着物との出会い
祝い事、入学式、参観日、卒業式にとその時折の母の着物姿を目にしつつも、着物には全く関心がなかった私が、極み初級コース終了に向かって着付けをしているとは・・・・・。
いちる着付け教室に出会った当初は想像もしなかったことでした。
母が高齢になり、着物を着る姿も見られなくなり、そのような中、娘や息子の結婚式に黒留袖を着る機会もあるかと、桐ダンスを開けると、沢山の着物がぎっしりと・・・。
桐箪笥、和箪笥、入りきれないものはさらに洋箪笥、そして昔の大きな衣装箱にも・・・。
着物のことがわからない私は途方にくれてしましました。
そのなかから、見つけた母の黒留袖!
その中の一枚、今風ではないものの、控えめな中に、品のある奥ゆかしい色合いと柄に、(記憶はあるものの)一目ぼれ。
早速、近くの呉服屋さん持参したところ、「代々引き継ぐことができる素晴らしい着物ですね。」の一言。
嬉しくなった私は、この黒留袖を洗い張りし、再生することにしたのでした。
当時は、洗い張りが何か、着物は再生できるのかもわからず、言われるがまま。
「着物について少し学ばねば、これでは、沢山の着物を整理することができない」と、その時思ったのが、いち瑠教室入会のきっかけでした。
「自分で着れなくても、手ぶらで気楽に通える」との軽い気持ちで、教室に通い始めたものの、復習もせず次回には忘れてリセット、私には向いていないと毎週の教室が苦痛になっていきました。
そうこうするうちにも、教室でお友達ができ、お食事や、お出かけと、いやでも着物を着て出かけざるを得ない状況になってしまっていました。
また、各級の終了後の催事や、展示会など、伝統の織物に触れる機会も多く有り、着物を通じて日本の文化等々、気がつけば、すっかり着物の魅力にはまっていたのでした。
母の大島紬、琉球絣、父がお正月には必ず着ていた大島紬のアンサンブルを洗い張りしそれを身に着けた時は、何とも言えないほっとした気分になり、それらお着物の心地良さに感動しました。
着物や帯の価値も少しわかるようになり、母の着物も整理を進めるなかで少しずつ蘇っています。
着物に出会えて、自分の人生の幅もちょっぴり広がったような気分です。
歩みののろい私ですが、出会えたお友達と一緒にこれからも着物を楽しんでいければいいなと思えるようになってきたところです。