銀座結び、始めました。
なんとなく気になっているけど、なかなか一歩踏み出せない。
楽しそうだな、憧れるな、と思っているけど「でも…」とやらない理由を無意識に考えてしまっている。
忙しい日々の中で、そう感じることってありますよね。
人間の脳は今の安定した状態を保とうとするので、気になっていることに挑戦できないことがあっても、人間としては当たり前でもあります。
でも、その当たり前を飛び越えて小さな一歩を踏み出すと、そこには今まで知らなかった世界が広がり、結果的に大きな一歩となることもあるのです。
私にとっての当たり前を変える
ふだん着物を着るとき、名古屋帯が好きでよく使います。
今までは、名古屋帯を締めるときには100%お太鼓結びをしていました。
その理由は、お太鼓結びしかやり方を知らなかったから。
そして、きちんと感が出る、もたれても形が崩れないなど、私の好みや生活背景にも合っていてメリットも多くありました。
着物を着る頻度が増えて、ふだん着物の情報も増えてきた頃。
お太鼓結びではない名古屋帯の結び方があることを知ります。
それが、銀座結び。
きちんと感もありつつ、お太鼓結びよりも少し粋な雰囲気を感じました。
ちょっと気崩していてもオシャレに見えます。
一度気になると、インスタや着物のコラムを見ていても銀座結びが目に止まります。
「こんな風に着れたらカッコいいなぁ」
そう思うと同時に、
「結び方を練習しないといけないよなぁ」
「もたれると形が崩れるって聞くしなぁ」
「車移動だから、私には向かないかな」
とできない理由も探していました。
今思えば、色々と理由をつけてやらない言い訳をしていたのだと思います。
不意にやってきた”きっかけ”
そんな風に気になりながらもスルーしようとしていた私に、あるきっかけが訪れます。
それは、長谷川普子さんのインスタで見たコメント欄でした。
『どうやって銀座結びの形をキープするんですか?』という質問に対して、
『形が崩れたら手を入れて直してます!』と返信されていました。
着姿がいつも素敵で、銀座結びの形がきれいだなと思っていた方が、新幹線で移動する際に銀座結びをしているリールについたコメントでした。
「そうか、崩れたら直せばいいんだ」
このコメント返信に妙に納得してしまい、あれこれとしていた言い訳はどこか遠くに飛んでいきました。
やりたいことリストに「銀座結びを練習する」と書き込み、YouTubeでやり方を確認。
着た着物を片付けるついでに、YouTubeを見ながら練習してみました。
細かいポイントは人によってそれぞれ色んな方法があるので、自分に合いそうなものをチョイス。
私は、すなおさん・さんかくさん・うさこまさんの動画を参考にしました。
動画を見ながら手を動かすと、思っていた以上にすんなり結べてしまいました。
全体のバランスや手先の始末など、細かい点で気になるところはありますが、ぱっと見の形はそれっぽくなっていてちょっと拍子抜け。
なんとなくわかったら実践あるのみ!
そんな風に自宅で一度結べたことが自信につながり、お出かけのときに銀座結びをしてみることに。
楽しみにしていた京都オフ会で、銀座結びデビューをしました。
着物好きさんが集まる少人数の集まりなので、何か困ったら助けてもらえるかも、という安心感もあり、なかば勢いでチャレンジしてみました。
正直なところ、手先の始末もぐちゃっとしているし、お太鼓にあたる部分も大きすぎる。自分で見ても手直ししたくなるところはたくさんあります。
それでも、「銀座結びに挑戦できた!」という達成感の方が大きくて、「帯がほどけなかったから合格!」とほくほくした気持ちで過ごせました。
オフ会での初チャレンジ以降、着物を着るたびに銀座結びで出かけています。
帯揚げを使わなくてもできるし、帯枕がない分涼しく感じられる。
そして回数を重ねると手がやり方を覚えてきて、少しずつではありますが全体のバランスや形もそれっぽくなりつつあります。
思わぬきっかけと思い込みで世界が広がる
こうして名古屋帯を使うときのバリエーションがひとつ増えた私。
それは、新しいヘアスタイルが思った以上に似合っていたときのような、心が躍る感覚に似ています。
この記事を書き始めるときに、銀座結びに挑戦するきっかけとなった普子さんのコメント欄を見返してみました。
すると、『手を入れて形を直しています!』のコメント返信に続きがありました。
『私の場合、3時間くらいの電車移動ならもたれずに過ごせるんです。車で移動するなら、半幅帯かお太鼓結びですね』と。
普子さんの場合、”車ではない長距離移動はほとんどもたれない”という事実が発覚。
つまり、もたれない分着崩れもおそらくそこまでではない、ということ。
このコメントを発見して、思わず笑ってしまいました。
私が最初のコメントだけを見て早とちりをして、「車移動でも崩れたら直せばいいんだ!」と思い込んだことで、銀座結びを習得してしまったのです。
でも、実際に車で出かけてみると確かに形は崩れますが、普子さんが言うように手を入れて直すとある程度は直せています。
『崩れたら手を入れて直してます!』という一言をきっかけに、「できない」という思い込みの枠を外して挑戦してみたことで、私にとってのふだん着物の世界が広がりました。
今までよりもさらにふだん着物を楽しめできそうで、今からワクワクしています。
これからの暑い季節、大好きな名古屋帯を涼しい銀座結びでたくさん楽しもうと思います。
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