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帯留めブローチの新たな発見! 三分紐でない帯締めに使う方法
帯留めの始まりは江戸時代後期。
帯をとめるための道具として、紐の両端に表金具と裏金具があり、それを合わせて引っかける構造でした。
その紐部分が帯締めとなり、金具部分が帯留めへと変化していきました。
明治時代に入り、廃刀令が出ると刀装具を加工していた職人が失職し、不要になった刀装具を転用して帯留め職人となりました。(Wikipediaより引用)
現代では、帯の装飾品として使われている帯留め。
帯留めとして販売されているものもありますし、ブローチを帯留めとしてアレンジできるのも有名ですよね。
そんなブローチを帯留めとしてアレンジする方法について、新たに発見したことがあります。
それは、
「帯留め用の金具を使わずに、三分紐でなく帯締めにブローチをつける方法」
この方法なら、手持ちの帯締めをそのまま使って、帯留めを楽しむことができるのです。
今まで知っていた帯留めブローチのやり方
ブローチを帯留めとして使う場合は、一般的にはこれらの条件が必要になります。
◎ブローチの針部分or裏面に専用の金具をつける
◎帯締めではなく、三分紐を使う
ブローチの針のままでは帯留めとして使うことはできないので、このような金具が必要になります。
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そして、この帯留めの穴に通すためには、房のある帯締めではなく、房のない三分紐を使う必要があります。
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房のある帯締めは房が引っかかって通すことができませんが、三分紐は房がなく細いため、金具を通すことができます。
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これらのやり方については過去の記事でも紹介しています。
帯留め用の金具不要、房のある帯締めにも使える帯留めブローチ
金具をつけた帯留めブローチをいくつか使っていくうちに、ふと今までにないアレンジ方法ができることに気づきました。
それが、
「金具を使わずに、房のある帯締めにも帯留めとしてブローチが使える」
ということ。
この方法は、2つの条件があります。
◎ブローチの針が表面に対して縦方向についていること
◎帯締めが平組(平たいタイプ)のもの
この2つの条件を満たすと、こんな使い方ができます。
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ブローチの針が縦向きについていることで、帯留め用金具の代わりをしてくれます。
そして平組の帯締めであれば、帯締めの房があって端からブローチを通せなくても、針を一度外して帯締めをくぐらせることで、つけることができます。
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平組の帯締めというのは、平たい形に作られた帯締めのことです。
帯締めの形には他にも丸組というロープのように組まれているものもあります。
丸組のものでは針をくぐらせることは難しいので、平べったい形のものが適しています。
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この方法でブローチを使う注意点としては、ブローチの金具をそのまま使うため、少なからず摩擦で帯がスレてしまう可能性があること。
そして、ブローチの大きさに対して針が小さいもの、またはブローチの中心ではなく端の方に針がついているものは、固定が1ヶ所になるのでブローチが傾くかもしれないという点です。
(落ちてしまうことはありませんが、バランスが崩れる可能性はあります)
個人的に帯の摩擦に関しては、ふだん着物で楽しむならそこまで気にしなくてもいいかな、と思っています。
一度つけただけで帯が傷つく、なんてことはほぼありません。
実際に使っていることで気づく小さな発見
平組の帯締めと縦に針のついたブローチがあれば、三分紐や金具がなくても帯留めとして楽しめる。
三分紐がないと帯留めをつけられないと思っていた私にとっては、この発見はかなりの衝撃で、かつ自分で気づいたのでなんだか無性に嬉しくなりました。
(「え、その方法前から知ってるよ」と思う方もいらっしゃるとは思いますが…)
江戸時代から帯留めの用途や形が変わってきたように、使う人たちの工夫やアイデアでまだまだたくさんの楽しみ方が見つけられる。
そんな風に感じさせてくれた、小さな発見でした。
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