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『家紋=家』ということについてのこぼれ話

膝裏に大きな謎のあざがあり、周囲に驚かれた中村独逸です。
兄夫婦のところに男の子(私から見た甥っ子)が生まれまして、あちらのご家族から「初着を用意したい」ということで、家紋が必要になりあちらのお家へお伝えすることに…。
その瞬間、お家の中がバタつきました。
「ウォーリーを探せ」ならぬ「家紋を探せ」の開始です。
(突然家紋の話を始めた理由を書いていなかったので追記してます)
※今回は目次機能を使ってみたいので、少々長めの文章となっております。

前置き(読まなくてもいい部分)

本日は家紋についてお話ししたいなあとおもいます。
プロフィールというか簡単な自己紹介からは文字数の問題で消えたのですが、もともと歴女と呼ばれるタイプの人間です。
そう家紋といえば…戦国武将。
一番好きなのは一代目片倉小十郎景綱氏になります。
主君である伊達政宗よりも先に自分に子供が出来たとき、それはだめだと自分の子供を殺そうとするくらいに苛烈な忠義に衝撃を受けた結果です。
本でぱらっと読んだだけなので、詳しい方からはお叱りを受けるかもしれませんが、さらっと流してください。

私が中学から高校時代(年齢がばれそうですが)戦国BASARAが流行りました。
その前から戦国無双を触っていた私としては違和感だったのですが、まあその辺のゲーム談義は置いておきます。
ただ、重要なのは、その頃には(私の身の回りばかりだったかもしれないけれど)『家紋だけでどの武将(の家)のことかわかる』女子高生が一定数いた、ということ。
(私の身の回りの有名どころでいえば)「大一大万大吉は石田三成」だとか
「一に三つの●(正式名称は一文字三星)は毛利元就」だとか、「○に十文字(丸十文字)はリアルチート島津」であるとか、「竹に雀が伊達政宗」だとか。
それから数年経ち、某ブラウザゲームに端を発した刀剣ブームでも多少家紋に注目が集まったのでは?と感じております。
誰が持っていた刀なのかって結構重要だったなあ、と。

なので、意外に家紋ってどういうものなの?と知っている方も多い気も致しますが、何となくふんわりと家紋について知りたい方向けに載せておきます。

家紋ってどこで使うの?

一番多いのは、礼装としてのきもので見かけることでしょうか?
1つ紋なら背中のところに、
3つ紋なら背中と両袖の真ん中に、
5つ紋なら背中と両袖の真ん中と左右の胸元に。
紋の個数やつける着物には格(乱暴に表現するならカクテルドレスかワンピースかみたいな差)が関わってくるので、今回は省きますし、ある程度決まりもあります。
あとは、生まれたお子さんの初着や五月人形などにも使うことが多いです。
実際、小川屋でも一番紋入れのご相談を受けるのは初着になります。

苗字と家紋

さて、家紋なのですが、読んで文字の通り「家の紋」。
「紋」を「紋章」と言い換えると、なるほど、わかりやすい。

成り立ちや由来に関しては、いろいろ詳しい方が研究してくださっているので、私は成り立ちとかは基本スルーで行きます。
平安時代が始まりとか公家の家紋と武家の家紋の違いとか、戦のときの陣からどうのこうのとか、使用用途によって派生がうんぬんかんぬんと色々あります。
興味のある方は調べてみるの面白いですよ。

家紋=家、なので、苗字が同じだろうと、違う家なら家紋が違うことがあります。
一族なら一緒である、とも言えないのです。
なので、家紋の数は膨大、何なら、こっちの家紋とこっちの家紋をあわせて新しい家紋を作ろう!が多く、実際私も「中村」というかなり多い苗字をしておりますが、家紋が「紋典」に載っておりません!!
※ちなみに紋典に載っている紋の数は大体1P18個×約250ページなので、4500種類くらい。後日紋典を詳しくアップしたい心持ち!

家の紋、と言っていますが、女系紋とか、伊達政宗みたいにたくさん紋使ってたりとか、いろいろあるので数が増えるのも致し方ないのかも?

家紋の違い①

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線の太さが違うと別の家紋!
赤丸を付けた部分ですね、ほぼ一緒ですが、線の太さが違うだけで別の家紋になります。
〇だけの家紋もあるのですが、太さが5種類くらいあったような…。
今回の画面に関しては桔梗なのですが、一番上は「太蔭桔梗(ふとかげききょう)」、真ん中が「中蔭桔梗(ちゅうかげききょう)」、一番下が「蔭桔梗(かげききょう)」という名前になります。

家紋の違い②

画像2

名前の表現は基本的には見たまま(ただしわかりにくい)
こちらの4種は「裏桔梗」といって、桔梗の花の裏側の部分になります。
で、問題の紋の名前なんですが、
一番上は「裏桔梗」…わかります、何ならオーソドックスな感じがあって親しみやすいですね。
次、飛ばして一番下「中蔭裏桔梗(ちゅうかげうらききょう)」…さっきやりましたね。中くらいの線の太さの、蔭(黒抜き)の裏側の桔梗。
さて、ここからが問題です。
上から二番目の花びらがつながっている家紋
名前は「變り裏桔梗」読めない…!フリガナには(かはりうらききょう)と書いてあるので現代の漢字と読みで表すと「変わり裏桔梗(かわりうらききょう)」、なるほど、変わった形の裏桔梗。
そして、その下の家紋の名前は…
「臺地抜裏桔梗」!!!読みは(うてなぢぬきうらききょう)…?うてな、とは???となったのですが、現代の文字遣いだと「台地抜裏桔梗(うてなじうらききょう)」でしょうか。「じ」か「ぢ」かはちょっと微妙です。
桔梗の台の部分が黒抜きの裏桔梗と考えれば、見た通りですね、漢字は難しいですが。

家紋の違い③

画像3

一部違うと別の家紋!
「鐶桐(くわんきり(かんぎり))」と「光琳鐶桐(くわうりんくわんぎり(こうりんかんぎり))」。
違いは桐の葉の形になります。
鐶=金属でできた輪っか、なので、下の部分ですね。+桐。
光琳というのは「尾形光琳」もしくは「光琳風」のことで、現代の日本美術に影響をあたえた江戸時代のすごい画家のこと。ちなみに呉服屋出身らしい。

おわりに

ふんわりとした家紋の話でしたー。
「家紋=家」の話はもしかしたら、前置きが一番関係していたかもしれないですが…初着などで唐突に必要になることの多い家紋…
ここまででお話ししたように、ちょっとした違いで「別の家紋」になります。
なので、もし家紋が必要になったときは、名前で覚えたり、調べたりするよりも、実物を写真に撮って、持ち込む方法が一番!!
画像を使ってのやり取りだと、一番伝わりやすいのですが…ここだけの話、紋典に載っていない家紋だと、紋代が別にかかる可能性もありますので、ご注意くださいね。


晴れの日きもの専門店 小川屋
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