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私が呉服業界に入った最初の理由

今朝の朝礼中、社長から「アフターケア診断士」という資格(といえばいいのか悩ましいところではある)を取得することのできる機会が出てくるかもしれない、という話を聞いた。
着物についたシミなどをその場でどういったものなのか判断できるようになる、というのが目的の資格である。
今現在、写真館だったり、note含むweb関連やら、企画的な部分やら…直接は着物に関わっていない私だが、実は呉服業界に入ったきっかけは「悉皆」なのだ。

悉皆との出会いは、幼少期。
祖母が「帯の悉皆」を生業としていたところから始まる。
その当時はすごい音がするし、においも特徴的だなあ、という印象の祖母の仕事場。
小学校に上がるころには、その場所も駐車場となってしまったので、今現在既にぼんやりとした記憶しかない。

歴史は好きな方だ。
だからこそ、日本文化にも興味があったし、伝統である着物だって素敵だとは思っていた。
けれど、それを仕事にしようと考えたことはなかったし、実際、七五三や成人式を経た後も、着物は近くて遠いもののまま。

それが変わったのは社会人になってからだ。
最初はちょっとした違和感だった。
大学を卒業し、子供写真館で働き始め、仕事にも慣れてきた頃。
時折持ち込まれる七五三の衣装。
思い入れが強いものであったとしても、大抵、シミがあるのだ。
モノによってはすごい匂いもする…のちに、樟脳(しょうのう)のにおいだと知ったのだが、それまでは何だこれ?!という感覚だった。閑話休題。

どうしてお持込みの着物には汚れが多いのか。
聞けば「着物は(シルクは)洗えないからね」という返事。
そうか、着物は洗えないのか。

…本当に?
ならば、祖母の仕事はなんだったのか?
帯しか洗えないなんてことはあるのだろうか。

着るのなら、綺麗なものを着てほしい。
自分に置き換えて考えても、折角着るのなら綺麗なものを着たい。
着物って、本当に洗えないのだろうか?

そこが私の呉服業界に入ったきっかけだ。
ちなみに社長は覚えているかわからないが、面接のときにもお手入れの話はしている。
そのときに、「ちゃんと手入れはできる」という言葉を聞いて、ああ、そっか、やっぱりお手入れできるんだ、と嬉しく思ったのは秘密である。

そう、着物はお手入れできるのだ。
タンスの中で眠っている着物だって、綺麗になるし、綺麗にしたら、着てほしい、着て楽しんでほしい。
これが、私のはじまりの話。

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晴れの日きもの専門店 小川屋


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