地がついた着物のことで、基本的には秋から冬、春先にかけて着るものです。
風が冷たくなり始める10月から翌年の5月ごろまでが袷の季節です。
特に寒い時期には、袷の着物の上に羽織やコートを合わせて楽しむことができます。
着物は襦袢や着物、帯、紐類と布を重ねて着る衣服なので、空気の層がたくさんあるほど暖かく過ごせます。
そして袷の裏地のうち、八掛と呼ばれるところは袖口や裾の部分でチラッと着姿からものぞきます。
ただの裏地だけでなく、見える部分に違う柄をつけてあるものもあり、自分好みの八掛を見つけて楽しめるポイントでもあります。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/153951162/picture_pc_62e68f2c04a5e90a65930677971f8b1a.png?width=1200)
単衣の着物は近年出番が増えている
単衣は裏地がついていない着物で、主に春や初夏、秋口に着られます。
少し前までは「単衣を着るのは6月と9月」という名もなきルールがありましたが、そのルール通りに行くと、5月までは裏地のついた袷を着て、まだ暑さが残る9月からは夏物を着ないということになってしまいます。
近年は気温が高い時期が増えているので、そうも言っていられません。
私の場合ですが、春は4月の下旬くらいから単衣を着始めて、秋は10月くらいまでは単衣、11月ごろにやっと袷を出してくる感じです。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/153951830/picture_pc_fee86fa85ac7dae1f2900a1e467e90c4.png?width=1200)
つまり、実際の気温に合わせて過ごしやすくしようとすると、自然と以前よりも単衣の出番が増加しているのです。
夏物は透け感があり涼やか
夏物は、単衣の中でも生地が薄く、涼しいものを指します。(薄物とも呼ばれます)
着用時期は主に6月から8月9月ごろ。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/153951894/picture_pc_5f0152eb791820956196613c6587592a.png?width=1200)
通気性の良い素材や薄手の生地を使用しており、涼しさを感じながらおしゃれを楽しむことができます。
絹であれば絽(ろ)や紗(しゃ)など、透け感のある生地が多く使われ、軽やかな印象を与えます。
素材としては絹、麻、綿麻、化繊などがあります。
綿や麻、化繊は家で洗うことができるので、汗をたくさんかいてもお手入れしやすいのも特徴です。
浴衣とは?夏物とは何が違う?
浴衣は、夏祭りや花火大会などでよく見られる夏の代表的な着物です。
元々は湯上がり着で、寝巻きやくつろぎ着として定着したものが、明治ごろから花火大会の定番衣装となりました。
襦袢を着ずに直接着ることが多い浴衣は、涼しさとカジュアルさを兼ね備えています。
日常的な場面で着ることができ、よりリラックスして着られるのが特徴です。
一般的には浴衣はカジュアルな場面で着ることが多く、フォーマルな席に着ていくことはあまり向きません。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/153952169/picture_pc_4cc41c569a5face667370f1e9ec67e1f.png?width=1200)
夏物と浴衣の線引きは難しい?
夏物の着物と浴衣は、着用シーズンがほぼ同じでデザインや素材が似ていることもあり、見分けるのが難しいことがあります。
両者の違いは、TPO(時と場所、場合)によって区別されることが多いです。
たとえば、浴衣は夕涼み会や夏祭りで着ることが主流ですが、一方夏物はよりフォーマルなシーンにも適しています。
ただし、浴衣の中でも襦袢を着て衿付きにすれば夏物のように見える色合いや柄付のものもあるので、ものによっては「浴衣=カジュアルのみ」と一概に言えないところが線引きしにくい部分。
このように、厳密な線引きが難しい部分もあるため、迷ったときはシチュエーションに応じて選ぶのがポイントです。
全ての着物を季節によって分類するのは難しい
着物には、四季に合わせた基本的な分類があるものの、すべての着物を「◯月だから〇〇を着るべき」と当てはめるのは難しい場合もあります。
まだ4月でも、日によっては20℃を超える日もありますよね。
そんな時、裏のついている袷ではかなり暑く感じてしまいます。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/154005818/picture_pc_f3a7efd83627bb8c5d6865514fd1e988.png?width=1200)
当たり前のことですが、暑さ寒さの体感は人によって差があり、住んでいる地域によっても差があります。
そのため、厳密に分類するよりも、自分が今の季節にどの着物を着たいかを考えながら選ぶ方が大切です。
自分の持っている着物はどの季節に合う?アイテムの特徴を活かそう
最後に、あなたが持っている着物を見てみましょう。
それぞれの着物がどの季節に合いそうか、想像してみることも大切です。
その時、実際に手にとってみるのもポイント。
手で触れることで温かみのある生地なのか、シャリ感のある生地なのか感じることができます。
素材や裏地、デザインなどを確認し、どんなシーンで着るのが良いか考えてみましょう。
同じ単衣でも、寒色系の単衣は夏に向かう時期に着ると涼しげに見えますが、秋口に着ると少し季節外れに見えるかもしれません。
対して、暖色系の単衣は夏の初めよりは秋口の方が季節感としては向いているかもしれません。(着物だけでなく、帯や小物の色合いによっても変わってきます)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/154006295/picture_pc_c2f4eae04c2a6f010b700922b08b1cb2.png?width=1200)
着物の季節ごとの種類を知ることで、四季折々の風情を感じながら、もっと幅広く着物を楽しむことができます。
「袷」「単衣」「夏物」「浴衣」の特徴を何となく頭に入れながら、TPOに応じて自分に合った着物を選んでみてください。
そして、持っている着物がどの季節に合いそうかを想像しながら、季節に合わせたコーディネートを楽しんでみてくださいね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
おもしろかったら、スキやおすすめしていただけると嬉しいです!
フォローもぜひお願いします。
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?