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3週間着物を着なかった話

年末から年始にかけて、約3週間ほど着物を着ない期間がありました。
おそらく、ここまで着ない期間が空いたのは1年以上ぶり。
着る機会が作れなかったわけではないのですが、何となく気持ちが着物に向かなくて、日にちが経ってしまいました。

その間、着物を着ていないことによるソワソワした感じもありましたが、自分の気持ちに正直になって、「着たい」と思えるまでは無理に着ませんでした。
そして、気持ちに素直に従ったことがよかったのか、タイミングが来たらまたいつも通り、「あ、この日に着物を着よう」と思うように。

着物も衣服のひとつです。
「着物が着たい」と思うから着物を着る。そう思えなければ洋服を着たらいいんですよね。
「着たい」と思う気持ちがあるからこそ、楽しめるんだなと改めて感じた出来事です。


着物をしばらく着なかった理由は気忙しさ

さて。どうしてしばらく着物に手が伸びなかったのか。
その理由は、体調不良などではありません。
体は元気だったし、着ようと思えば着る機会を作ることもできました。
それでも、なんだか手が伸びなかった。

「どうしてだろう?」

おそらく、年末年始で何となく気忙しかったからだと思います。

親族が集まったり、実家に帰ったり。
長距離の移動をするわけではないけれど、普段と違う環境や状況になることに、どこか心がザワザワして、落ち着かなかったのです。
そう思えば、もともと持っている偏頭痛が起こる回数もその期間は多かったような…
普段よりも心の余裕がない状態が続いたから、なんとなく着物にも手が伸びませんでした。

"着物は、平和な時代でないと着られない"
と何かの書籍で読んだことがあります。
時代を遡っても、着物が日常的に使われるのは争いがない時期がほとんどだそうです。
争いが始まると、動きやすさ重視・節約重視で着物の袖は短くなり、ズボン型の履き物が日常着になります。もちろん、装飾品なんかも少なくなる。

私の着物を着なかった時期をそれらと当てはめるのはちょっと大げさですが、心の状態だけを考えると、通じるものがあるような気がします。
心の状態が穏やかでないと、着物から離れてしまう。
つまり、"着物は心が穏やかで余裕がある状態だからこそ、楽しく着られるのかもしれない"と感じました。

3週間着物を着ないと、どうなるか

もちろん着物を着ていない間、ずっと頭の片隅には着物のことがチラついて、気になっていました。
「ちょっと無理して着ようかな」と思ったこともありましたが、きっといいことにならないような気がして、手を引っ込めました。
自分の気持ちに正直にしばらく過ごして、家族で出かける日に「着物を着よう」と思えたので、久しぶりに袖を通しました。

着てみると、さすがに着方は覚えていますが、普段よりも着終わるまでに時間がかかりました。
普段は20分くらいなのが、30分くらい。
用意するものを忘れていたり、手の動きに無駄があったり。
その辺りはしっかり3週間分のブランクを感じました。

それでも着物を着て1日過ごすと、背筋がシャキッと伸びて気持ちよく感じます。
この感覚が前から好きで、「これこれ」と内心嬉しくなりました。
それと同時に、次の日には首筋から肩のあたりがやや筋肉痛。
洋服の時と姿勢が違うことも実感します。(洋服の時にいかに猫背かよくわかる…)

そして、組んだコーディネートがイマイチ気に入らない。
これは久しぶりに着物をきたせいとは言い切れず、たまたまかな、とも思いますが、何となく色の合わせ方や組み合わせが納得いかないものになってしまいました。
(1つ1つのアイテムが悪いわけではない。全ては私の組み合わせ力。)

この着物にこの半衿は合わないことが判明。

奇しくも、コーディネート失敗例の仲間入りを果たしてしまいました。
この辺りも、3週間とはいえ着物から離れてしまった影響かもしれませんね。

ふだん着物は"いつでも戻れる"楽しみ

3週間ぶりに着た着物は、やっぱり楽しくてテンション上がりました。

着物を着ることは義務ではなくて、楽しむためのもの。
そんな当たり前のことを、自分の気持ちに正直に従ってみたことで、より実感することができました。
"無理して着るのではなくて、楽しんで着ること"
これこそが、ふだん着物を長く楽しく続ける秘訣なのかもしれない、と思います。

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